2024年08月07日07:00
ありがとうバレーボール男子!
熱戦つづくパリ五輪、気持ちを落ち着かせるのに少し時間が掛かってしまいましたが、大会13日目にして団体球技の日本勢はすべて姿を消しました。今大会は「すべての団体球技で男女いずれかは出場する(もちろん自力で)」という静かな快挙を成し遂げていた日本勢ですが、残念ながら準決勝から先へ進んでのさらなる快挙には手が届きませんでした。
メダルの期待を大いに抱いていた男女のサッカーはいずれも準々決勝で認めざるを得ない敗北を喫しました。古賀紗理那さんが現役最後と決めて臨んだバレーボール女子は決勝トーナメントに進めませんでした。そして金メダルの夢を描いてくれたバレーボール男子は1勝3敗と夢見た姿とは遠く離れた戦績のなか、準決勝まで「あと1点」からの痛恨の逆転負けで大会を終えました。涙に濡れ、悔しさを滲ませ、受け入れがたい現実に懸命に向き合う選手たちの姿には胸が痛みました。もう少し、救いのあるイイ感じの終わり方をさせてくれてもいいのにな…と思います。残念です。
#パリ五輪 #男子バレーボール 準々決勝。日本はイタリアにフルセットの末に惜敗しました。48年ぶりの4強入り、52年ぶりのメダルには一歩届きませんでしたが、日本バレーの進化を世界に見せました。#paris2024 #Olympics
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) August 5, 2024
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とは言え、結果に関しては「あり得る範囲」だろうと思います。揃って望まない方向に偏った感じはありますが、過去の戦績を振り返っても際立って悪かったとは言えません。勝ちそうな相手に勝ち、負けそうな相手に負けた、それだけです。良くも悪くもサプライズはなかったかなと思います。
一番大きな期待を背負い、実際にそれに足るチカラがあったと確信する男子バレーも五輪予選を「1位」で通過したドイツとアメリカにしっかり負け、直近2022年の世界選手権の王者であるイタリアに負けただけなので、有り体に言えば「順当」です。掛け値なしの真剣勝負での結果がそのまま出ただけです。この日、この時、この瞬間に生涯最高のチカラを出すことができれば序列を覆すこともあったとは思いますが、互いに100%のチカラを出し合っただけならこうなるだろうなと思います。3年前がパリ五輪で今回が東京五輪であったなら、もっと違った結果だったとは思いますが…。
なので、敗因というのも「地力」といったフワッとしたものこそが妥当で、どこかひとつのポイントに絞ることはできないのかなと思います。イタリア戦の第3セット24-22から決め切れなかったことは確かに大きかったですが、ここぞでブロックされることは相手も狙っているわけで絶対避けられるわけがありませんし、2点追いつかれる程度のことはよくある話ですし、その終盤の2点・3点でなくもっと手前で1点か2点積んでおければ勝ったかもしれませんし、別に第3セットを落としても第4セットを取ればいいわけですし、「どこが」という話ではなく「全部」としか言えません。そもそも準々決勝でイタリアと戦う羽目になるような1次リーグを過ごしてしまったことから、全部がつながっての結果です。同じくフルセットの試合であったドイツ戦に勝っていれば、イタリアと戦うこともなかったのです。五輪予選もそうでしたが、大事な初戦に何故か低調な入りをしてしまうことを含めて「全部」なのです。
ましてやサーブミス云々だけをミクロに論じて「罵り合う」みたいになっても仕方なかろうと思います。サーブで相手を崩さなければ極めて高い確率でサイドアウトを許してしまうわけで、トータルで見た場合にはやはりサーブでは攻める必要があります。攻めてミスするぶんのマイナスは攻めずにサイドアウトされるのと大差ないのですから(※バチーンと決められるよりはミスのほうが気分はイイかも)、攻めてブレイクを狙っていくのは正しい姿勢だと思います。一方で、あと1点で勝ち負けするという段階では「最低限入れろ」というのもごもっともです。それを素人意見とバレー界隈が躍起になって「ハイキュー!!」のコマとか貼って否定してもお互いに気分が悪いだけでしょう。それぞれ言っていることはごもっともなのですから、こんなことで分断しても詮無きことです。「攻めてはいたんだけどねぇ」「でも入れたかったねぇ」でグッタリするくらいしかありません。
やはりそこは今後に向けてまだまだ改善の余地がある技術面の課題なのだろうと思います。テニスだってエースを狙うファーストサーブと、攻めてはいるけれどエースを取れるまでではないセカンドサーブで明確に打ち分けているのですから、バレーボールだってそういう考えはあり得るはずです。「エースは取れないが、外す確率は低く、相手を多少崩せる」という選択肢を技術的に獲得していたなら、「もう1点もやれない」の場面では採用されてしかるべきだろうと。誹謗中傷の的になっているサーブも「攻めた結果」と思考停止してはいられないでしょう。「攻めない」よりはマシだけれど、「入らない」なら十分ではないのですから。「全力で攻めて全球入れる」が理想であることは絶対不変なのですから。
↓「あと1点」は攻める、「もう1点も」は手堅く、その出し入れもイタリアは上手かった!
今回の代表は、かつてミュンヘン五輪で金メダルを取った伝説のチームにも比肩する「史上最強」のチームだったと僕も思います。証明することはできませんでしたが、こんなにワクワクするチームは生まれて初めてでした。日本が世界のなかで戦い、勝つ道を示す道標になったと思います。石川祐希さんのような傑出した選手を何度も得られるかはわかりませんが、今回のようなやり方のチームで戦っていれば、選手が揃ったときにはまた浮上できると思います。サイズの差は覆せなくても、磨き抜かれたサーブでチャンスを作り、整備された守備組織と伝統のレシーブ力でブロックの不足を補い、さまざまな技術をこなせる万能性でラリー中の混沌を味方につけ、何度も何度もやり直してメガラリーを制する…そんな戦いができるんだと思いました。
五輪に出ることすら難しかった頃と比べれば、バレーボール男子が日本のパリ五輪を代表するようなポジションにまで返り咲いたことは大いなる前進だと思います。まだ大会期間はつづきますが、時差や登場選手の人気度・知名度を考えると、バレー男子がイタリア戦で記録した23.1%という視聴率(≒注目度)を超える機会はもうないでしょう。それだけの注目を集めたことはきっと未来につながる布石になるはずです。何事も一足飛びには行かないもの。出場すらできなかったロンドン、リオ。決勝トーナメントに上がるところまでだった東京。メダルの期待を背負い実際に届きそうだったパリ。そうやって一歩ずつの前進を重ねながら、今回のチームが成し遂げたことに憧れを抱いてやって来る新たな世代がドカーンと大きな一歩を刻んでくれるのではないかと思います。歴史の断絶のなかで何とか出場を果たした北京五輪から干支がひとまわりして今のチームにつながったくらいの時間の感覚で。
一度取ったことがある人でも、もう一回取るのには苦心に苦心を重ねるのが金。
世界一に何度もなったことがある人でも、逃すことがあるのがメダル。
日本のバレーは過去の栄光はありつつも今は一介のチャレンジャーです。
メダルを逃したくらいで落ち込んでいるのは身の丈に合っていません。
メダルを逃したくらいで落ち込んでいるのは身の丈に合っていません。
試合中のラリーのように、何度も何度も挑んでこそ楽しい未来もあると思いました!
↓そして、このチームが描いた夢もまだ終わっていない!そう信じてロスを待ちます!
一度バラバラに散った精鋭たちがロスを前に再集結する展開もアリですね!