こんにちは、チャバティ64です。
仕事はお茶の販売をしています。
BASEの「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というショップを趣味で運営しています。
よろしくお願いします。
本日も連続小説をお送りします。
最後のラブレターをもらった奥さんは決心した。
この場所で家族を守り抜くと。
故人の思いは届くのか。
そして援軍が現れる。
いよいよクライマックス間近となりました。
第八話スタートです。

(父さん、あっぱれじゃ!)
子供たちの将来を考える連続小説
第四章ドライバー?「土下座のムコウ」第八話
(この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)
行く道は涙に濡れ、
行く道は嘆きにあふれ、
行く道は悲しみの数だけ続く
・・・「DRIVER」
《本編》
「とうさん」「とうさん」兄Aも兄Bも続けて父を呼んだ。
奥さんは言った。
「私はこのお金でここを買います」
「義母さんは弟さんの所へ行くんですよね」
「お姉さんには分配した財産と同金額をお渡しします」
「それでよろしいんですよね」
「叔父さんは立会人として御了承いただけますか?」
叔父(故人の父の弟)は、不動産業を営んでいて近所に住んでいた。
縁が無くひとり身だが「独身貴族」だと、いつも言っている人だ。
ずっと黙っていた叔父が口を開いた。
「俺でよければ喜んでやらせてもらうよ」
「土地と家の鑑定はあらかた済んでて、銀行の見立てでも2,500万がいいとこだ」
「あんたが買うってことでいいんだな?」
「ハイ、お願いします」
奥さんはニッコリ笑った。
続いて叔父が言った。
「甥っ子が先に逝っちまうなんてな」
「でも、こいつもきっと喜んでるよ」
「あんたも大変だった、よく我慢したなぁ」
義母や弟がバツ悪そうに目を泳がせていた。
「俺はな、兄貴(故人の父)に大恩があるんだ」
「兄貴と10才以上違うんだが、親父もおふくろも早く死んでな」
「俺のことは兄貴が面倒見てくれたんだよ」
「畑を耕して稼いだ金で大学まで出してくれてなぁ」
「なんか手に職を付けろって言われて、宅建の免許も取らせてもらったんだよ」
「免許は取ったけど仕事がなくて、兄貴の友達に土地を紹介てもらっては、商売にして、それで不動産屋が軌道に乗ったんだよ」
「若い頃からずっと働きっぱなしで、それで寿命が縮んだんじゃないかと今でも思ってる」
「きっと俺が働かせたんだよ、学費のためにな」
「不動産屋が軌道に乗ったころ兄貴に聞いて見たんだ、もう少しのんびりしたらどうだ?なにか楽しみは無いのかって?」
「そのときに兄貴が言ったんだ」
「家族揃って畑をやるのが生きがいだって」
「娘と息子が増えたからもっと頑張らなくちゃって」
「でも、毎日楽しくて仕方がないって」
「こいつが後を継ぐって言ったって、ずいぶん喜んでたよ」
「楽しくやるのが農業だって兄貴いつも言ってたから大変だったろうにな」
「その兄貴の息子に、なんの恩返しも出来なかった」
「それだけが残念だよ」
「だから、俺が出来ることだったら遠慮なく何でも言ってくれよ」
叔父は故人の布団をポンポンと叩きながら言った。
「こいつの見舞いに行った時に、この話をしたんだ」
「そうしたらこいつ泣いてたよ」
「その時に、これを預かったんだ」
叔父は内ポケットから白い封筒を取り出し奥さんに渡した。
奥さんはそれを受け取って開けようとしたが、びっしり糊付けされていた。
ハサミを持ってきて切り、みんなの目の前で広げた。
もちろん、内容を見るのは叔父も初めてだった。
それは、死亡保険1億円の相続に関するものだった。
内訳 妻 4千万円
兄A 2千万円
兄B 2千万円
モカ 2千万円 とする。
分け隔てなく家族を愛する故人ならではの配慮であった。
叔父が言った。
「兄貴にそっくりだ」
「あとは俺にまかせろ、安心して親父のとこ行ってこい」
故人の布団をポンポンと叩いた。
本多は「人はみな、思い出によって人生が出来ている」と思った。
楽しかった思い出
つらかった思い出
悲しかった思い出
嬉しかった思い出
人それぞれ印象深く残った感じ方によって、いい思い出にもなり、悪い思い出にもなる。
振りまわされる人
勇気づけられる人
心の支えとする人
【同じ時間を過ごしても、とらえ方でこうも違うのか?】
本多は、この家族には特にそういう印象を受けた。
今日のお話はここまでです。
このお話は明日に続きます。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。