ロシア前大統領の米国批判にトランプ大統領「原潜が射程に」 SNSで応酬
アメリカとロシアのSNS上での応酬が核を使った威嚇にエスカレートしています。トランプ大統領は「アメリカの原子力潜水艦2隻がロシアへの射程に入っている」と発言し、さらに圧力を強めています。
「核に関する発言については、誰もが非常に、非常に慎重であるべきだと考えています」
4日にロシアのペスコフ報道官が苦言を呈したのは、アメリカ・トランプ大統領が1日にSNSで投稿したこの発言に対してです。
「挑発的な声明を受けて、原子力潜水艦2隻を適切な海域に展開するよう指示しました」
「適切な海域」とは、ロシア近海とみられます。
「(原子力潜水艦は)すでに射程に入っています。そうならなければなりません」(3日)
事の発端は、ロシアにウクライナとの停戦合意を迫るトランプ氏に反発した、メドベージェフ前大統領が先月29日にSNSで投稿したこの発言です。
「トランプはロシアに対して最後通告ゲームをしています。新たな最後通告は脅威であり、戦争への一歩となります。“スリーピー・ジョー(バイデン)”の轍を踏むな」
トランプ氏が毛嫌いしているバイデン前大統領の名前を出して挑発したメドベージェフ氏。これにトランプ氏が反応。2人のやり取りはエスカレートしていきます。
トランプ大統領(SNSの投稿・先月31日)
「言葉に気をつけるように伝えて下さい。非常に危険な領域に踏み込んでいます」
メドベージェフ氏のSNSの投稿(SNSの投稿・先月31日)
「デッドハンド(自動核報復システム)がどれほど危険かを考えればよい」
トランプ大統領
「(原子力潜水艦の展開は)国民の安全を守るという観点から行ったことです。ロシアの前大統領から脅迫されたました。我々は国民を守るつもりです」(1日)
2008年、任期満了で大統領を退いたプーチン氏に代わって、ロシアの大統領に就任したメドベージェフ氏。4年後、再びプーチン氏が大統領に返り咲くと、2012年から2020年までは首相におさまり、現在は国家安全保障会議副議長を務めています。
慶應義塾大学 鶴岡路人教授
「(プーチン氏は)自分に歯向かわない人を代わりの大統領にした。(メドベージェフ氏と)本当に密月なら、もうちょっと要職につける。今は国家安全保障会議副議長。実質的な権限は、ほとんどないと言われています。ただ、一度ではあってもロシアの大統領を務めた人物ですから、やはり本人としても発信を続けたい」
かつて日本に挑発も ロシア前大統領の真意は?
近年、過激な発言が目立つメドベージェフ氏。日本に対しても、岸田文雄前総理が北方領土問題を解決する平和条約締結の方針を表明した際は…。
「日本人の感情は知ったことではない。ロシアの領土だ」
「悲しむサムライは、伝統的な日本の手法で人生を終えればいい。切腹だ」
こうした発言について専門家は「今でも政治の中枢にいる」「過去の人ではない」というアピールだと分析しています。
一方、トランプ氏の原子力潜水艦派遣を命じる投稿については…。
鶴岡教授
「何かあった時に、常に核ミサイルを世界中どこに向けてでも発射することができる。この体制をアメリカはずっと維持してきている。アメリカの(原子力)潜水艦がどこにいるか最高度の機密事項です。核兵器の運用という非常に機微な問題に関して、SNS上での売り言葉に買い言葉みたいな形で、アメリカ大統領が事態をエスカレーションさせたように見えてしまった」
(「グッド!モーニング」2025年8月5日放送分より)