
2024年11月8日先行上映、15日公開
監督:幕が上がるはいったい何だったのか
脚本:パラサイト・イヴもこの方だったのか
プロデュース:お台場のメディア王
・・・
先行上映に行ってきました。
汚い言葉を使いながらの酷評です。人生で断トツのひどさでした。あまりにもひどすぎてクライマックスで変な感情が沸いてきて泣いてしまいました。劇場を出たあとでちょっと過呼吸ぎみになりました。映画を観てこんな経験をするのは初めて! すごい!
私は先週も「落としただけなのに最終章」を見て、とんでもねえクソ映画だと思ったわけですが、今作を見てしまうと……人類が生み出してきたクソ映画をすべて洗い流す、どんな汚い言葉を並べても足りない醜悪な映画、「落としただけなのに最終章」でキーボードをカタカタ叩いているのにモニター画面がまったく動いていなかった場面なんてかわいいもんだとなったわけです。
今作の最初は、そこそこひどいけど前作くらいだなと思っていたわけですが、後半に進むにつれひどさがどんどん上がっていき、クライマックスはまさにひどさのクライマックスでした。上のグラフは今作のひどさがだんだん上がっていく様子を表しています。
ほんとに、マジで、すごいよ、これは。如何にひどい映画を作るのか、そのために緻密な計算をしたのではないでしょうか。
はい、というわけで、
今作はあらすじと感想を織り交ぜていきます。めんどくせえので箇条書きみたいな感じにします。実は、劇場を出たあとウワアアアアア!!! となっていたのであらすじをはっきり覚えていません。間違えていたらサーセン。
まずは前作、小池刑事との約束を果たすことができず警視庁をやめた村井珍事監理官殿は秋田へ帰ってきた。本来の実家は本荘だが、本荘ではなく角館の山奥の廃墟をセルフリフォームして新生活開始。ちなみに廃墟にはなぜか秋田犬もいて同居することに。
村井は、小池との約束を果たせなかった代わりに犯罪関連で親と離れた子供を預かる里親になった。母を殺された高校生男児のサトミと、父が収監された小学生男児のクウガ。それから1年、彼らの自宅の近くで遺体が発見されて、それがレインボーブリッジを封鎖できなかったときの事件の犯人だった。さらに、湾岸署を占拠していろいろな犯罪の背後にいて収監された伊勢マナミの娘ハサウェイも村井の家にやってきた。
そして前作の最後に彼らの家の倉庫が全焼して、今作に至るというわけでございます。
角館のあらゆるところ、山奥の村井宅付近にも監視カメラがつけられるというとんでもねえ事態です。遺体が発見されただけで大量のカメラが取り付けられるってのは、予算はどこから出たんですかね。そのカメラは倉庫に放火したハサウェイも映っていまして、ハサウェイはバカなのか? カメラがあるのになぜわかりやすく放火したんですか。そんなハサウェイを村井は叱りもせず、犯人をまったく知らない地域住民などから被害届を出せと言われても拒否してハサウェイを守った村井さんでした。
そもそも「無暗にひとを疑ってはいけない」と言っていた村井さんが火事の直後に証拠などがまだ何もない状態で完全にハサウェイを疑っているじゃないですか。脚本崩壊してる!!! きっと村井さんのこのセリフはこのような状況でひとを疑ってしまう自分への戒めだったのでしょうね。きっとそうだよね。
さて、放火は一線を大きく越えた重大犯罪だと思うのですが、それをやっちゃったハサウェイを庇ってしまうのは本人のためにはならない気がします。さすがに警察に突き出すべきではないのか……
