マムダニ次期NY市長、トランプ氏の新たな好敵手
2025年11月07日
【ワシントンAFP=時事】ドナルド・トランプ米大統領にとって、新たな政敵とやり合うことを何よりも好むが、果たしてニューヨーク市のゾーラン・マムダニ次期市長(34)は、好敵手として認められたのだろうか?(写真は米国のゾーラン・マムダニ次期ニューヨーク市長〈左〉とドナルド・トランプ大統領)
共和党のトランプ氏と若き民主社会主義者マムダニ氏による注目の対決は、第2次トランプ政権のこれからを決定づけるかもしれない。
トランプ氏はマムダニ氏を自身の引き立て役として気に入ったようで、米国最大の都市を率いる初のイスラム教徒・南アジア人となるマムダニ氏を「共産主義者」と断じ、名前をばかにし、ニューヨーク市への連邦資金提供を削減すると脅迫している。
一方のマムダニ氏も、自分の土俵でトランプ氏をあしらえることを示した。
かつてリアリティー番組のスターだったトランプ氏が出し抜かれることはめったにないが、マムダニ氏は4日夜の勝利集会で成し遂げた。
「ドナルド・トランプ、あなたが見ているのは分かっている。だから一言だけ言わせてほしい。音量を上げてくれ!」と大歓声の中で述べた。
ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は翌日、トランプ氏に随行して大統領専用機エアフォースワンに同乗していた記者団に対し、トランプ氏が実際にマムダニ氏の演説を見ていたことを認めた。
■「全員を突破しなければならない」
トランプ氏とマムダニ氏は、少なくとも部分的には、互いを敵とすることにメリットがある。
急進左派のマムダニ氏は、市長選の選挙戦を通じてトランプ氏を「ファシスト」と非難し、億万長者の不動産王であるトランプ氏を、ニューヨーカーを「食い物にしている」地主たちになぞらえた。
さらに、大統領としての権限を極限まで行使し、民主党が支配する都市に州兵を派遣したトランプ氏に対する抵抗勢力の一員として自らを位置付けている。
マムダニ氏は勝利集会で、「私たちの一人に手を出すなら、私たち全員を突破しなければならない」と述べた。
ここ数か月、トランプ氏に痛烈に批判されても、勝利のメッセージを見つけるのに苦労してきた不運な民主党にとって、マムダニ氏は待望の反撃ののろしとなる。
一方、多くの右派も、トランプ氏がたたくべき理想的な相手を手に入れた。
■「赤信号が点滅」
トランプ氏は、愛する故郷ニューヨークを、ロサンゼルスやシカゴにしたのと同様、連邦政府の標的にすると繰り返し警告してきた。
トランプ氏は6日、大統領執務室で記者団に対し、「彼が共産主義者なら、たくさんの活動はしないだろう」「だから、ニューヨークのために計画されていた橋やトンネルなどは必要なくなる」と述べた。
一方、一部の支持者は、共和党の支持率を低下させている家賃高騰危機を追い風に台頭してきたマムダニ氏に狙いを絞ることで、危険なまねを出しているのではないかと懸念している。
第1次トランプ政権で大統領首席戦略官を務めたスティーブ・バノン氏はポリティコに対し、「トランプ氏にとっては、至る所で赤信号が点滅しているはずだ」「やっかいな状況に対処しなければならないことをもっとよく理解すべきだ。この男は一筋縄ではいかない」と述べた。
トランプ氏とマムダニ氏は共に、最終的に頭を冷やす用意があることを示唆している。
トランプ氏は、ニューヨークを愛しているので「彼を成功させたい」と述べながら、マムダニ氏に「ワシントン(連邦政府)をもう少し尊重してほしい」と促すなど、態度が定まっていない。
一方、マムダニ氏も、トランプ氏がニューヨーク市への連邦資金提供を削減した場合、無料市営バスの運行、保育サービスの提供、市営食料品店の設置といった自身の選挙公約の実現が難しくなることを認識しているはずだ。
マムダニ氏は5日、「ニューヨーク市民に奉仕するためにどのように協力できるかについて、トランプ大統領と引き続き協議していきたい」と述べた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