2023年の暮れにフェニックスエンターテインメントの山木泰人さんが、亡くなられていたということを知りびっくりいたしました。
【訃報】山木泰人氏 逝去のお知らせ
プロデューサーとして活躍し、OVA『超神伝説 うろつき童子』、OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』等を手がけた山木泰人さんが、昨2023年11月26日に急逝されました。66歳でした。(抜粋)
2024年1月15日
このブログでは、プリンセスナイン如月高校女子野球部やジャイアントロボを取り上げていますが、それらの作品のプロジューサー(プリンセスナインは原作)を担当されたのが山木泰人さんです。
山木さんには練馬や石神井公園のオフィスで何度かお話を伺ったことがあります。
大学はK大学で、映画研究会の副部長をされていたと思います。ですから、作品の一部には映画の名シーンを思わせる箇所がいくつか出ていると思います。
そして、一番の思い出は私の会社でトレーディンクカードを製作した時に、版権の取得や打ち合わせなどで、大変お世話になったことを覚えています。

思い出深いお話に、
・ワルシャワフィルの現地収録での逸話。うろつき童子の話でオケメンバーと盛り上がったこと
・庵野秀明氏がジャイアントロボのゲスト・キーアニメーターで参加していること
・石原軍団とヨットにのって太平洋を航海したこと。海賊が出てくると戦いになるとか
・会社の経営が苦しい時に、バトルロワイアルの音楽版権収入が入って来て助かったこと
・坂の上の雲をアニメで作れないか、という話題で議論をしたこと。製作コストがすごいことになりそうとか
・プリンセスナインのヒロイン早川の父が球界を去るシーンの原典が評決であること。(ポール・ニューマン主演で、電話が鳴っているのに出ないで、その場を立ち去る有名なシーン)
などなど思い出が尽きません。
山木さんが手がけた作品は、フェニックスエンターテインメントのホームページより、いくつか抜粋させていただきます。
面白うそうだなと思ったら是非ともご覧いただけましたら嬉しく存じます。どんどん、私の周りの人が鬼籍に入られるのがさびいしい限りです。
『うろつき童子』

(87年~/オリジナル・ビデオ・アニメ)
パリ・ファンタスティック映画祭正式出品作品
ローマ・ファンタスティック映画祭招待作品
トロント・ファンタスティック映画祭招待作品
ブリュッセル・ファンタスティック映画祭招待作品
原作/前田俊夫 監督/高山秀樹
脚本/会川昇 他 音楽/天野正道
キャラクター・デザイン&作画監督/笠見四郎 他
企画・プロデユーサー/山木泰人
世界中のファンタスティック映画祭で絶賛され、アニメーションの常識を覆えした超話題作。
ニューヨークのカレッジ・シアターでの上映では、大雪の中にもかかわらず、入場者の新記録を達成し、アメリカでのジャパニメーション人気を決定的にした作品でもある。香港での劇場上映でもアダルトアニメというハンディのもかかわらず、興行収入一億円を超える大ヒットを記録した。
国内ではビデオ発売と同時に大ヒットを記録。並み居る劇場公開の洋画及び邦画を抑え、新作発売毎に、常にビデオ回転率第一位にランキングされた。
この「うろつき童子」リリース当時は、あの「クリーム・レモン」が大ヒットし、既に数年が経過、アダルト・アニメが下火になりかけた時代であった。
そうした状況下で、新たなるアニメーションの企画を模索していた製作陣が回り逢ったのが、70年代エロ劇画界の巨匠と言われる前田俊夫作品「うろつき童子」であった。
折りしも「遊星からの物体X」をはじめとするホラー・スプラッターが劇映画の世界でもてはやされていた時代。監督以下のスタッフ陣は、そうした表現をアニメの世界に持ち込み、更に原作の持っていた世界観を、数倍にもスケール・アップした。
過激なAV作品を点検し、当時の倫理規定の中で最大限に許される性描写を追求した。
プロデューサーが求めたのは、真の「大人のためにアニメーション」である。原作者を交えてブレーン・ストーミングを重ね、より明確なフィロソフィー、現代にマッチしたスピード感、ハイクオリティの画面と奥行きのあるドラマ、それらを支える
音楽作り。 そして、その為に集められた20代の優秀なスタッフたちは、見事にそれを成し遂げた。彼らの多くは、今や日本のアニメ、ドラマ、ゲーム、音楽の第一線で活躍している人ばかりである。ちなみにフェニックスは、この「うろつき童子」
シリーズの「放浪編」まで、全14作にかかわり、それらの総販売本数は50万本を超えている。
(ジュピター・フィルムズ他製作、JAVN発売、日本コロムビア販売)
『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』

