
防水トレランシューズってどうよ
皆さん、トレランシューズを選ぶ時に「ゴアテックス(GORE-TEX)搭載モデル」を検討したことはありませんか?
私も過去に何足か買ったことがあるのですが、ゴアテックスのトレランシューズは確かに防水性はあるものの、「足首の隙間から水が入ってきやすい」「一度水が入ると逆に抜けにくい」という弱点があり、雨の日のレースや山行ではかえって使い勝手が悪く、結局あまり出番がない…ということがよくありました。
ただ今年。
いつもより少し早めの時期、残雪期からアルプスにトレランスタイルで登りたいと考えていました。
残雪期の山となると、雪解けのドロドロのトレイルを走ったり、腐った雪の中を進んだり、シンプルに雪の上を走る場面が多くなります。
そういった特殊な環境下では、やはりゴアテックスの防水・防風性が活きてくるため、改めて条件に合うシューズを探し始めました。
なぜ「ゲルトラブーコ14 GTX」を選んだのか?
雪や泥の中を走ることを考えると、絶対に妥協できないのが「グリップ力」です。
個人的にグリップ力で絶大な信頼を置いているアウトソールは、Vibram(ビブラム)の「メガグリップ」か、アシックスの「アシックスグリップ(ASICSGRIP)」のほぼ2択。
色々探していたところ、それらのソールを使ったトレランシューズで、最近になって素晴らしいゴアテックスシューズが2つ発売されました。
一つは、アルトラの「ローンピーク9 ALL-WTHR(ゴアテックスモデル)」。
以前このブログでもローンピーク9+のレビューをしましたが、ラグノパターンが微妙で、個人的にグリップ力に若干の不安を感じていたため今回は見送りました。
そしてもう一つが、今回出た瞬間に即買いしてしまったアシックスの「トラブーコ14 GTX(Trabuco 14 GTX)」です。実際に使ってみたら想像以上に素晴らしい完成度だったので、詳しくレビューしていきたいと思います!
外観とスペックの魅力
普段履きもいける秀逸なデザイン

今回私が購入したのは、オールブラックに近いカラーリングのモデルです。
完全に真っ黒というわけではなくグレーも差し色で使われており、絶妙な配色。現在のトレンドを考えると、トレイルだけでなく普段履きやタウンユースにも全然使えるスタイリッシュなデザインに仕上がっています。
サイドに配された「GORE-TEX」のロゴも、アウトドアギア特有の無骨なカッコよさを引き立てていて個人的にかなり好みです。

ゴアテックス搭載で「アンダー300g」の衝撃
まず驚いたのがその重量です。
なんと300gを切っているんですよね。

そもそも300gを切るトレランシューズ自体がそれほど多くない中で、ゴアテックスの防水メンブレンを装備してこの軽さを実現しているのは、非常に嬉しいポイントです。
ソールとアッパーの進化

ミッドソール: 「FF BLAST MAX」を採用しており、非常に軽量でありながら柔らかいクッション性が特徴です。ドロップ差も小さめに設定されており、最近のアシックスが得意とする「コロンと転がるような軽快な足運び」を楽しめるソール設計になっています。

アッパー: 触ってみるとかなり丈夫で硬めな印象ですが、これが軽量化に大きく貢献しているようです。さらに、最近のアシックストレランシューズの弱点でもあった「小指側の破れ」を防止する補強が、今作からしっかり施されています。前足部全体も一般的なトレランシューズと同様にしっかり保護されているので、岩場などでも安心です。

アウトソール(ラグ): ラグ(突起)のパターンが非常に考えられています。
前足部の内側: 蹴り出し時に進みやすく、滑りにくい配置。
前足部の外側: ブレーキをかける時にしっかり止まれる配置。
かかと側: 下り坂で確実なグリップが効くような配置。
届いて手にしただけでも「これは良い買い物をしたぞ!」という確かな感触がありましたが、実際にロードや山、そして雪道でテストしてきました。
実際のフィールドテスト・レビュー
サイズ感・着用感
残雪期用なので、厚めのメリノウールソックスを着用する前提で、少し大きめ(普段は26.5cm→今回27.0cm)を購入しました。
サイズ感は、微かに小さ目な気がしますです。
前足部は他のアシックスのジョグ向け、トレイル向けシューズの多くと変わらないサイズ感ですが、中足部の幅は狭めな印象を受けました。
厚いメリノウールのソックスだと少々窮屈感を感じました。
ちなみに今回履いたのはダーンタフのソックスです。
とはいえ、薄いソックスを履く前提なら、普段通りのサイズで良いかも。
前足部は最近のアシックスのトレイル向けシューズと同じく、若干広めに作られている気がします。
アシックスのランニングシューズの着用感が嫌いでないなら、恐らく問題なく履けると思います。つまり、変な癖は有りません。
圧倒的な「アシックスグリップ」の安心感
走ってみて真っ先に感じるのは、やはりアウトソールに使われている、アシックスグリップの素晴らしさです。
「ギュッ!」と音を立てて地面を掴む感覚があり、ピタリと止まります。
他のアシックスグリップ搭載モデルと同様に、ちょっとした雪道や凍結面でも全く問題なく走破できました(※もちろん個人差やスキルによりますが、私自身は凍結路面でも不安なく走れています)。
防水性のリアルな評価(雪・泥は◎、大雨は△)
肝心のゴアテックスの防水性についてですが、水たまりやぬかるみ、雪の中に足を入れても全く浸水しません。
これはゴアテックス製品なのである意味当たり前ですが、残雪期のドロドロのトレイルでは完璧に機能してくれます。
ただ、「雨の日の山行」には、やはり積極的におすすめはできません。
理由は冒頭でも触れた通り、雨が降るとどうしても「履き口(足首部分)」から水が伝って侵入してしまうからです。
一度靴の中に水が入ってしまうと、ゴアテックスの防水性が裏目に出て水が外に抜けず、靴の中が濡れて蒸れた状態がずっと続いてしまいます。
ですので、「雨対策」としてのゴアテックスではなく、「雪や泥、水たまり対策」「防寒・防風対策」として割り切って使うのがベストな選択だと思います。
走った感触:ロードもこなせる万能感
そして実際の「走った感触」ですが、FF BLAST MAXの恩恵でクッション性が非常に高く、林道やロードの繋ぎ区間でも足へのダメージが少ないのが印象的でした。
ソールが硬すぎないため、転がるようなロッカー構造と相まって、重さを感じさせないスムーズな足運びが可能です。
まとめ
良い点
- 防水なのにとにかく軽い
- ギリ普段も履けるデザイン
- グリップ力が半端ない
- ロードもこなせるアシックスらしさ
悪い点
- 値段が高い(定価22000円)
- アッパーの硬さを若干感じる
- フィット感はイマイチ
残雪期のタフな環境から、アプローチのロードまでシームレスに繋いでくれる、非常に頼もしい一足に仕上がっています。
気になっている方は、ぜひ一度足を入れてみてください!