……といった感じで本作は始まりました。この程度のひどさは軽いものですし、予想の範囲内です。
遺体が発見された件がどうなるのかというと、警視庁のチームが大挙して角館に押し寄せてきていっさい進展がないわけです。でも、どう考えても村井さんを狙った犯行じゃないですか。なのに、チームの頭は「うーん、だれがはんにんなんだろー。わかんにゃーい。きみたち、はやくかくのだてのなかからはんにんをみつけちゃってよ」というわけです。犯人は絶対角館にいねえよ。たぶん東京だよ。
そんでもって、チームの若い衆が事件をいろいろ想像していくわけです。レインボーブリッジを封鎖できなかったときの関係者が犯人なんじゃないか、って。うん、そうだよ。それしかないよ。だからあんたたちは一般人になった村井さんを警察署の中に入れてまで捜査してるんじゃないですか。
そしたらまさかの事態が発生しました。
なんと!!! 犯人が角館の警察署に電話してきたんです。そのときたまたま村井さんがいて、電話の声を聴きました。さらに、「おまえたちのリーダーは誰だ」と若い衆に通話させたんです。いや、だから、もう犯人が誰なのかわかってんじゃん。
そのあと警視庁が特殊詐欺屋さんになっていた犯人の部屋へ突入してあっさり逮捕です。レインボーブリッジを封鎖できなかったときの犯人が今作でも犯人だったわけです。で、その犯人が角館に連行されてきました。
すると、警視庁チームの若い衆が取調室にいる犯人に村井さんを会わせようとしました。チーム頭が、それは違法だから絶対やめろと言ったのに若い衆が強行しました。そのとき警視庁の偉い人であるマヤミキに電話してチーム頭を黙らせたんです。もうね、やってることがめちゃくちゃですね。このとき若い衆がチーム頭に取った態度も上下関係をまったく無視したものでした。秩序も何もないですわ。
取調室で犯人と対面した村井さんが、「関係者にも家族がいて家族も苦しむ」みたいなことを言うわけです。人間の心がなさそうな犯人がそれを聞いたら突然改心して自供しちゃうんです。もうね、アホかと。バカかと。
前作と今作で物語をけん引する最大の見せ場となるはずだった村井宅で発見された遺体の事件の謎はこれにてあっさり解決です。たぶん、今作上映時間の半分あたりです。
踊る大捜査線シリーズの映画で起きた事件は、事件のほうから勝手に解決していく。某宇多丸さんがおっしゃっていましたが、それが今作でも起きました。
さて、次に、村井さん宅にいる小学生男児のクウガくんが万引きしてしまいます。ハサウェイにそそのかされて実行したようですが、それはさておき、万引きしたことを店のおばちゃんにひとりで謝ったんです。そのことを近所のオヤジが村井さんに教えたんです。
は?
なんで近所のオヤジがこのことを知ってんの? 店のおばちゃんがしゃべったとしか考えられないですよね。幼い子供にとっては人生の大きな汚点になりかねない、トラウマになるかもしれないことをおばちゃんは近所のオヤジにしゃべったんですよ。
さて、次に、クウガくんは学校でちょっと暴力を受けてしまうんです。でも、クウガくんは、「やられても我慢した」と村井さんに報告したんです。めちゃくちゃえらいですよね。やられても耐えたんですから。すると、村井さんが「今度やられたら教えてくれ。対応する」みたいなことを言うわけです。
今度? 今日やられた分は対処してくれないんですか?
で、またやられたみたいなんですけど、クウガくんはやり返して勝利したみたいなんです。それを村井さんが大いに褒めてしまうんです。
は?
やられたらやり返していいんだ? 村井さんはそれを推奨しちゃうんだ?
