「自衛隊の旧日本軍回帰」 前川 喜平 現代教育行政研究会代表
(東京新聞 2025/5/4 「本音のコラム」)
日英伊で開発中の次期戦闘機の呼称を、旧海軍が計画した戦闘機と同じ 「烈風」とする案が防衛省内で検討されているという。事実上の空母である「かが」も、ミッドウエーで沈没した空母「加賀」と同じ艦名だ。
陸上自衛隊第32普通科連隊は「近衛連隊」を自称し、「X」に「近衛兵は常に輦下(天皇の膝元)を護衛し」から始まる「近衛兵の精神」を載せていた。沖縄の第15旅団はホームページに、沖縄戦で住民に夥しい犠牲を強いた牛島満司令官の「秋待たで枯れ行く島の青草は皇国の春に甦らなむ」という辞世の歌を載せていた。中谷元防衛相は「平和を願う歌」だと答弁をしたが、そんな解釈はあり得ない。同旅団は牛島司令官の軍服も駐屯地で展示していた。
安倍晋三元首相の国葬では、陸上自衛隊中央音楽隊が「国の鎮め」という戦前の軍歌を演奏した。靖国神社の「英霊」 に捧げる歌だ。同じ国葬で演奏した「悠遠なる皇御国」は、2019年に同音楽隊が作った曲だ。
自衛隊の旧日本軍への回帰の傾向が強まっている。旧日本軍は「皇国」を守るためなら平然と国民を犠牲にした。その旧日本軍へ戻ろうとする自衛隊が国民を守るだろうか? 日本国憲法下の自衛隊は、旧日本軍とは完全に断絶した組織だ。「国を守るため国民は犠牲になれ」などと言わせてはならない。