
秀吉と天下を争い、賤ヶ岳の戦いで散った織田家筆頭家老・柴田勝家。
「鬼柴田」「かかれ柴田」「瓶割り柴田」といった異名が示すとおり、戦場では無類の強さを誇りながら、部下からは「親父殿」と慕われた人望厚い武将でもありました。
そこで本記事では、柴田勝家が登場したすべての大河ドラマ作品を紹介!
演じた俳優の一覧や、各作品での描かれ方をわかりやすく解説します!
- NHK大河ドラマで放送された柴田勝家の登場作品一覧(1965年〜2026年)
- 柴田勝家を演じた歴代俳優一覧【全17作品・18名】
- 柴田勝家が主人公として描かれた大河ドラマは?
- 大河ドラマの柴田勝家によくある質問(FAQ)
- まとめ|大河ドラマで描かれてきた「柴田勝家像」の変遷とその魅力
NHK大河ドラマで放送された柴田勝家の登場作品一覧(1965年〜2026年)

勝家は秀吉との対立軸として必ず登場する人物であり、戦国時代を語るうえで欠かせない存在です。
本能寺の変後は清須会議で秀吉と対立し、賤ヶ岳の戦いで雌雄を決するなど、戦国時代の重要な場面に必ず登場します。
そんな柴田勝家が登場する、すべての大河ドラマと演じた俳優を表にまとめてみました。
多くの作品がNHKオンデマンドで見れるので、見返したい作品や気になる作品があればぜひ視聴してみてください。
※『太閤記』は1話のみ、『天と地と』は50話のみ、『国盗り物語』は総集編のみ。それ以外は全話配信中。
| 作品タイトル | 放送年 | 演じた俳優 | 主人公 |
|---|---|---|---|
| 太閤記 | 1965 | 中村 歌門 | |
| 天と地と | 1969 | 金田 龍之介 | |
| 国盗り物語 | 1973 | 宍戸 錠 | |
| 黄金の日日 | 1978 | 新田 昌玄 | |
| おんな太閤記 | 1981 | 近藤 洋介 | |
| 徳川家康 | 1983 | 川口 啓史→大山 克巳 | |
| 武田信玄 | 1988 | 岡田 圭 | |
| 信長 KING OF ZIPANGU | 1992 | 滝田 栄 | |
| 秀吉 | 1996 | 中尾 彬 | |
| 利家とまつ 〜加賀百万石物語〜 | 2002 | 松平 健 | |
| 功名が辻 | 2006 | 勝野 洋 | |
| 天地人 | 2009 | 菅田 俊 | |
| 江 〜姫たちの戦国〜 | 2011 | 大地 康雄 | |
| 軍師官兵衛 | 2014 | 近藤 芳正 | |
| 麒麟がくる | 2020 | 安藤 政信 | |
| どうする家康 | 2023 | 吉原 光夫 | |
| 豊臣兄弟! | 2026 | 山口 馬木也 |
表:柴田勝家登場作品と演じた俳優の一覧
大河ドラマを観る
柴田勝家を演じた歴代俳優一覧【全17作品・18名】
NHK大河ドラマで柴田勝家が登場した作品は、前述の表のとおり17作品です。
柴田勝家を演じた俳優は18名。
作品数より俳優が多いのは、『徳川家康』(1983年)で途中交代があったためです。
戦国時代から始まる大河ドラマは全部で20作品以上あるので、かなり高い登場率といえます。
秀吉の登場作品が21作品、織田信長の登場作品が20作品以上あることを考えると、柴田勝家は秀吉の最大のライバルとして安定した出番を得ているようです。
ではその17作品で演じた俳優が、どのような勝家像を作り上げてきたのか。
出演作品とともに見ていきましょう。
複数回、柴田勝家を演じた俳優
大河ドラマで、柴田勝家を複数回にわたって演じた俳優はいません。
17作品すべてで異なる俳優が起用され、同じ俳優が再び勝家を演じるという「再演」も実現していません。
大河ドラマでは、そのときどきの旬な俳優や作品のカラーに合った俳優が起用されるため、同じ俳優が同じ役を複数回演じること自体がかなりのレアケース。
それでも、これぞ柴田勝家とだれもが感じるがことがあれば、可能性はあるかもしれませんね。
柴田勝家を1度だけ演じた俳優一覧
1960〜70年代は、重厚感のある実力派俳優が勝家を演じていました。
『太閤記』(1965年)の中村歌門さんは、歌舞伎出身の俳優で重厚な演技が持ち味でした。
『天と地と』(1969年)の金田龍之介さんは、のちに『秀吉』(1996年)で斎藤道三を演じるなど、大河ドラマの名脇役として知られた俳優です。
