【個人の見解】
親子で楽しめる・・・・・・☆☆☆☆☆
暴力・残酷描写がない・・・☆☆☆☆☆
性的・刺激的な描写がない・☆☆☆☆☆
娯楽性・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
満足度・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
学習・教訓的要素・・・・・☆☆☆☆☆
総合・・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
今日は、『耳をすませば』をご紹介いたします。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
いまさら感がありますが、すでに30年も時間が経過しているため、まだ見ていない人がいるようであれば、ぜひ一回は見て欲しいな、と思って取り上げることにしました。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
読書好きの中学3年生・月島雫は、借りた本のカードにいつも同じ名前「天沢聖司」があることに気づき、その人物に興味を抱きます。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
夏休み、雫は愛想のない太った猫を追いかけて古道具屋「地球屋」に迷い込み、そこで猫の人形の男爵「バロン」と出会います。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
やがて雫は、からかってきた男子生徒こそが天沢聖司であり、彼がヴァイオリン職人を目指していることを知ります。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
夢に向かって努力する聖司に刺激を受けた雫は、自分も挑戦したかった「物語を書く」ことを決意し、バロンを主人公にした作品作りに没頭するのでした。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
執筆のため成績を落としてしまいますが、頑張って書き上げた物語を約束した通りに地球屋の西老人に読んでもらいます。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
雫は作品作りに対して自分の未熟さと、成長の微かな手応えを感じるのでした。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
後日バロンは、若い頃の西老人がドイツ留学中に出会った女性・カロリーネと関係があることがわかります。

西老人が持っていた人形はバロン(紳士の猫)で、カロリーネが持っていた人形はルイーゼ(貴婦人の猫)でした。2体はセットで作られた恋人同士の特別な人形なのでした。
しかし、第二次世界大戦が始まり、「戦争が終わったら、また2体を再会させよう」 と約束して別れたものの、カロリーネとは再会できなかったため、バロンとルイーゼは再開することはできなかったのです。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
バロンは、“永遠に恋人と引き離されたままの人形” という切ない背景を持っていて、雫が考えた物語と偶然にもシンクロしたのでした。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
聖司はイタリアでの修行から予定より早く帰国し、雫を高台へ連れ出します。
夜明けを見ながら、雫は自分の進む道を見つけ、聖司は将来の結婚を申し込み、2人は互いの想いを確かめ合うのです。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
“耳をすませば”という映画のタイトルは、このシーンで2人がお互いの心の声に耳を澄ませながら、お互いの思いを確かめ合っているように思えます。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
心の声や他者への思い、未来への挑戦や気づきなどを表す「抽象的なタイトル」ですが、伸び盛りの若者の姿を的確にとらえているように思えます。
私も雫の恐れながらも物語を書きたいという姿にはすごく共感します。
私は人生で仕事をする中で、かなり思い切った取り組みをしてきたことが多く、立てた企画や挑戦した仕事がうまくいくかどうかワクワク・ハラハラしていたことを思い出します。
共感してくれた人が力を貸してくれたり、必死で努力したことで仕事のクオリティがあがり、自分の能力の限界の殻を破った達成感を感じることができたこともありました。
私はずいぶん若いころ、アニメの物販会社を作りましたが、理想を描きながら会社が出来たら夢のようだな、と思って最初は動いていました。
でも、執念が実り、会社が出来上がると「思いが形になる瞬間」があったのだと思っています。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
でも私の場合は、副業で作った会社でしたが、私の思いは最後には空中分解して、社長を解任されてしまいましたが・・
私が作った会社のコンセプトは、アニメファンとアニメ制作会社を結びつける試みからスタートしました。
そのアニメ制作会社に期待することは何か?過去好きだった作品は何か?いろいろな思いをアニメファンから聞いてまとめて、アニメ制作会社に伝えたこともありました。
会社の店舗でアニメーター体験講座(スタジオぴえろに依頼)を開催したり、製作会社とタイアップしてオリジナル商品を作って、アニメファンとの交流会を実施したり。
アニメグッズの企画以外に、将来的には坂の上の雲のような、実写では表現しきれないような作品を、アニメやCGで作りたいという夢をみていたことも思い出しました。
40年近く連れ添った家内とも死別し、何も残っていないように思える私ですが、過去会社設立でやりたっことや、子供の頃から書きたかったことを物語にしながら、誰かに読んでもらえればと考えています。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
私も書いては捨て、書いては捨てを繰り返していましたが、この作品の雫のように人に見せる勇気が持てたことはありませんでした。
雫はすごく立派だと思います。私にはその勇気はなかったですね。

© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH
30年以上経過した作品ですが、今も色あせることなく、見る者に淡い心の琴線に触れる素敵な感情を、その風のようにプレゼントしてくれる、かけがえのない作品だと思います。
このような作品を観れることを改めて幸せに感じました。
追記:杉村に振られた雫の親友の夕子でしたが、エンディングで杉村と待ち合わせしている姿がちらっと写ります。2人の物語まで映画では描く余裕がなかったようですが、一瞬でもうまくいっている姿がみれたのも嬉しかったです。

