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勝手にふるえてろ 綿矢りさ 著


なんというおもしろさだろう。天才か。比喩の応酬でここまでわんこそば気分になったのははじめて。
わたしは蕎麦アレルギーだから蕎麦を食べたことがないけど、きっとわんこそばってこんな感じなのでしょう。
この主人公の妄想スピードとそれを文章で拾い上げる緻密さは、わたしの一生分の脳ミソを集めてもかなわない。「好きな人」と「好きではない人」への対応時の脳内チューニング描写がすごい。この小説は共感したといったらきっと「うわ、あなた普段そんなこと考えてるの性格悪い」と言われそうなほど痛い内容なのだけど、こういう値踏みも調整も補正もしてきたよ。あなただって、してきたでしょ?


わたしはストーリーどおりの「26歳の処女はこれだからめんどくさい」みたいな読みかたにならず、根幹にあるのは恋愛経験とかこじらせとかの話ではないように見えました。会話の中で起こる支配関係を「もしも中国最強の卓球のダブルス試合実況を全盛期の古舘伊知郎がやったら」みたいな感じでギャグマンガみたいに書いているけど、「うわー。あるー」と思うこと多数。
好きな人には好かれなくて、そうでない人に好かれる。という経験は恋愛以外の場面でもある。その対比の書きかたが「実はシンプルな相対評価」であったり。人間そんなもの。


それにしても。
経理の女性が営業の男性を見るときの

伸びたスポーツ刈りの髪を整髪料でかためている、目鼻立ちのはっきりした、できたての弁当の底みたいなほかほかしたあつくるしいオーラの男性

なんていう、それ絶対に会社にいるじゃんという人物描写を毎ページの勢いで挟んでくるからおどろき。
ほかの小説家とは圧倒的に持っている比喩の弾数が違う。とにかくその数に圧倒される。おもしろいよ。笑えるよ。こわいよ。これは恋愛心理ホラーかも。
主人公の同僚の女性に立場を重ねてみたら、これまた別の読み方ができる小説だと思いました。


▼紙の本

posted with amazlet at 16.05.17
綿矢 りさ
文藝春秋 (2012-08-03)


Kindle

posted with amazlet at 16.05.17
文藝春秋 (2012-11-16)




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