今回は『レオ:ブラッディ・スウィート』という映画を観てまいりましたので、この映画について語ろうと思います。
主人公のパールティバンという男はカフェのオーナーであるのですけれども、ある日強盗がそのカフェに襲撃してくるのでございます。
そこでお店にいた自分の娘とスタッフの女性の身に危険が及んだとき、パールティバンは敵の銃を奪って瞬く間のうちに5人の強盗を全員射殺するのですけれども、その事件が報道されて全国に顔が公開されてしまい、それがきっかけでパールティバンをレオと呼んで狙う勢力もいるのでございます。
レオとは誰なのか、そして驚異的な戦闘能力を持つパールティバンは何者なのか?
と、そんな感じの映画でございます。
さて、何はともあれ今作で一番驚いたのは、つい先日観た『ヴィクラム』のネタが唐突に入り込んできたことですねえ。
エンディング曲なんてモロに「ヴィクラム!」って言ってましたし、そもそもその曲のフレーズ、『ヴィクラム』のサントラにあったやつですよ。
観ていて「一体なんということだこれは!?」と仰天したのですけれども、後になって調べてみたら同じ監督の作品でございます。
これはいわゆる「ユニバース」と呼ばれる、複数の作品で同じ世界観を共有する手法ということですねえ。
ということはつまり、この先ヴィクラムとレオが共闘する映画が観れるってことですか!?
とは言ったものの、そういえばふと思い出して調べてみたら、本作の主人公を演じたヴィジャイという俳優は政治家としての活動に専念するため俳優業から引退するらしいですよ。
ううむ、これは実に難しい展開ですねえ。
時系列的に考えれば、ヴィジャイが俳優業からの引退を宣言したのは本作がインド本国で公開された後ということなのですが、これはもう監督は冷や汗ものでしょうよ。
「さあ、こっから面白い映画ばしばし制作していくぞ!」と思っていたら超重要キーパーソンが引退宣言。
大惨事でございます。
まだヴィクラムを演じたカマル・ハーサンはいますけれども、しかしここからどうするかが見物ですねえ。
ここは監督の腕の見せ所でしょう。
一体ここからどう展開していくのか、はたまたここでぴしゃりと終わってしまうのか、実に今後が気になるところでございます。
ともあれ、内容についても少し触れるならば、結局パールティバンの正体はやっぱりレオなのですけれども、終盤に至るまで延々と「パールティバンの正体はレオなのかもしれない」と匂わせ続けつつも決定的な断言は最後まで引き延ばすという、なんともオイニーがむんむんな展開の映画でございました。
そしてレオの正体は、パールティバンをつけ狙う悪党の右腕にして実の息子でございます。
その男はタバコ企業を隠れ蓑に裏で違法薬物の販売を生業としているのでして、その事業においてレオは現場のごたごたを腕っぷしで解決する役だったのですけれども、あるとき決定的な分断が起きて袂を分かつことになるのでございます。
そしてそのときレオは破れ殺されたはずだったのにも関わらず、運良く生き延びてパールティバンとして縁もゆかりもない土地で別人を演じていたってわけですねえ。
パールティバンの圧倒的な強さとレオにまつわる話から観客には「パールティバンは絶対にレオだろう」と思わせつつも、パールティバンは決して自分がレオだとは認めない。
「自分はパールティバンで、レオなんて男は知らない」と言い続けるのですけれども、しかしやっぱりただのカフェのオーナーというには強すぎるわけですよ。
戦艦のコックじゃあるまいし。
レオじゃないならどうしてそんなに強いのかと思い観ていたら、最後の最後に悪いやつを全員全部ぶちのめした後、遂にようやくパールティバン本人の口から「俺がレオだ」という発言が飛び出し、大きな謎が解決するのでございます。
「やっぱレオやないかい!」と突っ込みたくなること請け合いでございます。
というわけでして、ここまで書いた内容を振り返ってみるとなんかギャグみたいな感じがしますけれども、しかし本作はいたってシリアスでガチなお話ですからぜひ観てみると面白いと思います。
「レオじゃない」と延々としらばっくれるパールティバンですけれども、しかし結局はレオだったという、最終的に「なぁーんだ、やっぱりレオじゃないか」というオチをしっかりつけてくれますので、安心できる作品でございます。
ここで本当にレオじゃなかったもう一大事ですから、とんでもないことでございます。
しかしながら、これはインド映画ですからそういう可能性がなきにしもあらずなのが恐ろしいところでございます。
ともあれ、ギャグのようでギャグではない、シリアスなアクション映画でございました。
おしまい。
