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小説『冬に子供が生まれる』『いつか、アジアの街角で』

『冬に子供が生まれる』佐藤正午・著)

昨年映画を観た『月の満ち欠け』の原作と同じ、佐藤正午さんの長編小説。

それ以来、七年ぶりの新作だそう。

『月の満ち欠け』の小説は未読だけれど、映画版は、使われていたジョン・レノンの曲といいとても心に残る作品だったので、こちらの新作は図書館に予約して、8月末に読んでみた。

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ストーリーは、輪廻転生を題材にしていた『月の満ち欠け』と同じく、不思議な話だった。

主人公である丸太優が、仕事から帰ったある夜スマホに、差出人不明の予言めいたショートメッセージが届く。「今年の冬、彼女はおまえの子どもを産む。」と。

そこから話が展開していく。

この物語は大まかにいってしまうと、小学生時代UFOを目撃した、同級生4人組のその後の話だ。

丸太優(マルユウ)丸太誠一郎(マルセイ)、そして佐渡杉森真秀の4人はとても仲良しだった。

子供の頃、近くの天神山でUFOを目撃し、その10年後に、取材したいと言ってきた記者たちとともに、また天神山に登る。その帰路にある事故が起きてしまう。

それからまた20年経って…という話。

 

子供たちの中学時代の先生である湊先生が、この話を小説風に書いているという設定になっている。

それも話の中盤になってわかってきたことで、最初はマルユウ・マルセイ、どっちの話だっけ?などとこんがらがってしまい、話の筋がよく理解できなかった。

その同級生たちも、その後の同窓会で、マルユウ・マルセイの二人を記憶違いしていたり。

このように、主人公含め、子供たちの記憶が混同していたり曖昧だったりで、読んでいるこちらも内容がすっと頭に入ってこなくて、中盤までベールに包まれたような不可解な気分だった。自分の理解力が乏しいからかも知れないけれど。

でも、その辺の事情が分かって来るうちに、だんだん面白くなってきた。

 

話のラストで、ほぼこの話の真実に行き当たった、湊先生の思いがすごく伝わってきて、その場面もとても胸に迫ってきた。

宇宙人に愛された子供たち

真夏の昼に現れた、透明なUFOを目撃したという子供たち

子供たちを信じなかった大人たち

その子供たちを記事にした大人たち

でも彼らの力になれず、不甲斐ない思いを抱えてきた先生。

 

自分はある時期の数年間、別の星にいたという、介護施設のおばあさんの話も興味深かった。

その星とは、「暑くもなく寒くもなく、食べなくてもひもじくない。人間といっても形は無く、みなそうだから寂しくもなく、星の時代はよかった。」等など。

実際の自分は地球で普通に生活をしていて、その時の記憶は薄く、長いこと心の旅をしていた感覚だったそう。

 

「昨日とそっくりの顔をした日常を、時として見慣れぬものの影がよぎる。わたしたちは凡人でも、その不思議さを感じ取れないわけじゃない。」

この台詞からは、子供のころ観ていたテレビ『ウルトラQ』や、映画『トワイライト・ゾーン』を思い出したり。

「不思議な出来事って、待ち構えていてもタイミング良く現れるものじゃないんですよ。たぶん普通の顔をして、もうそこにあるんですよ。知らない間に起きていて、気づいたらもう普通にあるんです。でも気づかない人には見えない。それは自分の勘違いだと気に留めなかったり。」

などの台詞も心に残り、確かにそうかも知れないと感じた。

 

夫に先立たれた杉森先生(杉森真秀の母親)から、マルユウへの、このアドバイスも心に残った。

「夫婦間で一番大事なのは、大切な話をすることじゃなく、平凡で小さな話をすること。せいいっぱい長生きして、相手の話を聞くこと。そして自分も話すこと。平凡で小さな話を、来る日も来る日も。」

 

最初からもう一度読めば、ストーリーがちゃんと理解できそうだけど、返却期限が来てしまったので、後ろ髪惹かれる思いで返却してきた。

 

ところでUFOというと、「ひょっとしてこれは⁈」と思うような写真がまたあって…。これは、今年の夏に豊洲で撮った写真。

対岸の晴海のタワーマンション右側の光が、どうも怪しい(^^ゞ

そしてこちらは、下記の絵本の紹介時にも載せたことがあるけれど、数年前、高輪ゲートウェイ駅前にて、一緒にいた友人が撮った写真。下のは、その部分を拡大した写真。

これはやはり、謎の飛行物体に見えちゃいます~。

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* *

その次に読んだのが、人気女性作家たちによる、

アジアン・アンソロジー短編集『いつか、アジアの街角で』

【目次】

『隣に座るという運命について』中島京子
『月下老人』桜庭一樹
『停止する春』島本理生

『チャーチャンテン』大島真寿美
『石を拾う』宮下奈都
『猫はじっとしていない』角田光代

特に心に残ったのは、『石を拾う』と『猫はじっとしていない』。

『石を拾う』(宮下奈都・著)
小学5年の女の子が主人公。

真っすぐで正義感がとても強く、心に活火山を抱えていて、ときどき噴火してしまう。

皆なぜ自分のように心にマグマが無いのかと、じれったい気分になるけれど、実は皆誰でもマグマを抱えていて、それを見せないように生きていると、気づくくだりが良かった。女の子と、台湾人のおじいさんとの会話も心に残った。

『猫はじっとしていない』(角田光代・著)

いかにも猫好きな角田さんらしい作品。

夢に出てきた、亡くなった愛猫「タマ」に呼ばれ、訪れた台湾のある街で、ふと懐かしい気分が蘇る女性の話。

台湾の見知らぬ土地「猫村」で、タマの生まれ変わりを探しているうち、かつてここに住んでいた頃の自分の前世を見てしまう。

角田さんは若い頃、アジアなど多方面へバックパッカーしたというエッセイも読んだことがあるけれど、きっとこの作品に出て来たような街も訪れたことがあるのだろうな。

台湾は、『千と千尋の神隠し』を観てから、より行ってみたいと思っていたけれど、こういう作品を読むとやはり訪れてみたくなる。

この短編集は、毎回アジアの街が登場するわけではないけれど、アジアを旅した気分にもなれた。

この表紙の美味しそうな絵、マンゴーかき氷も食べてみたい♪




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