今月のインド映画、『ジェイラー』を観てまいりました。
主人公は、仕事を引退して妻と息子夫婦と孫と一緒に庭付きの立派な一軒家に住み、孫には動画投稿サイトに上げる動画を取るようせがまれ、車に轢かれかけてよろけてしまう、そんなどこにでもいそうなムトゥ・パンディヤンというオジサン。
まさに好々爺といったところでございます。
しかし、警官でもある息子のアルジュンが突如失踪し、アルジュンはとある美術品マフィアを深追いしすぎたために消されたらしいとの噂を聞きつけ、ムトゥは真の姿を現す。
現役時代のムトゥは泣く子も黙る荒くれ者ぞろいの刑務所を取り仕切る看守だったわけでして、そのときのスキル、コネすべてを結集して息子を追い始めるのでございます。
これは序盤で受けた好々爺との印象とは正反対の、荒くれ者の極限みたいな存在でございました。
かつてのコネで頼るのは、札付きの悪党ばかり。
明らかに敵方の美術品マフィアと同類みたいなやつを頼るのでして、まさに毒を以て毒を制すを地で行っている。
とにかく主人公が最初の印象とは正反対のことをやって予想を常に上回ってくるところがなかなかにインパクトがありました。
人好きのする印象とは裏腹に、とにかくえげつない手段を講じて敵を追い詰める。
ここぞというシーンの決めポーズでは、愛用の眼鏡を腰のあたりでぱっと振るう。
なんかインド映画ってこういう決めポーズがある主人公が多いですよねえ。
去年観た『JAWAN/ジャワーン』では一仕事終えた主人公が手をパシッと打ち合わせる決めポーズがあり、『ハヌ・マン』では髭をクイッとやる決めポーズがありましたし、他の作品でもいろいろありました。
ともあれ、そして美術品マフィアを追い詰めたところでちょうど中盤になりまして、ここでインド映画定番の中盤から話がさらに飛躍するパターンに突入するのでございます。
インド映画はこういうの多いですからねえ。
そしてそこで明かされるのは、マフィアに殺されたかと思っていた息子は実は生きており、敵のマフィアにとらわれているということ。
その事実によって美術品マフィアのボスは一気に優勢に立ち、息子を開放する条件としてムトゥに無理難題の要求を突きつけるわけでして、そこからまた予想を裏切るような展開がエンディングまで立て続けに飛び出してくるわけで、息をつく間もない。
観終わってみて、とにかく起伏の激しい忙しい映画だったなあと、そう思います。
なかなかに鑑賞しがいのある3時間でございました。
おしまい。
