【個人の見解】
親子で楽しめる・・・・・・☆☆☆☆☆
暴力・残酷描写がない・・・☆☆☆☆
性的・刺激的な描写がない・☆☆☆☆☆
娯楽性・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
満足度・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
学習・教訓的要素・・・・・☆☆☆☆☆
総合・・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
今日は『葬送のフリーレン』をご紹介いたします。何度も見返してしまう、日本人の心に沁みるアニメです。

© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
私のように60歳を過ぎると、このアニメを見て、このアニメのタイトル「葬送」という言葉にある種の懐かしさを感じてしまうのは、私だけでしょうか。
日本のアニメは世界のアニメ業界の中ではタブーとされる、人間や生物の『死』を題材にしたものが結構ありますが、このアニメはそのなかでも、さらに深堀ぼりして、それに伴う別れの意味を極めようとしているように思えます。

© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
この物語りは単に寂しく悲しい、究極の話題を取り上げれば、価値があるというものを狙ったものではないと思います。
生き物の持つ必ず避けられない死の別れを、長寿の種族であるエルフのフリーレンが、「無関心であった他人への興味、知ることに意味があることに気づいた」ことが、この物語の原点になっていると思います。
そして、のどかに物悲しく進んでいた物語が時に急変し、魔族との戦いに進み、勝利すると、またのどかな悲しみに戻っていく、物語性の強い交響曲のような描き方で、ストーリは進んでいきます。そして随所にその原点であるテーマの問題提議がなされているように思えます。

© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
ざっとストーリをさらいますと・・・
主人公のフリーレンは1000年以上生きている魔法使いのエルフです。ひょんなことから勇者一行に加わり、10年の旅の末に魔王討伐の偉業を成し遂げ、王都に凱旋したところから物語は始まります。
ナルシストの勇者ヒンメル、アル中の僧侶ハイター、武骨で無口な戦士アイゼン、人の気持ちがわからない魔法使いフリーレン。
フリーレンの以外の3人は、10年間もの旅路を振り返りると、長い旅だと感じている反面、何千年も生きるかもしれない、長命のエルフであるフリーレンにとっはあっという間の短い旅だったのでした。

© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
彼女が人間のことを表現するときに、『だってすぐ死んじゃうもん』とか言うのは、彼女の寿命から来る体内時計の感覚からだと思います。
種の保存欲求も、他人への興味もないのに、どうしてエルフが存在しているのか不思議な感じがしますが、エルフ自体は魔王の絶滅させるように指示がでたためか、この世界ではまさに絶滅危険種になっています。
さて、魔王盗伐後は、50年に一度降るというエーラ流星を見た4人は、再度この流星を一緒に見る約束をして別れます。
そして50年後、他のメンバー3人と再会して、また流星を見に行きますが、その後まもなくヒンメルは亡くなり、ハイターもほどなくこの世を去ります。

© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
親しい人との別れで「人のことを自分は何も知らなかった」ことを後悔する彼女は、人を知るために旅に出るのでした。
ハイターに託された戦災孤児の少女フェルンを弟子にし、旅を続けるフリーレンは、最後に訪ねた仲間だったアイゼンの助力を受けて、フリーレンの師匠で伝説の大魔法使いフランメの手記を入手します。

© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
その手記には、きっとフリーレンには必要になるとフランメが記した「大切なメッセージ」が残されていたのです。それは、討伐された魔王の居城があった大陸北端の地エンデに、死者の魂と対話できる場所・オレオールの存在があること。それによって・・・
オレオールで亡きヒンメルと再会し、フリーレンはもっともっとヒンメルを知り、お互い分かり合うために、ヒンメルの魂を求めて旅をするという目的ができたのでした。
その旅の途中で、フリーレンは、アイゼンの弟子である戦士シュタルクや、僧侶ザインやモンクと出会い、北方を目指します。

© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
そして、後半はさらなる北を目指すためには、一級魔法使いの選抜試験に合格し、その資格を取らないと先に進めないため、その試験につても詳細に描かれています。

© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
そこまでで、いったんお話は終わりますが、原作コミックの連載は現在も続いており、来年にはアニメの続編も放送されるようです。
深い味わいの複雑な要素が加わった作品ですが、私のような老齢の者には『人との別れの極意の物語』『死に際に後悔しないために今を一生懸命生きるために見るアニメ』というように思えます。

© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
普通のアニメはプロセスを踏んで、魔王盗伐がテーマであればそこがゴールになっていますが、このアニメは逆にゴールからプロセスを振り返り、再度ゴールを見直し進んで行くという設定が取られいます。
これって医学が進んで、私のようにこれからひょっとしたら、70歳、80歳、90歳と生きなければならなくなったときに、多くの人とと別れていくときに「どのように老いていく自分の自分の意識と向き合いながら、人々との別れに向き合うか」そのことを問われているように思えます。
現在96歳の父と、85歳の母。長く一緒にいたけど、お互いのことを十分理解していたのか。親子でももっと伝えうることはあるのではないか。亡くなってからもっと知りたいと思っても遅いよ。
40年近く連れ添って来た妻が末期がんの宣告を受けている現在、お互いの気持ちをもっと素直にさらけ出すのは今しかないよ・・・
いろいろな思いをかみしめるきっかけになるアニメです。私は流行りのアニメは他にもたくさんあると思いますが、若い人にもこのアニメを見て、大切な人との関係をじっくり考えていただく機会になればと思っています。
それくらい、大切なことを教えてくれる作品ではないかと思います。世界的にも静かなブームになっているようですが、日本人の感性がどれだけ世界の人々に伝わるか楽しみでもあり心配でもあります。
このアニメは、2025年3月31日現在、dアニメストアで視聴できますので、おススメ方々ご紹介いたします。


