日刊スポーツ 2025年12月20日
【政界地獄耳】「核持つべき」安全保障担当のオフレコ発言、政権は本気で火消しを考えているのか
★とにかく筋が悪い。個人の見解だと断り、オフレコを条件に記者を集めて「日本は核兵器を保有すべきだ」「非核三原則の見直しには政治的な体力が必要になる」「最終的に頼れるのは自分たちだ」「コンビニで買ってくるみたいにすぐにできる話ではない」「現在、政権内で日本の核保有をめぐる議論をしているわけではない」などと持論を展開。平場の議論を避け、国会が閉じたとたんに言い出すなどは姑息(こそく)すら感じる。
★首相・高市早苗を起因として揺れている対中関係が複雑な時期に官邸内からの発信は「個別の報道の逐一についてコメントすることは差し控えさせていただきます。政府としては非核三原則を政策上の方針として堅持しているということは申し上げておきます」と官房長官・木原稔は言わざるを得なくなった。高市は「非核三原則」見直しをテーマに据えている。しかしながら木原は勘違いも甚だしい。これは個別の報道ではなく、首相側近の戦後政策を大きく変換する重大な発言で、安全保障担当として首相への助言をする官邸幹部の発言・発信にほかならず、これこそ官房長官が逐一丁寧に国民に答えるべきものだ。そもそも、核武装などの発言を「個人の感想」などとしてペラペラと記者の前で話すこと自体が、官邸の方針としてあるならば、この内閣自体が存立危機状態にある。
★19日の朝刊報道にいち早く反応したのは前防衛相・中谷元。「政府の立場として個人的な意見を、軽々に言うということは控えるべきであって、発言が公になった以上、しかるべき対応をしなければいけない」と更迭を示唆した。被爆地・広島が選挙区の公明党代表・斉藤鉄夫も「驚きと怒りを感じる。罷免に値する重大な発言で、適格性を欠いている」と批判した。強い怒りを持った発言をしたのはこの2人ぐらい。いつもはSNSを主戦場に活躍する議員たちも静かだ。立憲民主党は反応が鈍く、同日の定例会見で党代表・野田佳彦が「早急にお辞めいただくということが妥当ではないかな」と、相変わらず高市政権に甘々の対応を見せた。官邸は本気で火消しを考えているのか。炎上しても話題になればいいとの考えか。(K)※敬称略
https://www.nikkansports.com/.../news/202512200000026.html