Libleというお店のこと
馬喰横山にLibleというワインバーがある。カウンターのみの小さい店で、ナチュラルワインを中心に様々な国のワインをグラスで飲むことができる。
https://www.instagram.com/libre.uraguwa/
俺がこの店を初めて訪れた6,7年ほど前は、ナチュラルワインに関する何の予備知識もなく、ただ外観(空のワインボトルが大量に陳列されていて格好良い)に惹かれて入店したことを覚えている。出張の際に訪れた平日の夜、常連の方々に混ざってワインに関する様々な話を聴きながら、これまで飲んだことのないような素晴らしい風味のワインをたくさんいただいた。
そして印象的だったのは、店内のBGMがAlbum Leafだったということ。大好きな音楽を聴きながら飲む素晴らしいワインの数々は、文字通り最高以外に形容する言葉がなく、体験としても経験としても思い出深い夜であった。確実にこの店があったからワインを好きになったし、ワインのことをもっと知りたくなった。コロナ前に2度ほど伺ったきりなので、いつかまた必ず再訪したいところ。
イタリアのラディコン、オーストラリアのルーシーマルゴーなど、当時は全く知る由もなかった変態的とも言える風味や生産者の哲学みたいなものにも触れ、すっかり魅了されてしまった。


そしてその時飲んだワインのひとつに、グレープリパブリックという山形のワイナリーがある。奇抜で大胆なエチケット、ふくよかな果実味を感じるその味わいがかなり好みであった。

その店に行ってから、俺も自分の住む街でナチュラルワインが買える店を探し始めた。今でこそどこにでも売られているが、当時俺が住む地方都市ではなかなか手に入らなかった(扱っている飲食店はあったが、まだ子供が小さかったのでボトルを買って家で妻と一緒に飲みたかった)。そんな中でヴィナイオータというインポーターを扱っている店をようやく見つけて足繁く通い、そこで買ったラ・ビアンカーラの「サッサイア」というワインが大好きになった。
で、ちょうどその頃に下記の記事を読み、グレープリパブリックの創業者がサッサイアに強い影響を受けていることを知る。
何だか色んなものが繋がった気がして、それからというもの、グレープリパブリックのワインをよく飲むようになったし、ワイナリーがある山形県南陽市にもいつか行ってみたいと思うようになった。
南陽市へ
唐突な謎の思い出語りによる前置きが長くなったが、家族で南陽市に行ってきた。朝早く家を出ての日帰り旅行。俺の住む街から南陽市は思いのほか近かったのである。
そして何故俺がこんな熱量で旅行記を書いているかというと、本当に素晴らしい街だったということに他ならない。何のゆかりもないが、この街の魅力はもっと知られて欲しいし、割と遠くない場所に住んでいる俺も全然分かっていなかった。
赤湯温泉 湯こっと
2022年オープンの共同浴場。朝8時過ぎに到着したがほとんどが地元の方々で、地に根付いた共同浴場という感じ。温度の異なる2種類の浴槽と半屋外の露天風呂がある。価格は大人300円、子供100円。しかも小袋のシャンプーとボディーソープまで付いてくるという良心価格。
ラウンジにはワインサーバーが設置されており、300円/杯、1,000円/4杯でワインやノンアルコールワイン、ぶどうジュースを飲むことができる。ここでは南陽市にあるワイナリーのワインが提供され、ノンアルコールやブドウジュースも含まれている。迷わず1,000円と引き換えにグラスとコインを受け取る。

1杯目、大浦葡萄酒の大浦シャルドネ。オーク樽熟成ということで、すっきりした酸味にどっしりとしたオークの風味。風呂上がりということもあり、酸味がめちゃめちゃ心地よい。

2杯目、酒井ワイナリーの四十雀(シジュウカラ)。果実感ある香りと鉱物感、タンニンもありかなり好み。


3杯目、Yellow Magic Wineryのオーディナリールージュ。マスカットベーリーAの果実感、冷えていることもあってさらりと飲める。気取っていない感じの飲み口で、こういうワインをいつも飲んでいたいな。