さあ! いよいよ本作のひどさが際立ってまいりました! 鑑賞中の私はこのあたりから頭をグワングワンさせるようになりました。
続きまして、高校男児サトミくんのほうです。前作でいい感じになった女の子がいましたね。ハードSFを貸してあげるほどの仲になっていました。ところが、彼氏みたいなのがいたようです。いやいやいやいや、ちょっと待って!!! 登下校をいつもいっしょにしたり、本を貸したりしたのに、実は男がいたんですか!? しかも悪びれもせずにサトミくんの目の前で彼氏と楽しく電話するんですよ。
最近の高校生ってこんな感じなのかな……
ショックを受けたサトミくんでした。
こんな感じで映画のあらすじを書いておりますが、場面の順番は間違っている気がします。もし間違えていてもあまり影響ないと思うし、許してヒヤシンス。
続きまして、ハサウェイが村井さん宅に保管されている猟銃を取り出そうとしました。村井さんに見つかって、なんと! 村井さんが猟銃を出してきてハサウェイに持たせて、撃たせたんです。マジですからね。ほんとにあった場面ですからね。
「これは犯罪だ。だが、責任は私が持つ。撃ってみなさい」みたいなことを言って、撃ち方講座をやっちゃうんですよ。もう、ほんとになんというひどい場面だよ。
これによってハサウェイは銃の扱い方と恐ろしさを知りました、という演出になりました。
さてさて、これらの場面が展開されつつ、村井さんは狭心症であり心臓がかなり危ない状態だということが暗示されています。
村井さんは、店で暴れている若者の集団に注意しました。このときの暴れ方が激しくて、棚を倒したり、店を壊すレベルだったんです。昭和のガキでもここまでやらんでしょ。店の外へ若者を連れていき、村井さんのほうが暴力を受けてしまうんですが、その背景で店のおばちゃんが握った拳をシュッシュッとやって殴る真似をしていたんです。なんだ、この演技は。なんだ、この演出は。あんたの店が壊されて村井さんが注意してやってんだぞ?
このとき村井さんは若者に胸倉をつかまれつつ「君らには勝てん。いっしょに棚を戻そう」と繰り返し訴えたんです。そしたら若者が改心したんですよ。
は?
村井さんの一言は魔法かよ? 一事が万事、こんな流れですわ。
さて、次に、クウガくんのお父さんが出所しました。このお父さんが角館の村井さん宅へやってきました。このとき山奥の道を歩いていくお父さんを駐在所のクソうざいおまわりさんが目撃するんです。
都会にお住まいの皆さんは、道路を誰かが歩いていても気にならないでしょうけど、田舎の道を知らない人が歩いていたらかなり気になるものです。「あら? 誰かしら」となるし、近所の方によっては警戒します。田舎の道を歩く人間は、運動不足解消のために歩く近所の奴らだけです。移動はほぼ車です。数百メートル離れたところへ行くときも車です。というわけで、知らない男が歩いているというのは地元にとって異常なことです。
なんだかんだで里親管理センターみたいなところがクウガくんを親に戻す決定をしました。日本における親権は強いから子供は親に戻されるわけです。クウガくんはお父さんから虐待を受けていたから村井さんがお父さんに「手を出さないと約束してください」と言って、お父さんもちゃんと理解した感じの演出がありました。
そしてクウガくんが村井さんから離れて親のところへ行ったわけです。最後の一日を楽しく過ごした村井さんたちですが、このとき温泉に入っていました。エンドロールには打当温泉がありましたが調べてみたところ、違うっぽいです。どこの温泉だったのか、気になります。
クウガくんがいなくなるとサトミくんが勉強しはじめました。赤本の東大を勉強していました。ととととっと東大!? どうしたんだい、サトミくん。ハサウェイに勉強している理由を聞かれて「こんなことを繰り返さないように警察官になるため」と答えました。なるほどー、第二の村井さんがここで登場するってわけですね?
さて、いよいよクライマックスだ!
おまえら、覚悟しとけ! 映画史上最悪のクソ展開がやってくるぞ!
お父さんのところへ行ったクウガくんがひとりでボロボロになりながら村井さん宅へ帰ってきました。満身創痍のクウガくんをふとんに寝かせてハサウェイが看病しはじめました。前作で山中をさまよって助けられたハサウェイも村井さんに一晩看病してもらったから、今度はハサウェイがクウガを看病するんですってよ。
だーかーらー!!!
病院連れていけ!!! クウガくんがどんな状態なのかわからないのに素人が自宅で看病すんな!!!
