写真があると思ったらなかった。絶対とったのにな。
絶対撮ったけど、でも、見つからないな。それが寂しいけどでも、どうせなくならないか、とも思う。
サツゲキ、という映画館がある。
私は2020年以降、今の場所に生まれてからの記憶だ。それまでも時々Twitterで見てた気がするな、と思いながら、誕生の瞬間を見た。はずだ。
そのサツゲキとは来年の春にお別れになるらしい。
あの誕生した2020年。エンタメにとって逆風も逆風。そんななかで、あの場所にサツゲキが生まれた。
正確には、歴史ある映画館の流れを汲んでいて、そういう話も職場の先輩がしてくれながら「つくさんはエンタメが好きだから」と出来たばかりの映画館を案内してくれたのが初対面だったと記憶してる。
当時、私は札幌に来たばっかりの頃だった。友達もおらず(というか、友達は最後までできなかった)ただただ毎日、未知のウイルスに侵食される世界で「ひとりぼっちだな」と思っていた。
そんななか生まれたサツゲキは、商店街のなか、確かな存在感があった。存在感はありながら入ると一つ一つはそんなに大きくないシアターで、でも、それも含めてよかった。
すっぽりとシアターに入って、静かな空間、ぼんやりと始まるのを待つ。
いろんな映画を見たな。
色々と諦めそうになってたタイミングで観た滑走路は言葉の美しさや途方もなさ、それでも、の苦しさもありつつも、でもここに届いたんだよ、と思う強さがあったし、
緊急事態宣言が落ち着いた折か、ともかく外出自粛がようやく和らいで、堂々と映画を観れる中で見た羅小黒戦記は、隣のお姉さんがきっと大ファンで、愛を込めた号泣を見て「映画館で観る豊かさってこうだよな」と思った。あのお姉さんは2も観ただろうか。
仕事が狸小路を抜けた先になったおかげで出勤の時。くたくたで予告を見かけ、「ああ観てみるか」と決めて入ったアジアの天使は、きっともう2度と観れない。見れないけど、全ての瞬間が大切で愛おしくて、じゃあ生活を続けようと決めたっけ。
面白くないと思った映画も確かにあった、あったけど、きっと配信なら出会えない作品たちだった。
それから、札幌を離れて、だというのに旅行で、無性に映画が観たくて観た、アンダーカレント。ああそうだ、私には映画があるんだっけ、とバラバラになりそうだった感覚が繋ぎ合わされる心地がした、あの日は私にとって必要な日だった。
お金がない中で、それでもと贅沢して買ったコーヒーやパン。次の休みはサツゲキで映画を観るのだと決めて乗り切った仕事。漫画や映画の台詞が刻まれた階段に「何かを好きな人がここにはいる」と念じたこともあった。
確かにあの頃、あの場所が私の逃げ場所だった。
大切なお芝居やライブに行けず、塞ぎ込みがちだった私に「映画がある」と教えてくれたサツゲキに愛情と、敬意を込めて。たくさんの素敵な映画と出逢わせてくれてありがとうございました。
何より、あの頃、命綱のようにいろんな映画を観て過ごした時間は紛れもなく、幸せでしたと伝えさせてください。
12月27日くらいまで「今年書いてたあのブログよかったよ」のアンケートやっています!
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2026年1月の文学フリマ京都に申し込みました!無事に日記が1年続けられそうなので記念に日記本を出す予定です。
自分である程度各月1本ずつくらいの日記を選んで振り返ったり補足したりしようかなーと思ってますが、もし「これ良かったぜ」というのがあれば教えてください。参考にします。
何より、私がニヤニヤします。