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2013年01月21日01:20
これはルールの不備だ!
こんなことが放置されていいのでしょうか。雪や氷は滑るものです。滑るからこそスキーやスケートという競技も成り立っているのでしょう。しかし、狙いどおりにツルンと滑ったら、その選手が失格になってしまったのです。まったく不正の意図などない、偶発的なツルンで。本来そのルールによって制限しようとした不正行為とはまったく違う行為が、滑った勢いに任せ失格とされてしまったのです。
スキージャンプ男子のワールドカップ第15戦。札幌は大倉山ジャンプ競技場で行なわれた試合で、それは起きました。昨年はワールドカップで4勝をあげ、ソチ五輪でも日本のエースとして期待される伊東大貴さん。同年のフライング世界選手権では日本人史上最長となる240メートルの飛行を記録し、日本ジャンプ史上で「もっとも遠くまで飛んだ男」にもなりました。ソチ五輪の直前になれば、メダル候補として大きく採り上げられるはずの選手です。
そんな伊東さんが記録したゼロメートルクラッシュ。伊東さんはスタート位置のベンチで待機している間に、支えの手を滑らせてしまい、コケながら助走路を滑走。90メートルあまりある助走路を踏み切り点近くまで滑り落ちてしまったのです。もう少し止まるのが遅ければそのままランディングバーンに墜落するところ。よしんば途中で止まったとしても、板がヘンな暴れ方をすれば足首・ヒザなどがひねられて、靭帯損傷・骨折などが起きてもオカシクない事故でした。
…という完全に偶発的な事故の処理にあたり、ジュリーは「伊東さんの失格」を決定します。理由は「定められたスタート時間になる前にスタートしたから」です。スキージャンプの公式競技規則第422条には確かに「競技者は、公式のスタート信号の前にスタートしたり、第三者の合図を待つために故意にスタート準備を遅らせたりしてはならない。スキー、ビンディング、用具、衣服などに問題があるように装ってもそれは許される理由とはならない。これらのいずれの行為も、原則として失格となる」とあります。なるほど伊東さんは失格です。
しかし、この規則はいわゆる「風待ち」などをさせないためのものでしょう。「今、風の状況がよくないな…」「ちょっと時間ズラすか…」「うわっ、靴が上手くハマりませんわ。すいませーん、ちょっと順番あとにしてもらえます?」などと言い出す輩を封じるためのルールのはず。それを裏付けるように、第423条には「役員のミス、動物、観客、その他の不可抗力的な理由によりジャンプの途中で妨害された競技者は、ジュリーに上訴できる」とあります。誰があのジャンプ台の上まで妨害しに行くのかはわかりませんが、「不可抗力は許す」と言っているのです。
滑ってコケたのは、不可抗力ではないのでしょうか。
もし伊東さんがベンチに手を突こうとしたとき、そこにヒタキの巣があったとしたらどうでしょう。伊東さんはタマゴを潰さないように手を突けず、バランスを崩して落下する…それは動物による不可抗力と呼べるのでは。この日、ヒタキの巣はありませんでしたが、あったら許してくれたと思うのです。じゃあ、許してくれたっていいじゃないですか。コケて落ちるのは、不可抗力としてくれたっていいじゃないですか。フライングだって1回は許しますみたいな話がある世の中で、コケたのが一発アウトなんて納得いきません。
ハッキリ言わせてもらえば、世界の競技関係者の誰も、スタート台からコケて落ちるヤツがいるなど想像もしていなかったのでしょう。想像力の欠如。危機意識の欠落。リスクマネジメント不足。運営の不備が、競技者を失格に追い込んだのです。これを怠慢と言わずして何とするか。世界にはベンチから滑って落ちるヤツがいます。ツルンと滑る男がいます。ミスタースッテンコロリンがいます。Daiki Itoがいます。
FISはこの問題を受け、早急にルール改訂を検討すべきでしょう。
滑ってコケた場合は不可抗力として、一番最後の順番で再スタートさせることの明文化。各競技運営委員への「コケて落ちるヤツいるからな!」「そんなヤツいるわけねぇと思ってたけどいるからな!」「下で止める準備を怠るなよ!」という徹底。安全面での問題は山積です。緊急時用のエアバッグを置くべきか。あるいは緊急時用にネットを設置すべきか。いや、いっそスタート合図が出たらロックが外れる命綱をつけさせるべきか。
同様事故の再発を防ぐ「Ito Rule」の制定、2013年の大きな宿題となりそうですね。
ということで、伊東ルールの制定に向け、20日に日本テレビが中継した「FISジャンプワールドカップ第15戦」をチェックしていきましょう。
◆どうすればよかったのか考えたが、特にどうしようもなかった…。
この大会、伊東さんは1本目で130.5メートルの大飛行で2位につけ、今季初の表彰台も見えていたところでした。今季はおなじみのルール改訂があり、ジャンプスーツのサイズがまたひと回り小さくなったところ。感覚のズレや、飛距離の落ち込みなども見られるはず。そんな中で、いち早く大飛行と表彰台を記録できれば、ソチに向けていい2013年の滑り出しとなったはず。
しかし、好事魔多し。それも、いまだかつて見たことのないレベルの魔が待っていました。まさかの大転倒で伊東さんは失格となってしまったのですから。何か、一気に暗雲が立ち込めてくる感じではありませんか…。
↓これがのちのItoルール制定の発端となる、Itoアクシデントである…!
