ひょんなきっかけで、友人のご家族が貸してくれました。
これまで何度か阿字観瞑想の練習会やマインドフルネスの単発講座へ参加したことはあるものの、日常ではヨガの瞑想や数息観をしてきて、マインドフルネス瞑想を日にちをかけて学ぶのは初めて。
4枚のCDのうち、座って行う30分の瞑想ガイドが特によいと感じています。
実践しながら学んでみると、ジョン・カバット・ジン博士(マインドフルネスを広めた人)が、慢性疼痛(まんせいとうつう:特定できる原因がない、身体内の慢性的な痛み)によるストレスの軽減を目的としていることがよくわかります。
ここでは全体の感想(ヨガの瞑想とマインドフルネス瞑想の違い)のあとに、各内容について触れます。
- ヨガの瞑想とマインドフルネス瞑想の違い
- 約50分のボディスキャン瞑想
- 約30分の座位の瞑想
- 約50分 四つんばい、仰向け、腹ばいのヨガのような運動
- 約40分 立位+座位のヨガのような運動
- マインドフルネスの言葉の説明がわかりやすい
- 脚の付け根に感じる痛みをマインドフルネスしてる
- そういうことってあるよね
ヨガの瞑想とマインドフルネス瞑想の違い
集中の意識の向け方など、手法としてはヨガの瞑想もマインドフルネスもそんなに変わりません。
背後の思想・意識に違いがあります。
マインドフルネスは「いまの身体のつらさにとらわれない」のための瞑想で、ヨガの場合は死後のことまで、生命に対する価値観の範囲が広いという背景があります。
身体の痛みや疼きによってマインドがかき回されていると感じる人に、マインドフルネスはとても良いと感じました。
過去の経験や意識に刻まれた性質・傾向を浄化していくタイプの瞑想ではないので、その場合は瞑想のCDよりも身体を動かすCDのほうが良いでしょう。
約50分のボディスキャン瞑想
仰向けに寝て行う瞑想です。
性別を感じさせない女性の低い声で淡々とガイドされ、とても気持ちが良いです。
ヨガニードラをやったことがある人には、ヨガニードラのボディスキャンだけをじっくり行う50分、サンカルパを唱えないヨガニードラといえば話が早いでしょう。
全身に爽やかな風が通るような感じをイメージさせるガイドがよく、そこらへんまでは意識があるのですが、感想を述べられるほど意識を保てておりません。
(白状する!w)
本の解説には仏教からの引用が多く見られましたが、瞑想のガイドは宗教色ゼロで、日常に取り入れやすい瞑想です。
約30分の座位の瞑想
「いまの心の快適さ」のために、心のあり方をガイドしてくれます。
直接確認しなければわからないことや、その時にならなければわからないこと、直近の失敗について数日後まで頭の中で反芻する癖がある人には、それが自分の中に毒を作り出していることを理解するのに良いガイドだと思いました。
その毒を生成していない状態が、実はバランスのとれた状態なのだと説いてくれます。
約50分 四つんばい、仰向け、腹ばいのヨガのような運動
寝る前に瞑想の代わりにやるとええヨガやで~と、おすすめの内容なのですが、ガイドの時間の左右差が大きく、最初にやる側の時間が長いです。
ここで覚えた動きを10分+30分の座位の瞑想なんて感じで日常に取り入れるとよいかも。
約40分 立位+座位のヨガのような運動
太陽礼拝ができる人ならそんなにつらさはないでしょう。
立位で全身をねじるガイドが良いタイミングで入り、頭がスッキリします。
木のポーズのキープが長く、やっぱりこれは集中・瞑想を促すのに良いポーズなんだなと実感しました。
ヨガの立位のゆったりした動きにありがちな「腕が重く感じる瞬間」の積み重ねがちょっとした拷問です。
(左右の時間差はこちらも少しあります)
マインドフルネスの言葉の説明がわかりやすい
日本語訳を担当されている菅村玄二さんの文章の中に、格別にわかりやすいくだりがありました。
マインドフルネスだけでなく、ファクトフルネスとか、ジョイフルネスとか、いろいろ増えているこれらの言葉の「マインドフルネス」特有のところをしっかり説明してくださっています。
そもそも、マインドフルネス瞑想をはじめとして、今日、瞑想実践や学術的な文脈で使われている “mindfulness” という単語は、もともと英語にあった “mindful” という形容詞を名詞化することで使われるようになった言葉ではなく、英語圏にない言葉を輸入する際に当てられた単語に、あとから意味が付与されていったという背景があります。
(P41 マインドフルネスの意味 菅村玄二 より)
で、この “mindful” についての説明はこの文章の冒頭にあって、これがすごくいい。
東海道新幹線の電光掲示板の以下の英語が例に出されていました。
- 日本語:(キャリーバッグをご利用の際は)周りのお客様の安全に十分ご注意下さい
- 英語の後半表記: please be mindful of other passengers.