『国盗り物語』(1973年)の宍戸錠さん、『黄金の日日』(1978年)の新田昌玄さんなど、いずれも時代劇に欠かせないベテラン俳優が起用されています。
1980年代以降は、テレビドラマで幅広く活躍する俳優が目立つようになります。
『信長 KING OF ZIPANGU』(1992年)の滝田栄さんは、9年前の『徳川家康』(1983年)で主役を務めた俳優さん。
天下人から、その天下人に敗れる側への役替えはなかなかおもしろいキャスティングです。
『秀吉』(1996年)の中尾彬さんは、ねじり鉢巻きがトレードマークの個性派俳優さん。
竹中直人さん演じる秀吉の好敵手として、重厚な存在感を放ちました。
いまに伝わる猛々しい勝家らしさが滲み出ています。
2000年代以降は、さらに個性的な俳優が起用されています。
『利家とまつ 〜加賀百万石物語〜』(2002年)では、「暴れん坊将軍」で知られる松平健さんが勝家を演じました。
前田利家から「親父様」と慕われる、人望厚い上司としての勝家像を熱演しています。
『どうする家康』(2023年)では、ミュージカル俳優としても有名な吉原光夫さんが起用され、話題となりました。
幼少期・青年期で俳優が分かれるケース
柴田勝家の場合、幼少期や青年期で俳優が分かれるケースは、これまで一度もありません。
勝家は信長より年上で、若い頃から織田家の重鎮として仕えていたと伝わりますが、大河ドラマでは成人後の姿から描かれることがほとんどです。
もし将来、柴田勝家を主人公とした作品が制作されれば、幼少期や青年期を演じる俳優も登場するかもしれません。
俳優ごとの起用傾向と演技スタイル

柴田勝家役に起用される俳優には、「威圧感と人情味の両立」ができる俳優が多い印象です。
派手な主役級ではなく、物語を支える脇役として重厚な演技ができる俳優が選ばれているように見えます。
これは「鬼柴田」という異名が示す猛将としての顔と、部下から「親父殿」と慕われた人情家としての顔、その両方を表現する必要があるからでしょう。
宣教師ルイス・フロイスは勝家を「日本で最も勇猛な武将」と評しつつ、「他の宗旨を憎まず」とも記しています。
戦場では鬼神のごとく戦いながら、裏切った家臣すら恨まなかった勝家。
この「猛将」と「人情家」という二面性を体現できる俳優が重視されているのでしょう。
柴田勝家が主人公として描かれた大河ドラマは?
柴田勝家が主人公として描かれた大河ドラマはまだありません。
その生涯は十分にドラマチックですが、まだ主人公として取り上げられる機会に恵まれていません。
とはいえ、本能寺の変後に秀吉と天下を争い、清須会議では織田家の行く末を左右するなど、歴史の転換点で重要な役割を果たした武将でもあります。
ここでは、勝家が重要な場面で役割を担った作品を見ていきましょう。
『信長 KING OF ZIPANGU』(1992年)|北陸方面軍の司令官として
『信長 KING OF ZIPANGU』は、1992年に放送されたNHK大河ドラマで、緒形直人さん演じる織田信長を主人公とした作品です。
この作品では、滝田栄さんが柴田勝家を演じています。
滝田さんは9年前の『徳川家康』で主役を務めた大河の「顔」とも言える俳優さん。
信長が主人公の作品だけに、一向一揆の支配が長く統治が難しい加賀を含め、上杉謙信と対峙する北陸方面の司令官を任された勝家の姿が丁寧に描かれました。
『秀吉』(1996年)|秀吉の最大のライバルとして
『秀吉』は、1996年に放送されたNHK大河ドラマで、竹中直人さん演じる豊臣秀吉の立身出世を描いた作品です。
この作品では、中尾彬さんが柴田勝家を演じました。
本作は、期間平均視聴率30.5%を記録した人気作です。
農民出身の秀吉を見下しながらも、その才覚を認めざるを得ない複雑な心境。
清須会議での対立から賤ヶ岳の戦いまで、秀吉が乗り越えるべき最大の壁として物語を盛り上げました。
『利家とまつ』(2002年)|前田利家の「親父様」として
『利家とまつ 〜加賀百万石物語〜』は、2002年に放送されたNHK大河ドラマで、前田利家(唐沢寿明)とまつ(松嶋菜々子)を主人公とした作品です。
この作品では、松平健さんが柴田勝家を演じています。
柴田勝家と前田利家は、北陸方面で共に戦った上司と部下の関係。
「暴れん坊将軍」で培った松平さんの貫禄で、利家から「親父様」と慕われる頼もしい上司として描かれました。
賤ヶ岳で敵味方に分かれても、恨み言ひとつ言わず去っていく姿は泣ける……!
