赤字国債1200兆円の日本
我が国がこのまま財政再建から逃げ続け、日銀による〝事実上の財政ファイナンス〟を続行すれば、早晩、円安のさらなる加速を招き、高インフレが止められなくなるかもしれません。
日銀に低利の国債を抱えさせ続ければ、確かに国の財政運営のほうは利払費が増えずに済むので何とか回し続けられるかもしれません。他方、日銀のほうは、抱え込む国債の表面金利(クーポン)が低くなればなるほど、赤字や債務超過になりやすく、その幅が大きくなりやすくなります。そこで、日銀がインフレ抑制に必要な利上げをしなければ、日銀は赤字や債務超過に転落することは確かにありません。そうすれば、国民の痛みを伴う増税・歳出カットを国会で決めることから逃げ続けることもできますが、日銀が必要な利上げをしなければ、結局は高インフレが放置されることになって、国民負担はなし崩し的に増大することになります。
円安が〝臨界点〟を超え、高インフレが止められなくなり、これまで呑気なことこのうえなく暮らしてきた我が国においてもついに、大増税や大規模な歳出カットが迫っていることが認識されるようになれば、国外への資金流出が一段と加速することになるかもしれません。これは、国際的な資本移動が自由な開放経済体制の下で財政破綻に見舞われた国がたどる共通のパターンです。
そうなれば、これまでの財政破綻国と同様、我が国は資本移動規制をかけ、いわばお金が海外に逃げていかないように、財政運営のバランスを回復できるまで、〝鎖国〟状態を迫られることになります。その代償として、我が国の企業は、グローバルな経済活動に重い足かせをはめられることになるでしょう。
(2025年1月発行 『持続不可能な財政』河村小百合+藤井亮二)