
「ブルックリン」のジョン・クローリー監督が、限りある時間を大切に生きる男女のかけがえのない日々を、時間軸を交錯させながら描いたラブストーリー。
新進気鋭のシェフであるアルムート(フローレンス・ピュー)と、離婚して失意の底にいたトビアス(アンドリュー・ガーフィールド)は、運命的な出会いを果たし恋に落ちる。自由奔放なアルムートと慎重派のトビアスは幾度もの危機を乗り越えながら、やがて一緒に暮らしはじめ、娘が生まれ、家族としての絆を深めていく。そんなある日、自分の余命がわずかであることを知ったアルムートは、トビアスに驚きの決意を告げる。(映画.comより)
(この作品は、話の序盤で、妻アルムートの命が短いことが分かってしまうので、感想を書くにもその部分を避けては書きにくく、これからご覧になる予定の方は、この先は映画を観られた後、読んで下さるとうれしいです。)
観るまでは、難病ものの感動ラブストーリーかと思っていたけれど、「今を最大限に生きるには」ということが、この作品のテーマになっていた。
「限りある時間の中、二人が見つけた、人生を最高に輝かせる生き方とは?」と、こちらの予告編にもあるように。
なので、この作品からは悲壮感というより、希望や明るさの方が感じられ、家族との愛おしい時間や自分の生を全うすること、そのどちらも大切な時間が描かれていて、とても心に響く作品だった。
時間軸が行ったり来たりするので、分かりにくい部分もあったけれど、その点はアルムートの髪型に注目してみると、分かりやすかった。トビアスと出会った頃のアルムートは、前髪パッツン風だったり。
抗がん剤治療に備え、髪を刈り上げるシーンも、家族の思い出に残るようなとても美しい情景で、観て数日経った今でも心に残っている。

いかにもイギリス風の、可愛い一家の家。その前に広がる緑美しい庭で、夫であるトビアスがアルムートの髪を刈り上げる場面は、実際に刈っていたのが分かり、家族3人でキラキラ笑いながら、切なくもとても美しい場面だった。と、同時に、アルムートを演じたフローレンス・ピューの女優魂も伝わってきた。
またアルムートは、いかにも芯がしっかりした根性ある性格だということが、フローレンス・ピューの、顔立ち・表情からもよく伝わって来て。目鼻立ちがはっきりしているせいか、坊主頭もよく似合っていた。
余命を宣告されたアルムートが、「時間を浪費するような治療には興味が無い。」「家族との記憶が、弱っていく私で終わるのが嫌。」と、ただ弱っていくより、生きているうちにやりたいことをやりたい。という気持ちにもとても共感できた。
ただ、自分が同じ立場になった場合どうするか、選択するのはとても難しく感じた。
人によっても意見は違うだろうし、周囲の家族とかの希望や気持ちもあるし。そういう意味でも、考えさせられる映画だった。
余談だけれど、義父が亡くなった時のことも思い出したり。
義父は当時、大腸がんで手術をしないと半年の命と言われたのだけど、何しろ病院が嫌いで、検査入院中ストレスから少し認知症の症状も出てしまい。(家に戻ったらその症状は治まったのだけど。)
で、義母や夫は手術を受けて欲しいと希望したけど、本人は断固拒否したので、手術は受けず。でも、そのまま穏やかに家で数年間過ごすことができ、老衰という診断で、今では珍しく家で亡くなることができた。年を取ると、癌の進行は緩やかになるというのもあって。
手術を受けていたら、病院生活で筋肉が衰え、歩くことも家に帰ることも出来なかったかも知れない。と後で話し合ったけれど、手術を受けなくて良かったというのは、後から思えばということで、誰にでも当てはまることではないとも思う。
この物語でも、アルムートが最後にシェフとしての力を振り絞り、コンクールにかけたいという気持ちを、夫には理解し難いと非難されてしまう。どちらの必死な気持ちも伝わって来て、そこも胸に迫ってくる場面だった。
でも夫も、「先ばかりを見ていた。」と、今を懸命に生きたいと願うアルムートを娘とともに応援することに。
この夫・トビアスを演じたアンドリュー・ガーフィールドの演技も、実際の人柄が伝わってくるようでとても好感が持てた。
アルムートとともに、可愛い娘に事実を伝える場面も、真摯な気持ちと共にユーモアも交えていて。
この作品は、内容的にきっとまた涙腺崩壊になるだろうと予想して、ハンカチを手に持って鑑賞。
でも感動の涙にくれたのは、悲しい場面ではなく、娘を出産するシーンだった。渋滞に巻き込まれ、病院まで間に合わなく、ガソリンスタンドで出産することとなる。
そのとき居合わせた二人の店員たちが、夫とともに懸命に介助をする。
出産シーンでこんなに心揺さぶられたのは初めてじゃなかったかと思えるくらい、感動してしまった。
そして最後のシェフの腕を競うコンクールでのクライマックスでも、涙腺崩壊。
ほか、深みのある音楽の効果も相まって、心に染み入るシーンが多々あった。

同じ監督作品の「ブルックリン」も、昔観たけれど、とてもいい映画だったので、機会があればまた観たくなった。

☆
地元駅近くの小道でも、今年も紫陽花が見頃になってきたので、昨日の帰り道写真を撮ってきました。
昨年の6月は、友達と鎌倉へ紫陽花巡りに出かけたなぁと懐かしく思いつつ…。1年って早いですね。









違う花も咲いていて、こちらはカンナですかねぇ。

この小道の途中、数年前に開店した素敵なお店があります。
駅近なのに目立たない場所にあるので、知る人ぞ知る感じですが、主にランチの時間帯だけ営業していて、千円ほどで、ボリューミーで美味しいランチがいただけます。


私も主に映画好きな友人3人と、このお店でランチがてら映画の話題などで、たまに集まっています。
私は1年前に、他の友人もその前に辞めてしまった日本語教室のボランティア仲間なのですが、その中のお一人は、私よりずっと多くの映画を観ているので、良かった映画についてLINEで報告すると、「私も観ました、良かったですよね。」との返事が来ます。
なので、たぶんこの映画ももう観ていることでしょう。(^^ゞ
あ、そうそう、地元で思い出しました!
地元の図書館のホールでも、映画の会が月に一度開催されているのですが、今までは観た作品が多かったのもあり、私は一度も参加したことありませんでした。
でも、数年前に話題になっていたインド映画『RRR』が先月上映されたので、観に行ってみました。(先の友人たちのオススメもあり。)
そしたら、この映画の会にしては珍しく満席で、スタッフが館内から椅子を集めてきてくれて、私も一番後ろの席で観ることができました。
もちろん、普通の映画館に比べてしまうと、スクリーンも小さく音響もさほど良くはありませんが、結構激しい戦闘の場面が多かったので、かえって私にはちょうど良かったでした。^^; インド映画らしく、歌&ダンス場面も圧巻で。
ラストのその大団円シーンで、「えぇ?あの子のお母さん生きていたの?」と驚いたり、主人公の不死身的男性二人にしても、そう思った場面が何度かありました。
さすがインド映画。笑

この場面は圧巻だったなー!