この英語の使い方を例に、以下のように解説が続きます。
もちろん、この “be mindful” とは、「注意する」という意味で使われているわけです。英語を勉強しているしている人にとっても、あまり馴染みのない単語かもしれませんが、このような文脈で “mindful” という言葉を用いることは、それほど珍しいことではありません。この単語自体は、「よく覚えている」ことを意味する言葉として、14世紀中頃から使われており、そこから、「心をとどめておく」「心を配る」「気づかう」といった意味でも使われるようになってきました。そのため、冒頭の文章の場合、「注意する」といっても、それは「意識を集中する」という意味よりも、「周りに人がいることを忘れずに、心配りをしながら、キャリーバッグを引くように」というニュアンスになっているといえます。
watch your step の watch でもなく、take care の care でもない。
そして日本人的な「迷惑をかけないように」という自罰的な注意の意識でもなければ、その反動で急に自由という名のもとに自我を解放するような「わたしらしく」でもない。
この領域の説明として、うまいな~と唸りました。
脚の付け根に感じる痛みをマインドフルネスしてる
ここ数ヶ月、右膝が深く正面から胸に近づくと足の付け根に痛みが起こり、違和感をひきずっていました。
それは自転車を漕いでいるときに不意に発火したりします。
銭形警部のようにガニ股で漕げば問題ないのですが、まだデフォルトの挙動が銭形化しておらず、たまにうっかり膝を寄せては、「やっちまった・・・」となっています。
そして瞑想中も同じ部分に痛みが起こるのですが、ガイドの声に沿ってそこに一度意識を向けて、痛みのない足の位置を定め直すという挙動をゆっくり行うと、痛みの部分にマインドフルになれます。
ヨガのポーズの時には一瞬で行なっていることを、わざとゆっくりやる。
45回転のレコードを33回転で回す感じです。
この瞑想をしたら、股関節のある角度への開脚が他の角度に対して柔らかすぎることが見えてきて、股関節が開きすぎないようにヨガブロックを使う(ストッパーにする)、という対応策を見つけることができました。
そういうことってあるよね
上記のような「ある方向に対して柔らかすぎた」という視点は、静かな心で観察しないと得られません。
あらためて本を読み直したら、冒頭にそれが書かれていました。
不思議なことに、自分の問題をあれこれ判断することなく、一瞬一瞬に気づいていると、時間とともに、おのずと問題が解消することがあります。これまでになかった視点で物事を見ることができるようになり、それによって自分の置かれた状況との新しい付き合い方が見つかるかもしれません。
(ジョン・カバットジン博士からの言葉 より)
マインドフルネスが経営の意思決定層に流行する(あるいは流行らせたいとされる)のは、これなんでしょうね。
* * *
この本は、うちにあるディーパック・チョプラ氏のヨガの本を友人に貸したら、彼女のお母様から「ディーパック氏の本を読んでいるお友達に貸して差し上げなさい」と、返礼的に回ってきました。
人生後半のヨガや瞑想との付き合い方にポジティブなきっかけを加えてもらえて、たいへんありがたい機会でした。