(92~/オリジナル・ビデオ・アニメ)
原作/横山光輝 監督・脚本/今川泰宏
コンセプト・ストーリー/山木泰人、今川泰宏
イメージ・コンセプト・デザイン/小林誠
キャラクター・デザイン/山下明彦、窪岡俊之
作画監督/山下明彦 窪岡俊之、小曽根正美
音楽/天野正道
演奏/ワルシャワ・フィルハーモニクオーケストラ
企画・総合プロデューサー/山木泰人
横山光輝原作のロボット漫画を、最新のアニメ技術を駆使して製作した全七作のビデオ・アニメ超大作。制作期間7年、総製作費は5億を超える。
ガンダム旋風吹き荒れるアニメ界において、昔懐かしき巨大ロボットの面白さを追及した斬新さ、ディテールまでこだわった
絵作り、熱き登場人物、ワルシャワ・フィルによるフル・オーケストラの音楽など、その独特の作品世界はアニメ・ファンを魅了し、発売と同時に常にレーザーディスク販売のベスト・ワンにランクされた大ヒット作。
「宇宙戦艦ヤマト」の新作製作のために集められたという今川泰宏監督以下、キャラクター・デザインに窪岡俊之・山下明彦、コンセプト・デザインに小林誠、音楽に天野正道&ワルシャワ・フィル等々、当時最高のスタッフを結集した作品である。
横山漫画のオールスター出演による今川ワールドのダイナミズム。それらを支える一流原画マン達の繰り広げるパワフルな動き、そしてロボットの巨大感と人物描写の繊細さ。超一流の声優陣の存在感溢れる芝居。かつてない迫力と高揚感に満ちた
フル・オーケストラによるBGM。
ビデオ時代のエポック・アニメーションとして、繰り返しの視聴に耐え得るアニメ作りを目指した製作陣の意気込みは、DVD時代の現在も消える事がない。
それは又、CGアニメでは味わう事が出来ないセル・アニメの迫力の産物でもあった。
(アミューズビデオ・バンダイの共同製作・発売作品)
『新海底軍艦』(前後編)

(95年~/オリジナル・ビデオ・アニメ)
原作/押川春浪
監督/片山一良 福田己津夫
脚本/岸間信明
キャラクター・デザイン/安彦良和
作画監督/小曽根正美 他
音楽/天野正道
演奏/ワルシャワ・フィルハーモニックオーケストラ
企画・アニメーション・プロデューサー/山木泰人
制作/山田哲久
かつて東宝特撮映画として大ヒットした押川春浪原作の小説を、ダイナミックにアレンジし、アニメーションとして
浮上させたビデオ・アニメ。
太平洋戦争末期、ツングースカ隕石を発見した日本軍は、起死回生の望みを託し船首に巨大なドリルを持つ戦艦大和
よりも巨大な潜水戦艦を建造した。呉の造船所を出航し試運転の途にあった潜水戦艦羅号(ラゴウ)に、広島への
原爆投下のニュースがもたらされた。悲嘆にくれる乗組員達の前にアメリカの新造戦艦が出現。羅号はこの戦艦とともに
海の藻屑となる。それから50年、南極大陸に出現した謎の巨大なモノリスからの地底人の攻撃に地球の運命は風前の灯と
なる。 その時、南氷洋の氷山の中から巨大な戦艦が出現した。それこそ再建なった羅号だった。
祖父、父、子という三代に渡って羅号に関わる事になった一族と、地底人の末裔達が繰り広げる一大SF戦記。
コンセプト・デザインの小林誠、監督の片山一良、作画監督に小曽根正美等、スタッフにはGRのスタッフを多数起用し、
キャラクター・デザインには大御所の安彦良和が当たった。地球全土にわたる地底人との攻防戦が、迫力の作画と音響で
繰り広げられる。
東宝、角川書店、キング・レコード、バンダイの共同出資による製作委員会で、マルチメディア展開が話題となる。
(新海底軍艦製作委員会製作、東宝発売)
『プリンセスナイン』如月高校女子高野球部

(98年4月~ /NHK衛星第二チャンネル)
原作/伊達憲星 監督/望月智充
脚本/丸山比朗 川口高朗
キャラクター原案/山下明彦
キャラクター・デザイン・作画監督/橋本義美
音楽/天野正道
演奏/ワルシャワ・フィルハーモニックオーケストラ
プロデューサー/後藤克彦
企画・総合プロデューサー/山木泰人
フェニックス初のテレビ・オリジナル・アニメ作品。全26本。
名門女子高に野球部が設立され、甲子園に殴り込みを掛けるという、スポーツ・ファンタジー。
主人公の早川涼は、プロ野球界の黒い霧事件で追われた名選手の娘。万博に沸く69年から70年にかけて、日本プロ野球を揺るがしたあの大事件をヒントにして構想された作品である。勿論、早川の父親のモデルは、西鉄ライオンズの名投手池永選手。
スポ根物の王道を行くストーリー展開、野球映画への限りないノスタルジーという、凡そ少女達に似つかわしくない素材を、女の子アニメの第一人者である望月智充の演出が見事に融合。キャラクターの面白さ、アニメーションならではの夢と希望に溢れた題材、紆余曲折を経てのラストの盛り上がり等、本作が海外でも高評価を得ている所以であろうか。
流行の、いわゆる「女の子」物として本作を見ると当てが外れてしまう。しかし、根底に流れるハードなテーマ、野球というモチーフによる対立と友情のドラマは普遍のものであろう。特筆すべきは、そうしたスピリッツを音楽との融合によって表現した大胆さ。
本作はフェニックス・エンタテインメントとNHKエンタープライズ共同制作という画期的な形態で送り出した、初めての作品でもある。DVD化に際しては、テレビシリーズ初の5.1chドルビー・デジタルへの再ダビングを敢行し、後に総集編を放送するという人気作でもあった。
(フェニックス・エンタテインメント・NHKエンタープライズ21製作、ビデオ&LDフェニックス・エンタテインメント発売、日本コロムビア販売 DVDポニー・キャニオン発売、販売)
