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育休もらい逃げろ(続)

昨日は東京から会社の後輩が出張で来ていたので、飲みに行く。

退職者の噂や互いの近況報告を済ませた後、彼が不意に切り出した。

「去年辞めた岸さん、育児中にプログラミング勉強してたらしくて、それに必要な経費補助で会社の自己啓発費使ってたらしいんすよ。それなのに復帰せずに退職するって言うから経営陣も元の部署もかなりブチギレてたらしくて」

ほえー、なかなかキワドイことやるねぇ、と相槌を打ったものの、まぁそんなことをされる程度の会社なんだよなと内心では思う。

岸さんは、会社の定めたルールには逸脱していない。自己啓発費として申請できるのは年5万。育休中は使えない、というルールも明記されてはいなかった。申請を受理した上司に、たとえ岸さんの復帰を前提として、少しでも彼女のワークエンゲージメントが高まればという意図があったとしても、それが叶わなかったからといって憤る筋合いはない。育休は育休、自己啓発は自己啓発だ。別の問題として切り分けて扱うべきだ。

だいたい、たかが5万程度の投資が回収できなかったくらいで目くじら立てすぎ。そんなことを言ったら退職決定後の有給消化だって似たようなものではないか。あらかじめ得ていた権利を雇用期間内で行使しただけのことである。

もともと育休復帰せずに辞める前提だったのを黙っていたなんてけしからん、と青筋を立てる前に、経営陣と上司は我が身を振り返ったほうが良い。端的に言えば、会社に魅力がなかったのだ。経営陣の手腕もポンコツ、仕事で得られる経験もイマイチ、同僚も尊敬できない、給料もみみっちい、となるとそもそもどんな勝算があって確実に復帰してくれると見込んでいたのか、その自己理解の甘さが今回の顛末を引き起こしたのだ。

余談だが、岸さんは経理をやっていた。経営陣の呆れるほど杜撰な経費の使い方を嫌というほど見てきたはずだ。自分たちが頑張って残してきた利益が、こんなかたちで無残に溶かされていくとは。そんなやるせなさもあったはずだ。経費を節約しても、浮いた金は経営陣がろくでもないことに浪費する。それならばよほど自分の自己研鑽に充当したほうが世のため人のためになる。そう自己正当化できるくらい、経営陣の狼藉は目に余る。

退職代行などもそうだけど、企業と個人が対等に近づきつつあることは大変喜ばしい。企業がいままで調子こきすぎてただけだ。もっと個々人を尊厳ある存在として丁重に扱わなければ、途端に事業が立ち行かなくなる社会にしていきましょう。




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