2018-08-19 朝 志樹逸馬 文学 朝 志樹逸馬 海辺の芝草をサクサク踏んで だれにも気づかれず 朝はやく 露にぬれたなぎさに 近よる 自然が だれにも 見られているという 意識をもたない 静かなすがたでいるところを そっと 足音をしのばせて 近よって ながめたい ながめる わたしは この時 とてもうれしい 美しい なつかしい 幸福だと思う わたしも この世界にふさわしいものとして ひとつの位置のあることを 感じる (1954・8・8)