これはやっぱりキンプリをうっすら履修の人間の感想です。
うっすら履修なのでどこからどこまでが本作のネタバレか実は分からないまま書いてます。お気をつけください。
そもそも、キンプリを私が良いな、と思う理由は「誰かの好き」の物語だからなんだよな、と観ながらしみじみと思っていた。
初めて観たのは「KING OF PRISM by PrettyRhythm」。
いわゆる「トンチキ」としての楽しみ方はあまり私は感度がなく、なるほどなあ、とその時思ったことを覚えている。
Over The Rainbow、通称オバレに出逢った一条シンくんがプリズムスタァへの道を歩き出す物語。応援上映の火付け役でもある作品、という認識が私の中にはあって、そういうことを全部ひっくるめて「何かを好きであること」「夢中になること」を肯定してくれる作品なんだな、という思いがあった。
身近な友人にとって大切な作品であることもあって、その想いはより濃くあった。私にストレートに刺さるか、と言われると「素敵だと思うものの一つ」くらいだったし、それ以降のシリーズについても、その友だちと宅飲みをしてる時に見せてくれるので飛び飛びに「ぼんやりと知っている」というまま、程よい距離にある作品だった。
その中でも、今回の「KING OF PRISM Your Endless み〜んなきらめけ!プリズムツアーズ!」を早い段階で見に行こうと思った。
………というか、Twitterで「キンツア」と聞くのもあってキンツア、キンツア、と認識していたけど、正式名称こんな名前なんだ…?(公式サイト観た)
え、これ、すごいタイトルじゃないですか?これ、もう、このタイトルだけで今回の作品の「「「良さ」」」が詰まってる気がする。
そう、そうだよ、「Your Endless」だったし、「み〜んなきらめけ!」だった。これ本当に、キンプリはもちろんですが、「プリティーリズム」シリーズ、「プリパラ」シリーズ、「キラッとプリ☆チャン」、「ワッチャプリマジ!」それぞれが大好きな「あなた」に贈る物語だったよ…。各シリーズ知らなくても「そう」だと思う。
キャッチコピーの通り、いつかのあなた、「君とつながる」物語なんだよ…!!!!!!!!
あと、とか書くと、「じゃあ知らないと合わないか」と思われそうだけど違うんです。ソースは私です。ほぼ「知らない」に近い状態の私が刺さってるんです。ぼんやり履修してるじゃん、って言われそうだけど、違うんです。私はガッツリ知らなくても「いいな」と触れるたびに思えるとこの「キンプリ」という作品が好きなんです。
で、なんで「いいな」と思えるかっていうと「誰かの好きを信じる」物語たちだからなんです。
それって、私が好きな、信じていたいと思うことの一つなんだ。何かを好きだと思うことは正直、良いことばかりだというには苦味だってもちろんあるんだけど、それでも、それでも、良いものなんじゃないか、こんなに綺麗で優しいものなんじゃないかって信じられる、そんな物語が一条シンくんをはじめとするSePTENTRIONたちの物語ってあると思うんですよ…。
今回の物語はSePTENTRIONのみんなが十王院グループの新作のタイムマシンに乗って過去の色んなプリズムショーを観に行くことから始まる。
未来にはまだ試作の途中なので安全性に問題があり行って戻れる保証はない、と言い(そんなマシンに乗っていいのか、とはツッコミを入れるだけ野暮なんだろうな、と思うことにする)彼らは過去の自分たちの、また歴代スタァたちのショーを観に行く。観たことがある、あるいは話だけしか知らないショーを観てきらきらと目を輝かせたりする彼らを観ながら本当に彼らはプリズムショーが好きなんだな、と思う。
私はもちろん、全てのショーを知ってるわけではないので、「そうなんだ?」と思うことがたくさんあったり、スタァのステージ上以外の事情を知らずに観ていたりもした。だけど、それもまた、良いな、と思った。
映画を観るたびに思うのは私は「ステージを降りた後」の彼らをほぼほぼ知らない。どんな事情や想いがあるか、関係値を知らないまま観ている。あの作中の観客たちに近いような感覚。
スタァの日常を知らずに、でもそのきらめきを楽しませてもらっている。知りたい、とも思うし、知らないままこのきらめきを浴びる贅沢を味わいたい、とも思う。
この贅沢な楽しみ方が出来るのはミリ知ら、あるいはぼんやり知っているだけの私たちだけだったりする。それはそれでいい。
でももちろん、知っていて観るからこそ理解ることがある。それも羨ましい。実際観終わって友だちから「あのキャラはこういう背景で」と教えてもらってから「それはものすごく素敵じゃん…!」と悶絶したりもした。