『江 〜姫たちの戦国〜』(2011年)|お市の方の夫として
『江 〜姫たちの戦国〜』は、2011年に放送されたNHK大河ドラマで、浅井三姉妹の末娘・江(上野樹里)を主人公とした作品です。
この作品では、大地康雄さんが柴田勝家を演じています。
柴田勝家はお市の方(鈴木保奈美)の再婚相手として、茶々・初・江の義父となります。
武骨な勝家が三人の娘たちとどう向き合うのか、そして賤ヶ岳で敗れた後の最期が丁寧に描かれました。
お市に「娘たちを連れて逃げよ」と勧めるも、「黄泉までも一緒」と共に炎の中へ消えていく最期が印象的でした。
『江 〜姫たちの戦国〜』を観る
大河ドラマの柴田勝家によくある質問(FAQ)
大河ドラマに登場する柴田勝家に関して、よくある質問をまとめてみました。
柴田勝家が登場する大河ドラマで史上最高傑作は?
『利家とまつ 〜加賀百万石物語〜』(2002年)がおすすめです。
期間平均視聴率22.1%を記録した人気作で、松平健さんの勝家が話題となりました。
「親父様」と慕われる頼もしい上司としての勝家像が描かれ、賤ヶ岳で敵味方に分かれても恨み言ひとつ言わない姿が見どころです。
柴田勝家の人物像を深く知るうえで、ヒントになる作品かもしれません。
柴田勝家はなぜ「かかれ柴田」と呼ばれるのですか?
戦場で見せた圧倒的な「突進力」と「攻撃の凄まじさ」に由来します。
「かかれ」は「攻めかかれ」の意味で、先陣を切って敵陣へ突撃する勇猛さを称えたものです。
宣教師ルイス・フロイスからも「最も勇猛な武将」と称されるほど武勇に秀でていました。
その勢いのある戦いぶりから他にも「鬼柴田」や、籠城戦での逸話から「瓶割り柴田」といった異名を持っています。
柴田勝家とはどんな武将ですか?
柴田勝家は、尾張国愛知郡(現在の愛知県名古屋市名東区)に生まれた戦国武将です。
かつては織田信長の弟・信行の家老として信長と敵対していましたが、稲生の戦いで信長に敗れて以降は一貫して織田家に忠誠を尽くしました。
佐久間信盛が失脚したのちは筆頭家老となり、丹羽長秀と共に織田政権を支えます。
一向一揆の支配が長く統治が難しい加賀を含め、上杉謙信と対峙する北陸方面の司令官を任されたことは、信長が勝家にいかに信頼を寄せていたかがわかります。
軍事面だけでなく、街道の整備を積極的に進めるなど、内政面でも力を発揮しました。
家臣には、家老の山中長俊、賤ヶ岳の戦いで勝家の身代わりとなって討ち死にした毛受勝照、北ノ庄城で最期まで付き従った山路正国などがいました
また与力には、府中三人衆の佐々成政・不破光治・前田利家、甥の佐久間盛政などがいました。
柴田勝家とお市の最後は?
天正11年(1583年)4月、賤ヶ岳の戦いで秀吉に敗れた勝家は、越前北ノ庄城へ退却。
秀吉軍に包囲された勝家は、お市の方に城を落ち延びるよう勧めますが、お市はこれを断り、三人の娘(茶々・初・江)だけを城外へ逃したと伝わっています。
そして4月24日、勝家とお市の方は北ノ庄城で自害。
城には火が放たれ、灰燼に帰したそうです。
勝家の辞世の句は「夏の夜の夢路はかなきあとの名を雲井にあげよ山ほととぎす」。
お市の「さらぬだにうちぬるほども夏の夜の夢路をさそふほととぎすかな」に応じた返歌とされています。
『豊臣兄弟!』で柴田勝家役はだれですか?
山口馬木也さんです。
山口さんは1973年岡山県生まれ。1998年に俳優デビュー後、「水戸黄門」「剣客商売」など数々の時代劇で腕を磨いてきました。
大河ドラマへの出演は『北条時宗』(2001年)、『八重の桜』(2013年)、『麒麟がくる』(2020年)、『鎌倉殿の13人』(2022年)に続き、5度目となります。
2024年には初主演映画『侍タイムスリッパー』が異例の大ヒット。
低予算のインディーズ作品ながら全国340館以上で上映され、第67回ブルーリボン賞主演男優賞、第48回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞しました。
山口さん演じる勝家は、眉毛が濃くきりりとした風貌で、戦国絵巻から飛び出してきたかのよう。
時代劇で培った殺陣と存在感で、どんな「鬼柴田」を見せてくれるのか期待が高まります。
まとめ|大河ドラマで描かれてきた「柴田勝家像」の変遷とその魅力
柴田勝家は、秀吉との対立軸として大河ドラマに欠かせない存在です。
「鬼柴田」が強調されがちですが、「親父様」と慕われる人情家として描かれることも。
最近の研究では、秀吉の中国大返しより、勝家の北国からの大返しのほうが速かったとも言われています。
本能寺の変の報が数日早く届いていれば、秀吉よりも先に織田信長の仇を討っていたかも……!?
そんな「if」を想像させてくれるのも、この武将の魅力なのだと思います。
次の柴田勝家は、だれが演じることになるのか!?
では今回はこの辺で。
ここまで読んでいただきありがとうございました!