ジュリー:「この手があったか…」
ジュリー:「これは想定外だったわ…」
ジュリー:「この場合どうしたらいいんだろう…」
もし想定してたら、下で受け止める担当なり、受け止め用ネットがあるはずだよな!

冷静に考えると非常に危険な事故。しかし、案外周囲の反応は穏やかです。その反応こそ、いかにこの事故が想定外であったかを示すものでしょう。普段からそうした事態を想定して生きていれば、もっと違う動きができるはず。例えば、空から女の子が降ってきたら、買って来たお弁当を放り出して受け止めに走る…そういう反応を。(※僕は、机の引き出しからネコ型が出てきたときに、すかさずバットをフルスイングしてポケットを奪う準備や、空が暗くなり巨大な龍が現れたら「私を不老不死にしろ!」と叫ぶ準備などを日頃からしています)
しかし、彼らは準備が出来ていませんでした。スタート位置脇に見える4人の男は微動だにせず、次に控えるマトゥラは茫然と伊東さんを見送りました。1人、2人、3人、誰ひとりとして伊東さんに手を差し伸べることなく、ただただ伊東さんの落下を見つめています。見えている範囲では18人目にして、ようやく伊東さんに手を差し伸べる男が現れますが、おそらく30人超の男が伊東さんをただただ見送ったはずです。グッと手を出して、ガッとつかみ、「ファイトー!」「いっぱーつ!」する野郎は居やしないのです。
伊東さんは結局、自力でこのピンチを回避。当初、お尻を下にして、スーツ素材をソリのようにして滑っていた伊東さんですが、途中で自らうつ伏せに向きを変え、手で雪をつかみブレーキをかけます。それでは不足と見るや、スキー板のエッジを立てて速度を緩めます。斜度37度、まともに滑れば時速90キロに到達する急斜面。自力で止められてよかった。しかし、自力で止められなければそのまま飛び出していました。
↓伊東さんが全力で飛んだらこんなに飛ぶんだぞ!
伊東さんが全力でコケたときに備えるべき!
エアバッグがボンと出るとか!
途中で緊急脱出用の落とし穴が開くとか!
↓斎藤浩哉監督(長野五輪団体金メダリスト)も、この事故にはビックリ!
ビックリしただけっぽいwww
何か、一応再発防止策とか考えるんじゃないのかなコレwww

↓ちなみに、夜のTBS「S☆1」では高橋尚子さんもビックリしていたぞ!
こちらもビックリしただけwww
気をつけろって言われても、どうしようもねぇだろwww
ていうか、靴は間違えるなよwwww

一体、伊東さんはどうすればよかったのか。滑り落ちれば「早くスタートしたよね、失格」と言われ、あのままベンチにつかまっていても「時間内にスタートできなかったよね、失格」と言われるのです。現時点で一度コケた伊東さんが競技に復活する道は、「台にしがみついて時間内に自力で這い上がる」か「時間いっぱいまで台にしがみつき、その間に動物や観客の乱入、急な悪天候などの不可抗力が起きるのを待つ」しかないのです。しかも、安全対策はまったくありません。次また伊東さんがコケたらどうする気なのでしょうか。
今のところ、各界から有効なアドバイスはありません。今回、自力で止められたんだから、次も自力でイケるだろ的な空気を感じなくもありません。ていうかDaiki Itoしかこんなことしないだろ的な意見も根強いでしょう。しかし、初回よりも再発こそ厳しい視線で見られるのが世間というもの。もう一度、ショートコントのようにもう一度、伊東さんが滑ってコケたとき、そこにセーフティネットはあるのか。ルール上の救済策はあるのか。スキー界の姿勢が問われているのではないでしょうか。しっかりと対策をしてもらいたいものですね。
とりあえず、踏み切り台の下にマットを敷いてフカフカにしておきましょう!