そういう意味でも、どういう状態でも楽しめると思うのだ。
ともあれ、そういった意味でスタァたちを知っている、同じスタァであるSePTENTRIONたちが目をきらきらさせて観ていることって素敵だ、も思うのだ。
ああ、プリズムショーが好きなんだ。スタァになる前、彼ら自身がプリズムショーに感動してわくわくして、それを知っている人たちが今度はそのきらめきを届ける側になっている。
しかも、スタァになってもなお、「元気を出す」こと、良い気晴らしがプリズムショーを観に行くことって、もうそれは、大好きじゃないか。
なんだか、そんなことにまずは嬉しくなっていた。
それから、今回、Twitterなどでも話題になる「あの声優さんがこの曲を歌うぞ!」という各名シーンもすごかった。
すごかった、と言いながら、これまた音楽の感度や知識が浅いので、分からない、受け取れていないことも色々あると思う。あると思うけど、わくわくする。
それって、名曲が名曲と言われる所以だよな、としみじみ思った。
スタァのスタァとしての説得力を力強く、名曲が支える。名曲の名曲としての凄さをスタァたちが表現する。
それって、かなり、格好いいことだった。色んな人たちが夢中になるのがわかるな、と思うし、あと、シンプルに製作者さんたち、この曲たちのこと、好きなんだろうな、と思ったりもした。
愛があるシーンと単に言うのも雑だと思うけど、でもあれって、そういうシーンだったと思うのだ。
そうして。話題になっていたそれらのシーン以上に、私は後半のシーンに夢中になっていた。
それまで穏やかに楽しく、ああ明るくて良い作品だなあと思っていた私も、歴代の「プリティーリズム」シリーズ、「プリパラ」シリーズ、「キラッとプリ☆チャン」、「ワッチャプリマジ!」の彼らと合流してからのシーン、分からないのに、勝手にもう、物凄くグッときてしまった。
シリーズをそんなに詳しく知ってるわけじゃない。わけじゃないけど、きっとその作品たちが色んな人たちにわくわくだとか勇気だとかともかくきらきらした、まっすぐしたものを伝えてきたことがわかる。
私はいわゆるティーン向け、女児向け、男児向けの作品が好きだ。好きだ、というのは詳しいということではなくて、そうじゃなくて、大人の眼差しが柔らかくちゃんと子どもたちに「幸せでありますように」と向けられた作品が好きだ、と思うのだ。
そしてだから、大人になってもそういう作品に触れた時に「ああ良いな」と思う。
そんなわけない、嫌なことも嫌な奴も救われないこともたくさんある。おしまいだよ全部。そんなことを日々「大人」として生きているとめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ思うけど、でも、そうして「幸せでありますように」と祈られていた頃があって、それってその時だけじゃなくて「今」にも繋がる話なんだよ、と「子ども向け」と言われる作品に触れるたびに思うのだ。
子ども向けって、つまりはどこか、全員、に向けられた物語なんじゃないか。多少、オーバーかもしれないけどそう思う。
そう思いたくなるくらいまっすぐにSePTENTRIONのみんなが、過去の作品の彼らが、大好きだよ、今でもここにいるよというのを届けてくれていた。そう思う。
と思うのも、この作品たちを「好きだ」と思って発信して、楽しみ続けた人たちの熱量がこうして続くシリーズを支えたんだ、と思っているからかもしれない。でも、だって、そうじゃないか。
私が門外漢ながらにキンプリのシリーズを見るたびに嬉しくなるのは「知っているよ」とシンくんはじめ、画面向こうの彼らが愛情をしっかり受け止めてくれているからだ。
シンくんがこの作品で口にする、「みんな」を信じる言葉を今も思い出してる。たったひとりの特別ではなく、みんなやみんなの力を信じている。
ひとりじゃないと信じている。その強さが、彼にはあるんだ。
そしてそれは、まっすぐに茶化すことなく相手……スタァたちのことを大好きなみんなの愛情を受け取って、疑うことなく、大切にしてきてくれたからこそだと思うのだ。
その物語の美しさに今もまだ浸っている。そうだったら良い、と思う。そのことを、この作品で届けることの優しさが、私は好きだったのだ。
ところで、次はちょっと彼らを知ったまま観たいと思う。ちょっと復習、予習してから観たいな。あなたがここに辿り着くまでの道を見届けてきた、と思って観るあのステージは、さらにきっと、美しいものだと思うので。
↑キンプリってそういう「愛情を届けて受け止め合う」物語なんだ、と実感した前回映画の感想はこっちです