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出張先での古書店巡り

今月は,ほとんど関東地区で出張でした.で,宿泊地近辺もしくは出張先近辺の古書店に自然と足が向かってしまうのですが,かなり買いこんでしまいました.

  • 「別冊現代詩手帖第二号 ルイスキャロル アリスの不思議な国あるいはノンセンスの迷宮」(定価640円のところ,500円で購入)

http://books.yahoo.co.jp/book_detail/04997629
表紙が,アリス・リデルの有名な写真に若干の彩色をしたもので,綺麗です.澁澤龍彦とも親交の深い野中ユリによるものらしい.

  • 「妖怪百物語絵巻」(定価3500円のところ,1900円で購入)


あの湯本豪一さんが国書刊行会から出した本です.アマゾンでは「ただし、解説はよく妖怪図鑑とかに出ているようなことが
書いてあるだけで、あまり絵の解説にはなっていません。」って書かれてますが,とんでもない.同じ妖怪譚が複数の絵巻に載っているのをわざわざ絵も解説も並列に紹介してくれていて,その差異についても指摘しています.とても面白いです.

  • 「ホットゾーン」漫画版(定価1000円のところ,500円で購入)

セブン&アイの総合通販サイト|オムニ7
原作のリチャード・プレストンの小説に比べ,案の定,あんまり怖くありません.絵はグロくなってますが.
それでも漫画家の画力がまぁそこそこなので,そこそこ楽しめます.
でも,小説版の冒頭の飛行機での発作が最高に恐怖だったのですが,そのエピソードが無くなっているのは,原作者のせいですね.

  • 「季刊 怪」第零号〜第三号(定価1000円のところ,500円で購入)

怪 (ムック) - Wikipedia
水木しげる荒俣宏中沢新一...といった大御所(?)はともかく,京極夏彦宮部みゆきと言った実力派小説家が寄稿してくれているのが嬉しいです.中には,翻訳版ですが,かのトンデモ怪人物カルロス・カスタネダ」の名前も.

  • 野口英世の生涯」(定価1000円のところ,100円)

2005年の発行なのに,ISBNコードが付いていない不思議な本です.でも私の知る限り内容は正確で,写真や図も豊富な上,参考文献も充実しています.医学用語も正確ですし,日本の子供向け野口伝記によくある「偉い人」という書き方はもちろんしていなくて,頭は良く努力家だったが,ひねくれているは女遊びはするは借金魔だと酷い青年だったと,莫大な書簡を引用して記しています.晩年はずいぶん高潔になったとも.以前に買った,偉人に隠れた偉大な妻の話の本とも内容が一致していていました.

  • 「アリス幻想」(定価2600円のところ,2500円)

http://www.omega-swiez.co.jp/detail.php?&serial=506450

イラストレータが多く参加していて,ビジュアル的にとても面白かったです.日本語訳されている「アリスの〜」のイラストは,だいたい載っていましたし,作画者が寄稿したりしていました.ドジソンの撮った写真や彼によるイラストも載ってます.寺山修二による「影の国のアリス」なる短編小説まで.

  • 「スナッフ・フィルム追跡」(定価705円のところ,350円)

扶桑社

あくまでノンフィクションと称していますが,原作が悪いのか訳が悪いのか,話ができすぎていて小説としか思えません.フィクションだと思えば面白いです.面白いゆえに,あんがい本当にノンフィクション(もしくは,ノンフィクションを元にした話)なのかもと思ってしまいます.


ちょっと堅い文体で私のような専門には良いのですが,一般の人には読みにくそうです.心理学用語や哲学用語がずいぶんと多かったり,ハッサンをずいぶん持ち上げていたり.でも,有名な過去の心理学実験(主に,現代ではできないようなもの)の紹介が多くまとめられていて,勉強になると思います.

  • 「カルトか宗教か」(定価660円のところ,350円)


あの竹下節子さんが,今までの著書どおり,フランスと対比させて日本のカルト宗教について書かれた本.一般向けなのか専門家向けなのか中途半端になっているような気もしますが,逆に言えばどちらの立場の人にも勉強になる本だと思いました.

  • 「ジャーナリズム崩壊」(定価740円のところ,350円)


いわゆる「マスゴミ」に対するフリーのジャーナリスト(執筆当時)の批判本.なんか,著者が属していたアメリカのマスコミ界への賛辞に満ちているのがちょっと気にはなりますが,作者が延々と説いている「article(記事)は著者の署名あるべき」という論は,私の持論でもあるので,なかなか痛快でした.
特に,フィクションっぽいけど,作り話だろうが事実だろうが,面白かったエピソードのうちの一つは,こんな感じです.

ベトナム戦争当時,ワシントン・ポスト国務省担当者が,キッシンジャーから国務省に関する機密情報を教えてもらった.だが,記事にするには条件が付帯されている.それはソースがキッシンジャーであることを伏せるというものであった.
(中略)
ついにブラッドリーは「政府高官」での掲載を認める.記事中のソースは全て政府高官の情報による,と書かれている.キッシンジャーの氏名は約束通り,一切使用されていない.

ただ,記事中にはひとりの男の写真が掲載されていた.そのキャプションには「政府高官」とあり,写真はキッシンジャーのものだった.

これが米国のジャーナリズムだ.

何月何日の号か記されていないので確認が取れないのですが,話は上手です.

  • フロイトと作られた記憶」(定価1500円のところ,600円)


フロイト精神分析論が古いことを認めつつ,多くの誤解,フロイト夢分析催眠療法や性的記憶が全てと書いた論文を主張したことについて,のちに修正したことを改めて穏やかに述べている良い本です.例えば,

これらの症例のなかで最も有名なアンナ・Oの症例は,フロイト精神分析の理論にも,葛藤状態にある精神のモデルにも,実際にはまったく関係がない.

とサックリ.心理学の教科書を読んでいる大学生に紹介したいものです.短い本なので(解説や参考文献を含めても109ページ)大量に引用したいところですが,岩波書店なのでそこらの書店でも手に入ることでしょう.
「作られた記憶」がテーマの一つなので,エリザベス・ロフタスの著書も参考文献の最初にあげられています.


まだまだあるのですが...とりあえず今日はこの辺で...




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