OpenAI、Anthropicと振り返ってきたこのシリーズ、最後はGoogleです。
参考
正直なところ、今年のGoogleを一言で表現するのは難しいと感じています。モデルの進化、エージェント機能、企業向けプラットフォーム、開発者向けツール……あらゆる方向に手を広げながら、しかもそれぞれがちゃんと形になっている。「全部やってやる!」という姿勢がGoogleらしいと感じます😊
私自身、メインで使っているのはClaudeではありますが、研究ではGeminiも併用しています(APIの価格の面ではClaudeではちょっと高すぎて🥲)。特にGoogle AI Studioで簡単に検証ができるというのは、「ちょっと試したい」ときの選択肢としては助かっています。
ただ、今年のGoogleは発表が多すぎて、正直追いきれていない部分もありますが、年末ということもあるので2025年のGoogle AIを振り返ってみたいと思います。
キーワードを一つ挙げるなら、「全方位展開」でしょうか。Geminiモデルは2.5系から3系へと世代交代を果たし、エージェント機能にも本格参入。企業向けプラットフォームを整備しながら、開発者向けツールも着実に拡充してきました。
OpenAIが「選択肢の拡大」、Anthropicが「深さの追求」であるならば、Googleは「タッチポイントの拡大」といえるかもしれません。あらゆるタッチポイントに展開し、AIを浸透させていく。そんな戦略が見えた1年だったように思います。
こちらも抜けがあればコメントなどで教えてください🙇
今年の注目ポイント3選
2025年のGoogleのリリースで特に押さえておきたいトピックを3つ挙げるならば、以下となるでしょうか。
- Gemini 3登場 … 1年で完了した世代交代
- Computer Useモデル … エージェント領域への本格参入
Gemini CLI … 開発者・個人向けツールの充実
Gemini 3登場 … 1年で完了した世代交代 年初の2.0系から、2.5系を経て11月に3系へ。Google史上最も高度なマルチモーダルモデルが登場となりました。12月には高速版Gemini 3 Flashもリリース。
- Computer Useモデル … エージェント領域への参入 UI操作に特化したエージェント用LLM。ブラウザ上でクリック・入力・スクロールを人間のように実行でき、「AIがPCを操作する」時代が現実的になりました。
- Gemini CLI … 開発者・個人向けツールの充実 6月にオープンソースのGemini CLIが登場し、ターミナルからGeminiを直接利用可能に。Gemini Code AssistでのVS Code/JetBrains統合も提供され、開発フローに組み込みやすくなりました。
月別リリース一覧
1月〜2月
| 日付 | リリース名 | 概要 |
|---|---|---|
| - | Gemini 2.0系 | 年初時点での主力モデルとして稼働 |
3月
| 日付 | リリース名 | 概要 |
|---|---|---|
| 3月 | Gemini 2.5 | 新世代モデルとして登場。推論力・マルチモーダル性能が向上 |
4月
目立った発表なし?(Google I/O 2025に向けた準備期間?)
5月
| 日付 | リリース名 | 概要 |
|---|---|---|
| 5月 | Google I/O 2025 | 100件以上のAI関連発表。Gemini 2.5 Flash/Proプレビュー版を公開 |
| 5月 | Gemini 2.5 Flash/Pro プレビュー | I/O直後からGeminiアプリで利用可能に |
| 5月 | Gemini 2.5 Pro Deep Thinkモード | 数学・コーディングの難問に対応する強化推論モード |
| 5月 | Google AI Ultra | 月額249.99ドルの最上位サブスクリプション。最高峰モデル・ツールへのアクセス権を提供 |
6月
| 日付 | リリース名 | 概要 |
|---|---|---|
| 6月 | Gemini 2.5 Flash 一般提供開始 | 企業での本格導入が可能に。Vertex AI/Google AI Studioで利用可能に |
| 6月 | Gemini CLI 公開 | オープンソースのターミナルベースAIエージェント。個人Googleアカウントで無料利用可に |
7月
| 日付 | リリース名 | 概要 |
|---|---|---|
| 7月 | Gemini 2.5 Flash-Lite 一般提供開始 | 最速・軽量版モデル。大量リクエスト処理に最適 |
8月
目立った発表なし?