4杯目、酒井ワイナリー マスカットベーリーAブラッククイーン。

この時点で朝の9時。スタートからすでに最高。
結城酒店
湯こっとから近くの酒屋。9時の開店を待って訪問。訪問した日および前日はかなり気温が高く、これでもかなり雪が溶けたそう。1週間前までは1階が雪で埋まるほど積もっていたのだとか。

試飲をお願いすると、どんどんと山形のワインを持ってきてくれ、ワイナリーの説明や生産者の話を交えて解説してくれる。妻と子供には2種類のぶどうジュースを飲み比べさせてくれたりと、心遣いもありがたい。NOB's Fields(左から3本目)とアグリクール(一番右)のワインを購入。

日本酒も購入したい旨をお話しすると、これまたいくつか飲み比べをさせていただく。一番左の天弓を購入。


熊野大社
「東北の伊勢」こと熊野大社。彫刻に3羽のうさぎが隠れているのだとか。

溶けたとはいえ、ここもかなりの雪の量。

gelato en.
熊野大社のすぐ隣にあるジェラートショップ。3羽のウサギをモチーフにしている。


日当たりの良い2Fで食べる。吊られたビカクシダも良い感じ。


金ちゃんラーメン
山形はラーメン消費量、人口あたりのラーメン店割合も日本一。ここ南陽市だけでも50以上の店舗があり、南陽市役所には「ラーメン課」もあるよう。この地域のラーメン知名度でいえば龍上海が有名なのだろうが、とにかく開店前から混むとのことを酒屋の方から聞いたのでこちらのお店へ。

開店10分前から並びスムーズに店内へ。靴を脱いであがる民家のような店内。

一口食べた瞬間に妻と顔を見合わせるくらい美味しかった。鶏ベースの旨みたっぷりなスープに平打ちで加水率高めの自家製麺。黄金色に浮かぶ油も美しい。食べ終わるのが惜しいほどの美味しさ。

こんなラーメンマップもある。
http://nanyoshi-ramen.jp/map/ramenmap01.pdf
くるんと
帰り際、隣の長井市の施設「くるんと」へ。2023年にオープンした、子供のあそびばと図書館が一体となった施設。

90分の時間制限の中で無料で遊ぶことができる。遊び場には大量のボールが一面に敷き詰められている。


90分間思いっきり遊び、その後は図書館で絵本や図鑑を読む。疲れ果てたのか帰りの車で熟睡する子達。18時過ぎに自宅へ到着。
土産たち

宮内ハムのサラミ
山形の人はサラミをめちゃめちゃ食べるらしい。中でも有名なサラミのひとつが、南陽市にある宮内ハム。「味な物語」と、いかが練り込まれた「いかボー」の2種類を購入。どちらもスーパーの目立つ場所に山積みにされていた(本当は直営店に行きたかったがこの日は定休日だった)。
金田屋蒲鉾店の練り物
青のり蒲鉾と、さまざまな具材が練り込まれた揚げ物。店内でたくさん試食させてもらったうえでの購入。すぐさまつまみになった。
熊野大社で買った俵揚げ
俵形の油揚げ、砂糖や醤油で甘く煮つけると美味しいのだとか。
ワイン、日本酒

早速NOB's Fieldsのワインを開けて旅行の余韻にひたる。本当にこんなワインばかり飲んでいたい。凝縮されつつ溢れ出るようなブドウの旨味。

ワイン、温泉、ラーメン...俺の好きなものが多いこともあるかもしれないが、贔屓目にみても本当に素晴らしい市だと感じている。これだけ豊富な観光資源があるうえに、新幹線が停まる赤湯駅もありアクセスも良好。もっともっと認知されて欲しいと切に感じた。この日帰り旅行を皮切りに、きっと俺はこの先何度も訪れるだろうし、この市の魅力を(勝手に)身近な人々に教えたい。時間の関係で行けていない場所もたくさんあるので、近いうちに今度は泊まりで訪れよう。

最後に朝から試飲しまくりの俺を許容し、帰りの車を運転してくれた妻に最大の敬意と感謝を。