こんなことが放置されていいのでしょうか。雪や氷は滑るものです。滑るからこそスキーやスケートという競技も成り立っているのでしょう。しかし、狙いどおりにツルンと滑ったら、その選手が失格になってしまったのです。まったく不正の意図などない、偶発的なツルンで。本来そのルールによって制限しようとした不正行為とはまったく違う行為が、滑った勢いに任せ失格とされてしまったのです。
スキージャンプ男子のワールドカップ第15戦。札幌は大倉山ジャンプ競技場で行なわれた試合で、それは起きました。昨年はワールドカップで4勝をあげ、ソチ五輪でも日本のエースとして期待される伊東大貴さん。同年のフライング世界選手権では日本人史上最長となる240メートルの飛行を記録し、日本ジャンプ史上で「もっとも遠くまで飛んだ男」にもなりました。ソチ五輪の直前になれば、メダル候補として大きく採り上げられるはずの選手です。
そんな伊東さんが記録したゼロメートルクラッシュ。伊東さんはスタート位置のベンチで待機している間に、支えの手を滑らせてしまい、コケながら助走路を滑走。90メートルあまりある助走路を踏み切り点近くまで滑り落ちてしまったのです。もう少し止まるのが遅ければそのままランディングバーンに墜落するところ。よしんば途中で止まったとしても、板がヘンな暴れ方をすれば足首・ヒザなどがひねられて、靭帯損傷・骨折などが起きてもオカシクない事故でした。
…という完全に偶発的な事故の処理にあたり、ジュリーは「伊東さんの失格」を決定します。理由は「定められたスタート時間になる前にスタートしたから」です。スキージャンプの公式競技規則第422条には確かに「競技者は、公式のスタート信号の前にスタートしたり、第三者の合図を待つために故意にスタート準備を遅らせたりしてはならない。スキー、ビンディング、用具、衣服などに問題があるように装ってもそれは許される理由とはならない。これらのいずれの行為も、原則として失格となる」とあります。なるほど伊東さんは失格です。
しかし、この規則はいわゆる「風待ち」などをさせないためのものでしょう。「今、風の状況がよくないな…」「ちょっと時間ズラすか…」「うわっ、靴が上手くハマりませんわ。すいませーん、ちょっと順番あとにしてもらえます?」などと言い出す輩を封じるためのルールのはず。それを裏付けるように、第423条には「役員のミス、動物、観客、その他の不可抗力的な理由によりジャンプの途中で妨害された競技者は、ジュリーに上訴できる」とあります。誰があのジャンプ台の上まで妨害しに行くのかはわかりませんが、「不可抗力は許す」と言っているのです。
滑ってコケたのは、不可抗力ではないのでしょうか。
もし伊東さんがベンチに手を突こうとしたとき、そこにヒタキの巣があったとしたらどうでしょう。伊東さんはタマゴを潰さないように手を突けず、バランスを崩して落下する…それは動物による不可抗力と呼べるのでは。この日、ヒタキの巣はありませんでしたが、あったら許してくれたと思うのです。じゃあ、許してくれたっていいじゃないですか。コケて落ちるのは、不可抗力としてくれたっていいじゃないですか。フライングだって1回は許しますみたいな話がある世の中で、コケたのが一発アウトなんて納得いきません。
ハッキリ言わせてもらえば、世界の競技関係者の誰も、スタート台からコケて落ちるヤツがいるなど想像もしていなかったのでしょう。想像力の欠如。危機意識の欠落。リスクマネジメント不足。運営の不備が、競技者を失格に追い込んだのです。これを怠慢と言わずして何とするか。世界にはベンチから滑って落ちるヤツがいます。ツルンと滑る男がいます。ミスタースッテンコロリンがいます。Daiki Itoがいます。
FISはこの問題を受け、早急にルール改訂を検討すべきでしょう。
滑ってコケた場合は不可抗力として、一番最後の順番で再スタートさせることの明文化。各競技運営委員への「コケて落ちるヤツいるからな!」「そんなヤツいるわけねぇと思ってたけどいるからな!」「下で止める準備を怠るなよ!」という徹底。安全面での問題は山積です。緊急時用のエアバッグを置くべきか。あるいは緊急時用にネットを設置すべきか。いや、いっそスタート合図が出たらロックが外れる命綱をつけさせるべきか。
同様事故の再発を防ぐ「Ito Rule」の制定、2013年の大きな宿題となりそうですね。
ということで、伊東ルールの制定に向け、20日に日本テレビが中継した「FISジャンプワールドカップ第15戦」をチェックしていきましょう。
◆どうすればよかったのか考えたが、特にどうしようもなかった…。
この大会、伊東さんは1本目で130.5メートルの大飛行で2位につけ、今季初の表彰台も見えていたところでした。今季はおなじみのルール改訂があり、ジャンプスーツのサイズがまたひと回り小さくなったところ。感覚のズレや、飛距離の落ち込みなども見られるはず。そんな中で、いち早く大飛行と表彰台を記録できれば、ソチに向けていい2013年の滑り出しとなったはず。
しかし、好事魔多し。それも、いまだかつて見たことのないレベルの魔が待っていました。まさかの大転倒で伊東さんは失格となってしまったのですから。何か、一気に暗雲が立ち込めてくる感じではありませんか…。
↓これがのちのItoルール制定の発端となる、Itoアクシデントである…!
