昨日は天神でランチ。いつもは行列を避けるために11時台には食べに行くのだが、今日は仕事が片付かずに12時を過ぎてから店探しをすることになってしまった。案の定どこも行列していて、すぐには入れない。結局、行きつけの中華料理屋の列に並ぶことにした。中華はなんやかんや回転が速い。
10数分後、無事に席に着き注文を終え、料理を待っていたのだが、今日はいつもより提供が遅いなと感じた。まぁでもお昼ど真ん中の書き入れ時だし仕方ないよなとのんびり読書していたら、私のあとに入った3人組が店員にクレームを付け始めた。
「一体いつまで待たせるんだ」
「俺はこのあと予定があるんだ」
「あと5分以内に注文したものが来なかったら帰る」
そんなことを主張していた。店員は恐縮しきりで、厨房に催促を入れていた。
たしかにいつもより待ち時間が長いなとは思ったものの、政令指定都市の中心地である天神の、平日のランチタイムに来ておきながら、自分のその後の予定に差し支える場合は帰らせてもらう、と主張するなんて厚かましいにもほどがあると思う。作りかけの料理はどうなるっていうんだよ。その分の代金払って立ち去るなら分かるけど、提供が遅かった店側がその負担を被るべきだと考えているのだから横柄極まりない。
提供時間の事前約束もない、ただの町中華に対してそんな要求が通じると思っているのだから相当おめでたい思考回路なんだろうなと思ってしまった。
結局、3人組への料理提供は何とか間に合ったようだが、客から恫喝されたせいで店員が憔悴してしまい、客の荷物に足を引っ掛けたり、凡ミスを繰り返していて不憫だった。その店員は、横柄な客にも丁寧に接しなければならないと自分に言い聞かせているのだろうが、そこまで相手を神格化する必要はない。私が店員ならその場でどうぞお引き取りくださいと追い払うと思う。そんな無理を言ってくる客にサービスを提供してやりたくなんかない。時間もないくせにうまいものも食いたいなんて虫が良すぎるんだよ。大人しくコンビニに行け。
しかしそんな私と違って誠実に働く店員に、「少なくとも私にとってあなたの接客は、十分に満足する水準のものだよ」と暗に伝えようと思った。いつもの自分より2割増しで笑顔で応対し、水を汲んでくれたらしっかり店員の目を見て、丁寧に感謝を伝えることを意識した。これが意外と大変で、普段の自分は店員さんがあれこれと世話を焼いてくれることに無反応になってしまっているなぁと反省。店員を人格ある人間と思って接していなければ、あのクレーム野郎と大差ない。自分も普段の振る舞いを改めよう。
とにもかくにも帰り際には、店員さんも少し元気を取り戻し、いつもの落ち着いた接客ができるようになっていた。めでたしめでたし。
自分含め、なんか余裕のない大人が増えているなあと感じる一幕。自分中心で世界を回したい、少しでも得をしたい、他人に対する配慮を節約したい。そんなみみっちい人間が増えている気がする。そんなんだから日本人ファーストとか浅ましい主張が支持を集めるのだろう。本当に我が民族が最も優れていると自尊心があるなら、そんな牙をむき出しにしたダサい主張はしない。本当に優れているところがあるのなら、泰然と構えて、さすが日本人と自然と尊敬を集めてしまうくらい鷹揚に振る舞ってほしい。日本人あるいは日本をファーストと持ち上げるのは諸外国の皆様の仕事なんだ。そこを堪えきれずに自分の口から「俺一番」って言っちゃう幼稚さを恥じてほしい。三島由紀夫や伊丹十三が今の日本を見たら、日本はなんてしょぼくれちまったんだと落涙するだろうな。