
先月、小6の教室で読んだ、長田弘さんの詩です。
大人にもぴったりで、ちょっと難しいかなと思ったのですが、来年中学生になる門出にも相応しいかなと、選んでみました。
いせひでこさんの水彩画も、どのページもとても美しい絵本です。
(詩の全文掲載はNGかもなので、部分的に引用します。)
今日あなたは空を見上げましたか。
空は遠かったですか、近かったですか。
雲はどんなかたちをしていましたか。
風はどんな匂いがしましたか。
あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか…
と、始まり、読者への質問がずっと続きます。


窓の向こう、道の向こうに、何が見えるのか。
この前、川を見つめたのは、砂の上や草の上に座ったのはいつだったのか。
世界という言葉で、まずおもいえがく風景はどんな風景なのか・・・
等など、初めて読んだときは、自分のことを振り返りながら読みました。
今自分がいる場所で、耳を澄ますと何が聞こえるのか。沈黙はどんな音がするのか。
目を瞑ると何が見えてくるのか…。
最後は、
いちばんしたいことは何ですか。
人生の材料は何だとおもいますか。
あなたにとって、
あるいはあなたの知らない人びと、
あなたを知らない人びとにとって、
幸福って何だとおもいますか。
時代は言葉をないがしろにしているー
あなたは言葉を信じていますか。
という言葉で終わります。
1つ1つの質問に、思わず立ち止まって想像を巡らせてしまう詩です。
例えば、自分にとって「わたしたち」というのは、どこまで含まれているのだろうとかとか。それは、時と場合によるけれど、いつも自分の周囲の狭い範囲のことだけを考えていたような気がします。
教室で読み終わって、一番最後の質問に対する自分の答えとして、
「私は言葉を信じています。言葉には言霊と言われる魂が宿っていると言われていますから。今日はどんな一日だったか、空はどんな色だったか、自分を見つめ直すときにもぴったりの詩だと思います。図書館にあるので、よかったら手に取って読んでみて下さい。」というようなことを言って終わりにしました。
「これだけはしないと、決めていることがありますか。」
との詩の箇所で、教室の後ろの方から男の子が、「自殺」と呟くのが聞こえてきたのが心に残っています。
もちろん自分で自分の命を絶つのは絶対にしてはいけないこととはいえ、果たしてそうなのだろうかとの疑問も持っていて。
もし自分が精神的にも堪えがたい不治の病のような苦痛を抱えていたら、早くもう終わりにしたいと思うだろうし。
前回感想を書いた小説「カフネ」でも、登場人物の「自分の望みとは関係なく、この大変な世の中に生を受けて、せめて死ぬときくらいは自分で決めたい」というような台詞の場面も心に残っています。
そのとき、かなり前に観た映画で、主人公が安楽死が認められている国スイスへ渡り、家族や愛する人に別れを告げる話も思い出したりしました。
と、つい、シリアスなことを書いてしまいましたが、
この詩を読むと、ふと立ち止まって自分と向き合ったり、今この時を感じる感覚になれるのがいいなと思いました。
友達とは、人間に限ったことではなく、木や鳥や流れる雲や、周囲にある美しい自然の風景の中にも見つけることが出来ると気づけ、視野が広がるような、出合って良かったと思える詩、そして絵本です。

* *
こちらは、先月図書館での「読み聞かせ」で読んだ、とてもほのぼのとした絵本です。
絵本『おやさいしろくま』(柴田ケイコ・作)

柴田ケイコさんの、「しろくま」シリーズは、以前「おいしそうなしろくま」をブログに書きましたが、そのシリーズの第5弾です。
ぼくはしんせんなやさいがだ~いすき。どんなやさいでもたべちゃうもんね。
あるひぼくはおもったんだ。「だいすきなやさいのなかにはいってみたら、どんなかんじかな?」そうぞうしただけで、よだれがでちゃう。
と、トマトやキャベツ、かぼちゃ、まめ、など、しろくまは次々に野菜の中に入っていき、「きみはどんなまめが好き?」とか「どんなかぼちゃ料理が好き?」と読者に問いかけます。


(トウモロコシのふさふさの毛が、リーゼント風になっているのも笑えます。)
どれも新鮮で美味しそうで、この絵本を読んだら、野菜嫌いな子も興味を持って食べたくなるのではと思います。しろくまの表情もユニークで♪
最近、野菜のさらなる値上がりが痛いですよね(^▽^;)
柴田ケイコさんの絵本は、他にも「パンダのおさじ」シリーズの一つで、『パンダのおさじとふりかけパンダ』という絵本も最近読む機会がありましたが、こちらも幼児にウケるとても面白い絵本です。