最初の2冊は、先週と今週、小学校での「読み聞かせ」で読んだ絵本です。

絵本『かぜのでんわ』(いもとようこ・作絵)
この絵本はちょうど1年前にこのブログで紹介したのですが、昨年3月に読み聞かせグループを辞められた方が、そのとき私に下さった絵本です。
東日本大震災から今年で早くも15年経ちましたが、この絵本は、岩手県大槌町の海を見下ろす丘に置かれている、電話ボックス「風の電話」を元に描かれています。
この電話ボックスをご自宅の庭に置かれた佐々木格さん(ガーデンデザイナー)が、震災前から考えていたものだそうですが、心の復興のきっかけになればと思い、実現させたそうです。
今も訪れる人が絶えず、「風の電話」は、大切な人への想いを受けとめているとのこと。
この絵本では、動物たちを主人公に、会えなくなった家族に、山のてっぺんに置かれた電話から思いを伝えるという設定で、とても可愛いイラストで描かれています。
最後は、みんなの思いが空に届いたと分かる、星がきらめく美しい場面で終わっています。
今回初めて、3月11日前に、この絵本を読むことが出来て良かったでした。
練習で読んでいると泣けてくるので、ちゃんと読めるか心配でしたが教室では大丈夫でした。
昨年の今の時期も、この「風の電話」のNHKドキュメンタリーが放送されましたが、先日も、「それからの、風の電話」として、昨年の番組に登場したご家族のその後や、現在でも多くの人が、「風の電話」を訪れ、亡き人に語りかけている様子が映し出されていました。国内だけでなく海外から訪れるご家族も・・・。
そして、「風の電話」の設置は日本だけに留まらず、世界550か所以上に広がっているそうで、その経緯にも心揺さぶられました。
「風の電話」制作者の格さんは、亡くなった相手でも思いがあればつながることができる、気持ちは生き続けることができるといった考えをお持ちの方です。
アメリカで「風の電話」のサイトを作っている女性も、亡くなったらそこでおしまいではないことを「風の電話」から教えてもらったと言っていました。
「風の電話」の受話器を握ると、その奥から声が聞こえてきそうですし、当時の声を思い出したりもできると思うんです。
と、取材をした番組制作者の方。
以上の言葉からも、前に読んだ、『かぞえきれない星の、その次の星』(重松清・著)での、一節を思い出しました。

登場人物のおじいさんが、少年に話す場面での言葉で、
「誰かに会いたいと思っているとき、ほんとうはもう会えてるのかも知れないな。」
会いたいと思えばーその人の顔を思い浮かべれば、もう、会えているー。
本当に、そうだなぁと思います。
そして、今まで私が読んできた本などからも感じることは、自分たちが、誰かと過ごしてきた大切な時間・言葉などは、決してなくなることなく、この宇宙のどこかに永遠に存在し続けるのだということを、私も信じています。
この話の中での、おじいさんと少年の会話の舞台は、まるで『星の王子さま』(サンテグ・ジュペリ・作)の砂漠のように思えました。
この11の物語からなる短編集も、どれも不思議な話ですが、どれも心にグッと来る話です。
☆

絵本『ねこがしんぱい』(角田光代・作 / 小池壮太・絵)
猫好きで有名な作家、角田光代さんが書かれた初めての絵本。猫への愛情がたくさん詰まった作品です。
3人家族の小学生の私のお家には、猫のたまこがいます。
皆が朝家を出るとたまこはお留守番。
家族それぞれ、留守中のたまこの心配をずっとしています。
そんな家族の心配をよそに、たまこは、家の中で想像以上の冒険をしていたのでした。
例えば、部屋のタンスの扉を閉めてなくて、たまこがタンスの中に閉じ込められていないかしら…実はたまこは、タンスの中の、ずっとずっと奥の森で遊んでいたり。
この場面での、クローゼットの奥に広大な森が広がる描写では、『ナルニア国物語』を思い出しました。
パソコンもお手のものであるたまこは、世界中の猫とリモート会議で繋がっている絵には笑えました。

カラスと窓越しに、冗談を言い合って、お互い大笑いしている絵も面白くて。
ティッシュの雲に乗って、イタリアかどこかの素敵な街並みの上空を飛んでいるたまこなど、どのページもユニークなたまこの姿が微笑ましいのです。
作者の角田光代さんも、留守中いつもこんな心配をしていたのでしょうね。
角田光代さんの小説は、昔、『空中庭園』を読んでから好きになり、色々読みましたが、最後に読んだのは2年前に読んだ、帝国ホテルを舞台にした短編集『あなたを待ついくつもの部屋』。
この小説は、temahimeさんもその後読んで下さり、私の記事も紹介して下さって嬉しかったでした♪
角田さんが愛猫トトとの生活を描いた、ほのぼのとしたエッセイ『明日も一日きみを見ている』も面白かったです。

今年に入ってから小学校・高学年での「読み聞かせ」担当日は、その2回どちらも、『ダニーさんのちゃぶだい』を読みました。

こちら絵本は昨年末にもブログで紹介しましたが、マー君のママさんが、読み聞かせに使ってと送って下さった作品です。
1月に初めて読んだその翌日、偶然にも「今、注目の絵本」と新聞に紹介されていたので、おっ!と思いました。(なので、マー君のママさんにも思わず直ぐお知らせしちゃいました^^;)

自身の国では子供の頃から、敵だと教えられてきた隣の国の人と、旅先の日本では思いがけず友人になれたダニー・ネフセタイさん。
それをきっかけに日本でたくさんの気づきを得て、日本で家具職人になり、全国での講演会など平和活動をずっと続けているそうです。
角のないちゃぶ台で皆が楽しくおしゃべりできるように。武力では何も解決せず、話し合いこそが大切だと。
この絵本は、そのダニーさんの思いが、角のない丸いちゃぶ台に込められています。
その願いに反して、益々不穏な世界情勢なってきてしまいましたが、これからの子どもたちにも、国ではなく、個人対個人というか、一個人として、色々な国の人と仲良く付き合っていって欲しいと願ってしまいます。