ジュリー:「この手があったか…」
ジュリー:「これは想定外だったわ…」
ジュリー:「この場合どうしたらいいんだろう…」
もし想定してたら、下で受け止める担当なり、受け止め用ネットがあるはずだよな!
価格:370円 |
冷静に考えると非常に危険な事故。しかし、案外周囲の反応は穏やかです。その反応こそ、いかにこの事故が想定外であったかを示すものでしょう。普段からそうした事態を想定して生きていれば、もっと違う動きができるはず。例えば、空から女の子が降ってきたら、買って来たお弁当を放り出して受け止めに走る…そういう反応を。(※僕は、机の引き出しからネコ型が出てきたときに、すかさずバットをフルスイングしてポケットを奪う準備や、空が暗くなり巨大な龍が現れたら「私を不老不死にしろ!」と叫ぶ準備などを日頃からしています)
しかし、彼らは準備が出来ていませんでした。スタート位置脇に見える4人の男は微動だにせず、次に控えるマトゥラは茫然と伊東さんを見送りました。1人、2人、3人、誰ひとりとして伊東さんに手を差し伸べることなく、ただただ伊東さんの落下を見つめています。見えている範囲では18人目にして、ようやく伊東さんに手を差し伸べる男が現れますが、おそらく30人超の男が伊東さんをただただ見送ったはずです。グッと手を出して、ガッとつかみ、「ファイトー!」「いっぱーつ!」する野郎は居やしないのです。
伊東さんは結局、自力でこのピンチを回避。当初、お尻を下にして、スーツ素材をソリのようにして滑っていた伊東さんですが、途中で自らうつ伏せに向きを変え、手で雪をつかみブレーキをかけます。それでは不足と見るや、スキー板のエッジを立てて速度を緩めます。斜度37度、まともに滑れば時速90キロに到達する急斜面。自力で止められてよかった。しかし、自力で止められなければそのまま飛び出していました。
↓伊東さんが全力で飛んだらこんなに飛ぶんだぞ!
伊東さんが全力でコケたときに備えるべき!
エアバッグがボンと出るとか!
途中で緊急脱出用の落とし穴が開くとか!
↓斎藤浩哉監督(長野五輪団体金メダリスト)も、この事故にはビックリ!
監督:「『手を滑らせた』と」
監督:「こんなことも初めてなので、『ちょっとビックリした』とは言ってましたけども」
監督:「問題ないと思います」
ビックリしただけっぽいwww
何か、一応再発防止策とか考えるんじゃないのかなコレwww
価格:66,990円 |
↓ちなみに、夜のTBS「S☆1」では高橋尚子さんもビックリしていたぞ!
Qちゃん:「ビックリしました!」
Qちゃん:「私も転んだり、右足と左足で違う靴を履いていくこともありましたけれども」
Qちゃん:「命が懸かってますから!はーい」
Qちゃん:「気をつけてほしいです!」
こちらもビックリしただけwww
気をつけろって言われても、どうしようもねぇだろwww
ていうか、靴は間違えるなよwwww
価格:2,683円 |
一体、伊東さんはどうすればよかったのか。滑り落ちれば「早くスタートしたよね、失格」と言われ、あのままベンチにつかまっていても「時間内にスタートできなかったよね、失格」と言われるのです。現時点で一度コケた伊東さんが競技に復活する道は、「台にしがみついて時間内に自力で這い上がる」か「時間いっぱいまで台にしがみつき、その間に動物や観客の乱入、急な悪天候などの不可抗力が起きるのを待つ」しかないのです。しかも、安全対策はまったくありません。次また伊東さんがコケたらどうする気なのでしょうか。
今のところ、各界から有効なアドバイスはありません。今回、自力で止められたんだから、次も自力でイケるだろ的な空気を感じなくもありません。ていうかDaiki Itoしかこんなことしないだろ的な意見も根強いでしょう。しかし、初回よりも再発こそ厳しい視線で見られるのが世間というもの。もう一度、ショートコントのようにもう一度、伊東さんが滑ってコケたとき、そこにセーフティネットはあるのか。ルール上の救済策はあるのか。スキー界の姿勢が問われているのではないでしょうか。しっかりと対策をしてもらいたいものですね。
とりあえず、踏み切り台の下にマットを敷いてフカフカにしておきましょう!