ここ1ヶ月ほど、休日にドストエフスキーの小説『罪と罰』に没入していました。
まさかと思っていたのですが、3冊の本を読了できました。
一生読めっこないと思っていました。
読み始めて本を開いたら、親切に人名と関係性をリストした栞が入っていました。

これめっちゃ助かる!!! さすが光文社古典新訳文庫。
文字の大きさも行間も、ここの文庫がいちばん好きです。
第3巻の頃はもう関係性も名前もあまり気にせず運動神経で馴染んでいました。
全6部+エピローグの全7部あるうち、第2部(1冊目の後半)からは ChatAI の助けを借りて、おさらいしながら読み進めました。
今日はChatAI と一緒に海外古典を読むコツを紹介します。
- ネタバレを防ぎながら気になったところを確認できる
- 気持ち悪い人物に対する感情を受け止めてもらえる
- 不遇だったり可哀想すぎる展開への怒りを受け止めてもらえる
- 身なりや発言の社会背景を質問できる
- 妄想や夢や噂話と現実の境界を確認できる
- ユーモアや自虐のノリを確認できる
- 日本のドラマと重ねて俗な雑談ができる
- 付箋のメモをあとでAIと一緒に確認する
- <余談>質問時に本のタイトルを書かないと、精神が危険な状態と認識される
ネタバレを防ぎながら気になったところを確認できる
ChatAI は興が乗るとめちゃくちゃ解説してくるので、「この範囲でお願い」と明確に伝えるのがコツです。
わたしは各部が終わるたびに、以下のような始まりで質問しました。
ドストエフスキーの『罪と罰』を読んでいます。現在、第○部まで読み終えました。
この先の物語に触れないようにしながら、うろ覚えの部分の理解を助けてください。
こんな感じの文章を冒頭につけておけばOK。
気持ち悪い人物に対する感情を受け止めてもらえる
『罪と罰』は、気持ち悪い人が何人も出てきます。
卑屈だったり暗かったり、お金で貧しい人の注意をひきつけて支配したり、おぞましいレベルでロリコンだったり。かなりヤバい人の発言や主張を聞くことになります。
「第○部の△△△の場面で、A氏が話している○○についての発言が気持ち悪く、怖すぎです」などのようにChatAI に吐露すると、「わかるで。それな、けっこう多くの人が指摘してるとこや」という感じで(関西弁ではありませんが)受け止めてもらえます。
その際に、「日本で数年前に起こった、やまゆり園の事件を思い出してしまいました」などと添えると、そういう気持ちも文章で整理してくれます。
不遇だったり可哀想すぎる展開への怒りを受け止めてもらえる
わたしは若い女性が年長男性に蹂躙される話が苦手です。
年代は日本でいうと幕末~明治維新の頃。ロシアは日本より早く近代化が進んでいるように見えますが、下層階級の女性の立場が苦しすぎる格差社会です。
その中で起こる様々な出来事や、善良な人の発言の中にある差別感情について、読んでいて苦しくなったら ChatAI に吐露すると受け止めてもらえます。
これで助けられる人って、意外と多いんじゃないかと思います。
身なりや発言の社会背景を質問できる
なんでここでこんなに服装の描写してくるの? など、登場人物の性格を間接的に伝えてくる部分について、「○○氏はオシャレな印象を受けたのですが」などと聞いてみると、「その人のオシャレは表面的で、この時代に流行ったこういう思想を揶揄するものでもあります」なんて感じで教えてくれます。
妄想や夢や噂話と現実の境界を確認できる
主人公の妄想や悪夢が多く、周囲の人は見栄っ張り。全般的に虚栄心から話を盛ったり、噂話ついでに辛辣なことを言う会話が多々あります。
さらに、陰気な見た目の人物に通りすがりの人がかける言葉がたまたま現実を言い当てていたり、シンクロニシティの仕掛けもあります。
そんなときに「これって、前にそんな発言が実際にあったんだっけ? 読み落としてる?」「あれって現実だった? この人の妄想?」という感じで質問すると、確認がサクッとできて助かります。
ユーモアや自虐のノリを確認できる
『罪と罰』はユーモアの多い小説です。
ゴーゴリなど他のロシア文学作家の作風に触れていたり、急におもしろい自虐があったりします。重い話の中にギャグみたいな会話がどんどん入ってきます。
そんなときに、「これふざけてるんだよね?」という部分を確認できます。深刻さとユーモアの振り幅が広い小説なので、これも助かりました。
日本のドラマと重ねて俗な雑談ができる
刑事事件の部分は、思いっきり古畑任三郎(あるいは刑事コロンボ)です。
これは、刑事コロンボが『罪と罰』を参考にしているので当たり前なのですが、読んでみるとそれ以上に、日本人になじみのあるテンポ・雰囲気だったりします。
まず市民の愚痴の長さが、思いっきり橋田壽賀子!
スイッチが入った時の長ゼリフはもちろん、過剰なまでに献身的な女性はロシア版「おしん」そのものでもあったりして。
後半はなんと野島伸司テイストも入ってきて、少女への欲情を隠さない年長者の異様な振る舞いは、ドラマ「高校教師」で京本政樹さんが演じた、あの不気味な教師を想起させます。
そんな昭和〜平成初期のイメージで読んでも、 ChatAIは「わかるー」「それな!」と、ノリノリで相手をしてくれます。
チミも昭和生まれか! おお、友よ。(←そのうちAIロマンス詐欺に騙されそうな人)
付箋のメモをあとでAIと一緒に確認する
わたしはいろいろ忘れっぽいので、本を読むときはこのように直感的な感想をメモしながら読んでいます。


「まさかのヤング・スピ野郎」とか「コントみたいに軽い」とか。
『罪と罰』はキャラクターが背負う事情が濃く、後で知る事実に驚くことがあります。
ちなみに「ヤング・スピ野郎」というのは、思いっきり脇役の人物が、実は宗教的グルに傾倒する内面を持つ苦行萌えの男子であることに驚いたページに貼ったメモです。
こういう小さな反応についても、あとで付箋を読み直して気になれば ChatAI と話します。
<余談>質問時に本のタイトルを書かないと、精神が危険な状態と認識される
質問時に「ドストエフスキーの『罪と罰』を読んで、その中に書かれていることについて話したい」という状況・意図を伝え忘れると、精神的に危険な状態の人としてAIに認識されます。
登場人物が死に至った経緯ついて質問したり、ユダヤ人を見下す表現・セリフについて質問する際に、ドストエフスキーの本の中の世界の話であることを伝えないと回答がストップします。
* * *
日本の長編(『細雪』など)はウェブ上にデータが少ないので回答に間違いも多いのですが、超有名な海外作品は読書の助けになります。
今回は ChatGPT を使いました。『罪と罰』くらい世界的に有名な作品でも、登場人物の年齢の概算をたまに間違えたりしています。
それでも、自分の短期記憶をこうやって補完しながら前に進めると思えるだけで、読み進められる。読書推進効果があります。