映画を観ないとしぬ、と思った。どう考えても仕事を放り出して帰ったので明日の私は怒り狂うかもしれない。
さらにはただでさえ色々と職場の人間関係に頭と胃を痛めているくせに映画の時間とそれまでにご飯を食べることを優先した。一切愛想などなかっただろう。やっぱり明日の私、マジギレかもしれない。
それでも、映画を観たかったので、許せ、と思う。
こんなに映画館で映画を見るようになったのはそれでもコロナ禍だった気もする。いや、その前も細々と映画を観ていたし、人並みから毛が生えたくらいは観ていた気もする。
だけど、「映画館に今日行かないと死にます」はあの、2020年、2021年に出来たクセだと思う。
ひとりで、でも独りではなく、そんな場所。
そこはひとりだから好きだ。
そしてそこでお芝居を観る。好きな役者さんの出る、好きな監督の作品。
いつか観た景色がつながる、でも真新しい物語。
大きく息をする。嬉し過ぎるな。
そういえば今朝、来月、大好きなひとの熱海殺人事件を観るのだと気付いて通勤路、「おっっっっっしゃ!」と叫びそうになった。不審者なのでやらなかったけど、マスクのしたは、絶対ニヤニヤしていた。
いつだかに願った願いがかなう。
好きな人の、好きなお芝居が観れる。こんな贅沢が、あるだろうか。
分からないことばっかだと思う。喋れば喋るほど。考えれば考えるほど。
でも、そうしないとまともに動けないから考えて考えて考えて。だから余計にひとの考えない、を許せなくなって、その「許せない」にも腹が立つ。
全くにっちもさっちも好き過ぎるけど、今日の私は好きな映画を観て、そこでお酒なんかも飲んじゃったりして。ここにいるけどここにいない。それに何より、数週間後、好きな人の好きなお芝居が観れる。
分からないことばかりの情けなさすら、その明確な幸せが打ち消す。そう思う。