白人至上主義者、フィットネスクラブで結束「暴力を通じて同胞愛育む」 スウェーデン
2025年10月31日
【ストックホルムAFP=時事】スウェーデンで30日、ヘイトクライム(憎悪犯罪)と移民(在留外国人)への暴行の罪で起訴された4人の男の裁判が始まった。この事件は、白人至上主義者がフィットネスクラブで結束する傾向が強まっていることを浮き彫りにしている。(写真は、米バージニア州シャーロッツビルで、反対派デモ隊と衝突する白人至上主義者らによる集会の参加者。資料写真)
検察によると、4人は「アクティブクラブ」のメンバーだった。アクティブクラブとは、ジムで集まり、白人至上主義のイデオロギーを推進することを目的とした、緩やかなつながりのグループだ。
米国のネオナチ組織「ライズ・アバブ・ムーブメント(RAM)」の創設者、ロバート・ルンド氏が欧州逃亡中、アクティブクラブの構想を思いついた。RAMは、2017年の米シャーロッツビルでの事件にも関与した。
スウェーデンでは、「アクティブクラブ・スウェーデン」のメンバーが、上半身裸で筋肉を誇示する写真をソーシャルメディアに投稿している。
彼らは、スウェーデン国旗に使われている青と黄色の目出し帽で顔を隠し、アクティブクラブのエンブレムが描かれた黒い旗を掲げている。
30日に裁判にかけられた4人の男(いずれも20代)は8月27日深夜すぎ、ストックホルム中心部で移民を暴行した罪に問われている。
■ナチス式敬礼
グスタフ・アンダーソン検事はストックホルム地裁で、「外国出身者が無作為に選ばれ」、襲撃されたと説明。4人のうちの何人かが「ナチス式敬礼をする場面が防犯カメラに捉えられていた」と述べた。
検察によると、4人はまず黒人男性の顔を傘で殴りつけ、人種差別的な言葉を叫んだ。その後、シリア出身の男性を襲撃し、地面に押し倒して意識を失うまで頭を蹴り続けた。
4人のうち3人はさらに、地下鉄の車内で男性を暴行したという。
スウェーデン暴力的過激主義防止センターが公表した文書によると、アクティブクラブのメンバーは「暴力を通して男らしさを取り戻し、体力を向上させ、他の男性たちと強い同胞愛を育み、互いに支え合うことを望んでいる」という。
スウェーデンの人種差別監視団体エクスポによると、彼らはジムの外で、移民、フェミニスト、ユダヤ人、性的少数者(LGBT)らに対して暴力を振るうことを奨励されている。
3人に地下鉄で襲撃された被害者は法廷で、「ひどく殴られた。考える間もなく、助走をつけて全力で殴られた」「激しい憎しみを感じた」と語った。
4人は起訴事実を否認している。
■極右過激主義の原動力
AFPが入手した予備調査報告書のコピーによると、4人から押収されたノートには、かぎ十字が描かれ、「スウェーデンを愛せ、イスラム教を憎め」と書かれたステッカーが貼られていた。
証拠として提出された写真には、4人のうち1人が勾留中、テーブルにナチス・ドイツに言及するものと見られる文字を彫っている場面も写っている。
エクスポの研究員、ヨナタン・レマン氏はAFPに対し、「スウェーデンは北欧の極右過激主義の原動力となっている」と語った。
アクティブクラブ・スウェーデンは、北欧諸国やバルト3国のアクティブクラブと緊密な関係を維持している。
レマン氏によると、アクティブクラブ・スウェーデンは、多くの場合20代前半の「非常に若い人物」が支部を率いており、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を通じて10代の若者を勧誘し、暴力的な人間に仕立て上げると公言している点が際立っているという。
レマン氏は7月、ヨハン・フォシェル移民相の16歳の息子もアクティブクラブ・スウェーデンのメンバーだと明らかにした。
右派穏健党所属のフォシェル氏は激しい批判にさらされたが、息子がメンバーであることを知らなかったと主張した。
スウェーデンの情報機関SAPOは、暴力団や極右団体に引かれる若者が過激化するリスクについて警告している。
SAPOの活動責任者であるフレドリック・ハルストロム氏は年次報告書で、「暴力的過激派のアクティブクラブは、欧州で広がっている現象だ」と述べた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