9月
| 日付 | リリース名 | 概要 |
|---|---|---|
| 9月 | Gemini 2.5 Flash/Flash-Lite 改良版 | 出力トークン効率が向上。Flash-Liteのコスト低減 |
10月
| 日付 | リリース名 | 概要 |
|---|---|---|
| 10月 | Gemini 2.5 Computer Use | UI操作に特化したエージェント用LLM。ブラウザ操作の自動化が可能に |
| 10月 | Gemini Enterprise | 企業向けAIプラットフォーム。ノーコードで自社専用AIエージェントを構築可能 |
| 10月 | Google Skills | AI学習プラットフォーム。ML・データ分析コースを3,000以上提供 |
11月
| 日付 | リリース名 | 概要 |
|---|---|---|
| 11月 | Gemini 3 | Google史上最も高度なマルチモーダルモデル。推論力・視覚理解・コーディング性能が大幅向上 |
12月
| 日付 | リリース名 | 概要 |
|---|---|---|
| 12月 | Gemini 3 Flash | Gemini 3の高速版。Geminiアプリのデフォルトモデル |
注目ポイント詳細解説
1年で世代交代を完了したGemini
2025年のGoogleで一番インパクトのあったのは、Geminiモデルの世代交代でしょう。
2025年の年初はGemini 2.0系が主力でしたが、3月にGemini 2.5が登場し、5月のGoogle I/O 2025でFlash/Proのプレビュー版が発表されました。ここまでは「順当なアップデートだな」という印象だったのですが、後半に入って展開が一気に加速します。
11月に登場した「Gemini 3」は、Google史上最も高度なマルチモーダルモデルと位置づけられています。推論力、視覚理解、コーディング性能のすべてにおいて従来モデルを大きく上回り、12月には高速版の「Gemini 3 Flash」もリリースされました。振り返ると、2.5系から3系への世代交代がわずか1年で完了したことになります。このスピード感は、Googleらしいというべきでしょうか。
モデルの選択肢も明確になってきました。Flash-Liteは最速・低コスト、Flashはバランス型、Proには「Deep Thinkモード」という強化推論モードが存在し、熟考ができるようになりました。「用途に応じてモデルを選ぶ」という発想は、OpenAIやAnthropicと同等になったといえるでしょう。
エージェント領域への本格参入
10月にリリースされた「Gemini 2.5 Computer Use」モデルは、Googleのエージェント領域への本格参入を象徴するプロダクトです。
このモデルはUI操作に特化したエージェント用LLMで、ブラウザ上でクリック、入力、スクロールといった操作を人間のように実行できます。フォームへのデータ入力やWeb情報収集の自動化など、これまで手作業だったタスクをAIに任せられるようになりました。「人間の代わりにPCを操作する」というコンセプトは、AnthropicのComputer Useと同じ方向性ですね。
各社、この領域に注力していることから、2025年は「エージェントがUIを操作する」ということが、より現実味になったといえます。LLMも単にテキストを生成するだけでなく、画面を「見て」「操作する」能力を持つモデルの登場は可能性を秘めています。
開発者・個人向けツールの充実
2025年のGoogleで個人的に嬉しかったのは、開発者や個人ユーザーが手軽に使えるツールが充実してきたことです。
6月にリリースされたGemini CLIは、オープンソースのターミナルベースAIエージェントです。Claude Codeに対するGoogleの回答とも言える存在で、個人のGoogleアカウントがあれば無料で利用できます。コーディング、問題解決、タスク管理など、ターミナルから直接Geminiの力を借りられるようになりました。
MCP連携や拡張機能、Interactive Shellなど機能拡充が続いています。Claude Codeと比較すると、無料で使える点と、オープンソースでカスタマイズしやすい点が魅力でしょうか。私もたまに使用して比較をしています。また、オープンソースであるため、コミュニティによる拡張も期待できる点が魅力です。
おわりに
2025年のGoogleは、まさに「全方位展開」の1年でした🤩
Geminiモデルの世代交代、エージェント機能への参入、企業向けプラットフォームの整備、開発者向けツールの拡充——あらゆるタッチポイントにAIを浸透させていく姿勢が明確に見えた年だったと思います。冒頭でもいいましたが、OpenAIが「選択肢の拡大」、Anthropicが「深さの追求」とすれば、Googleは「タッチポイントの拡大」という表現が当てはまるでしょう。
個人的に印象に残ったのは、Google I/O 2025での発表と同時に使えるというスピード感です。発表だけで終わらず、すぐにユーザーが体験できる状態まで持っていく姿勢は、やはりリーディングカンパニーとしての矜持でしょうか。
基盤は整ってきました。あとはここからどんなアプリケーションが生まれてくるかが開発者としては楽しみな状況です。 オフィススイートや、様々な開発関連プロジェクトもどうやって整理していくかも気になるところです😊
⚠️この記事は2025年12月時点の情報に基づいています。最新の情報はGoogle公式ドキュメントをご確認ください。