そのあとクウガの父がクウガを取り戻しに来たんです。父はまた虐待しちゃったんですねー。村井さんとの約束を破ったんですねー。つーか、クウガを取り戻すために歩いていた父をクソうざいおまわりが目撃していたんです。なのになぜ何もしないのか!
クウガ父がクウガを取り戻すために大暴れしました。村井さん宅にいた秋田犬の首輪をつかんだりしました。村井さんがクウガ父を取り押さえようとしました。しかし、心臓が痛くなってきたぞ! サトミがこっそり警察に通報しました。
秋田犬を放したクウガ父が斧を振り回し、そこへ猟銃を持ったハサウェイ登場!
ハサウェイとクウガ父の間で猟銃の奪い合いになってハサウェイが引き金引いた!
銃口はたまたま天井を向いていた!
クウガ父が猟銃奪った! そこへクソうざいおまわりが登場して猟銃を持っているクウガ父を捕獲しました。サトミやハサウェイなどの安全を確認しました。
まだだよ? ほんとにひどい場面はこのあとだからね?
秋田犬がいないことに気づいた村井さんが突然家を飛び出して秋田犬捜索に出ていったんです。外は大雪です。かなり雪深い状態です。ちなみにこのとき飛び出していった村井さんが本作最後の姿でした。
おい! ちょっと待て! 村井さん宅の秋田犬は忠実っぽいのにどうしてこのときは逃げて姿を消したんだ!
そして! どうして! 村井さんはたったひとりで心臓を痛くしながら秋田犬を探しに行ったんだ! 何がどうした!
そのあと村井さんは行方不明になりまして、近所の住民や警察や消防による捜索隊が結成されました。
え? ええ!?! えええ!!?? いやいやいやいや、村井さんが勝手に飛び出していったせいで大騒動になってるじゃん。最後にとんでもない迷惑をかけた状態になってるじゃん。
そのあと無線の音声が聴こえてきました。
「崖下で男性発見」「秋田犬がいっしょにいます」「秋田犬が男性から離れません」「繰り返します、秋田犬が男性から離れません」
え? なにこれ、この無線、ふざけてんの? 捜索中に遊んでる?
チーンです。というわけで村井さんはなんだかよくわからないけど突然秋田犬を探すために家を飛び出して、死にました。
村井さんが家の前でいつも座っていた椅子がありまして、それが献花台になっちゃいました。田舎特有のよそ者追放キャンペーンを展開していたご近所が改心して花を供えました。店で暴れた若者も花を供えました。秋田県警本部長も花を供えました。
秋田県警本部長は小池刑事との約束を果たせずに辞職した村井さんに代わって新しい警察の仕組みを展開させようとするみたいです。
息子に出ていかれて悲しんでいたご近所へ、息子が突然帰ってきたんですが、村井さんに説得されたんだそうです。
猟銃を持ち出して発砲したハサウェイはもちろんいっさいお咎め無しです。
サトミ、クウガ、ハサウェイは里親を亡くしたわけですが、新しい目標ができたそうです。それは、この村井さん宅に大勢の不幸な子供を集めることだそうです。児童養護施設を作るということですかね。サトミの警察官になる夢はどこへ行った?
はい、エンドロールに入りまーす。
はい、エンドロールが終わりましたー。すると以下の1行が表示されました。
THE LEGEND ODORU STILL CONTINUES
踊る大捜査線はまだ続くようです。するとですね、踊るシリーズで視聴者のみんなが憧れたおなじみの汚いコートを羽織った小池刑事が村井さん宅へやってきました。あと10歩くらいで村井さん宅といったところで彼の携帯電話に着信がありまして、緊急で戻らなければならないようです。すると小池刑事は惜しそうにしながら村井さん宅から離れていきました。
いやいや、手を合わせる5分、いや1分すらないというのかい?
事程左様にですね、とんでもねえわ。すげえもん見ちまったわ。