
ここまで露骨に旧道民の郷愁を刺激する新刊もなかなかないなと、まんまとつられて読んでしまった。
自分自身が何の気なしに生まれ育った北海道が、どのような人たちの手で切り拓かれ、人々の人生にどのような影響を与えて来たのかということが、いくつかの登場人物の生涯を辿りながら淡々と描かれていく。
そのスポットライトを当てられた人選の渋いこと。道民はおろか、登場人物達と関わりの深い北大関係者でもあまり関心を寄せないかもしれない。そんなニッチでマニアックな描写が私にはズバズバと刺さった。
こういう本を読んていると、やはり自分にも開拓民の血が入っているなと心掻き立てられるものがある。誰から理解されなくとも、心に抱いた目的のために、黙々と突き進むタフネスにシンパシーを感じてしまう。自分自身にとっては孤立無援で四面楚歌な境遇に思える現状も、この本を読むとまるで大したことではないと思わせられる。むしろ、こんなところでへこたれるな、手を休めるな、足を止めるな、と叱咤されているような気持ちにすらなる。一度抱いた大志を易々と手放さぬように、自らに鞭入れて過ごそうと思う。
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