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ウサオジという男、『沈黙の艦隊 北極海大海戦』を観る

『沈黙の艦隊 北極海大海戦』を観てまいりました。

前作に引き続き、大いに楽しめる素晴らしい映画でしたよ。

前作の映画では日本初の原子力潜水艦「シーバット」が離反して独立国「やまと」を名乗り太平洋で米艦隊と激突するところを描き、ドラマではさらにその先の東京湾での戦闘と日本との交渉までを描いたのですけれども、その続きの北極海の戦闘からニューヨーク到着までを本作で描いておりました。

迫真のストーリーもさることながら、映画館で映画を観るということの良さをこれでもかというほど体感できる映画でございました。

何が素晴らしかったかと言えば、映画館のような閉鎖された暗い空間で観ると、同様に薄暗く閉鎖された空間である潜水艦の発令所の雰囲気が生々しく体感できる。

この重厚感、緊張感は、映画館でしか味わえないですよ。

ストリーミング配信されたのを自宅で観るのでは到底感じることのできない感覚でしょう。

体験する映画といった具合でございます。

あともうひとつ特別に素晴らしかったのが、潜水艦「やまと」が飛翔するシーンをしっかり映像で描き切ったことでございますよ。

もしこのシーンを端折ってたらブログ記事で「21世紀最悪の映像化」と連呼してやろうかと思っていたのですけれども、そんな心配はいりませんでした。

見事なまでに飛びました。

想像以上でしたよ。

脱帽でございます。

潜水艦が海面から飛び出してそのまま飛翔するというおよそ常識では考えられないシーンですけれども、そこを違和感なく描いたところがこの映画の真骨頂かと私は感じております。

そして潜水艦が飛翔するという前代未聞の映像だけでなく、そのときの海江田の表情も実に良い。

前作を含め今までのシーンにおいて「不動の男」と呼ぶにふさわしいほどに落ち着き払っていた海江田が「やまと」を海面から飛び出させる瞬間に垣間見せた、あの不安とも期待ともとれない表情が実に印象的でした。

他にも面白いところはありまして、日本の政治シーンで新登場した「大滝」という議員役を務めた俳優の演技も良かった。

この大滝という議員はやまとを利用して軍備永久放棄を目指すという海江田に並んで壮大な野望を持つ男なのですけれども、そんな野望を持った男を演じるにふさわしい迫真の演技でございました。

ここ一番の大勝負でもどこか余裕を感じさせる迫力のある笑みを浮かべた、いかにも大物といった風情が実に大滝でした。

原作でもやはり「頭のネジがはずれている」という言葉では足りないくらいにクレイジーな人物だったのですけれども、そんなクレイジーな行動力を演技でしっかりと表現してくれたのが実に嬉しい。

漫画でも行動力がほとばしっていたわけですけれども、やはり映像で観るとレベルが違いますよ。

いやあ、大滝、こいつは本作の登場人物で一番好きな人物かもしれない。

一番お気に入りのシーンは、北極海での激戦を制したやまとが浮上するのに合わせてヘリコプターで押しかけるシーンですねえ。

ここに大滝のクレイジーさが煮詰まっている。

広大な北極海のどこにやまとが浮上するかも分からないというのにヘリコプターをチャーターして勢い任せで突っ込んで行くところも良いし、無線で海江田と通話するときにヘリの爆音に負けないよう声の限りに怒鳴って海江田に「怒鳴らなくても聞こえている」と言われるシーンも良い。

なんというか、大滝の行動力と勢いが少年漫画の主人公みたいなんですよ。

観ていて清々しくなってくる。

というわけでして、いろいろと素敵なポイントに満ち満ちておりまして、非常に楽しめる作品でございました。

あとはニューヨーク到着後のシーンを残すばかりとなっておりますけれども、今から続きが楽しみでございます。

続きもまた映画で公開されるのか、あるいはまたドラマで配信となるのかは分かりませんけれども、気長に待つとしましょう。

おしまい。




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