韓国のホラー映画『破墓/パミョ』を観てまいりました。
2人の除霊師が、一族の長男が次から次へと奇妙な現象に見舞われるという家系の大富豪から依頼を受けたので調べてみると、その先祖の墓が原因であることが判明しまして、お金のオイニーを嗅ぎつけてきた風水師と葬儀屋と共にその墓のお祓いと改葬を行おうとしたものの、しかしその墓には身の毛もよだつような秘密が隠されており、そこからとてつもなくおどろおどろしい出来事が起きてしまうってな具合の内容でございました。
いやあ、これは物凄かった。
2時間ちょいの上映時間中、ただひたすら座席に釘付けになるような体験をしましたよ。
演出や出演者の演技のおかげでとにかく終始不穏なオイニーが漂っており、一瞬たりとて気を抜けない映画でございます。
ホラー映画としては相当にスリリングで楽しめたのですけれども、しかしストーリーが割とトンチキな感じだったので、ホラーなところは楽しめたもののストーリーのところでちょいと引っかかってしまったというのがありますねえ。
思い出せる限りトンチキは2か所ありまして、ひとつめは電話を使うハイテク亡霊が出てくることでございます。
人を殺そうとする亡霊が出てくるのは良いのですが、相手を騙しておびき寄せるために電話を使う。
しかもこの亡霊、韓国が日本の統治下にあった時代に埋葬された人間の亡霊なのですけれども、まさかそんな時代の人間が現代のスマートフォンを使えるとは驚きでございます。
いや、そもそもお前、電話番号はどうした。
まあさすがにこれは冷静に考えたら相手に幻覚を見せたのかもしれませんが、にしてもそんな当時の人間がスマートフォンの幻覚を見せるのはさすがにハイテクすぎでは?
そして2個目がいよいよ本命のトンチキでして、そもそも事の発端となった富豪の家系の呪いの原因となったお墓を開けてみたら確かに先祖の棺があったというところまでは良いのですけれども、後半でその棺の下からなぜか日本の戦国時代の武将の棺が見つかるのですよ。
これにはさすがに「お前誰だよ!!」と言わずにはいられませんでしたねえ。
この武将ネタ、物凄く自然な感じでストーリーに入り込んできていて映像を観ている限りはしっかり怖いのですけれども、深く考えるとドツボにハマってしまう。
一体なんで韓国のお墓掘ったら突然日本の戦国武将の棺が出てきているのかさっぱり分かりませんでしたねえ。
しかも物凄くデカい、人間のサイズとは思えないほどデカい武将の棺。
そんなデカい人間、『北斗の拳』くらいでしか見たことないわ!
そして中からは案の定、『北斗の拳』サイズの亡霊がこんにちは。
ってなわけでして、前半までは物凄く迫真に迫る感じだったのに、後半では前半で積み上げてきたものをすべてぶっ飛ばすほどとんでもないやつがしれっと出てきました。
しかもこのお墓、先ほども触れましたが出来たのが韓国が日本の統治下にあった時代という設定なのですけれども、なんでそんな時代に日本の武将の棺を韓国に持ち込んでいるのかさっぱり分からん。
しかもその武将の怨霊がこの超不吉な場所にあるお墓を守っているという設定まで出てきて、なんだこれは一体。
映像だけ見てれば立派なホラー映画なのですけれども、上映後に落ち着いてストーリーについて思い返していたら考えれば考えるほどに訳が分からなくなっていく。
とりあえず落ち着いて推理してみれば、韓国を植民地化した日本が、韓国、というよりも朝鮮半島の力を風水的に削ぐべく、物凄く不吉な存在を風水的に朝鮮半島の急所とされる場所に埋めた、と考えるのが良いのかもしれません。
作中で「狐が虎の腰を切った」みたいなセリフが出てきまして、その中の「狐」は日本、「虎」は朝鮮半島を示していると言われておりましたし、「虎の腰」というのは作中で話題になったこの馬鹿みたいに不吉なお墓のあった位置のことだと説明されておりましたから、これなら筋は通るはず。
ちなみに、この謎の武将の棺の上に埋められていた棺は確かに依頼してきた大富豪の先祖のものだったわけですけれども、その先祖がそんな不吉な場所に埋められた理由と言いますのが、武将の棺だけ埋めていたらそれを掘り返そうとする人間が相次いだので、警備を固める口実にするために当時親日派で政府の高官だった偉い人間を埋めたということらしいのでございます。
うーん、しかしやっぱりよく分からんのでこれはパンフレット買っといた方が良かったかもしれませんねえ。
ともあれ、そんな感じでホラー映画としての演出は満点な一方でストーリーが実にトンチキという、なかなか奇妙な感覚を味わえるインパクト大な映画でございました。
言ってしまえば、最初は甘いと思っていたら次に辛さがやってくる変なグミみたいな味わいの映画。
どうもこれは、内容の整合性なんて深く考えずにただただド迫力の映像を楽しむ系のハリウッドのアクション映画のように、細かいことを考えずにストーリーの整合性そっちのけで映像だけ観て「うひょー怖い怖い!」となっておいた方が良い系のホラー映画かもしれませねえ。
ともあれ、散々トンチキトンチキ言っておりますけれども、実は案外面白かったりしました。
おしまい。
