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ソニーパークを「公園」と呼ぶ人へ : 公園の現在地vol.3

2025年1月にオープンした銀座ソニーパークが、「すごい、銀座の真ん中にあるのにまるで公園」という声が多いと聞きます。

たしかに、2018-2021は解体後の土地の地上レベルを「公園」にしていました。しかし、建物が建ったあとも「まるで公園」なのでしょうか ? それって立体都市公園的なもの ?

パークのHPでも「来園」「開園」という言葉が使われています。開園時間は11時~19時です。渋谷区立宮下公園は「営業時間」と書いてるのにね。

www.sonypark.com

 

「まるで公園」説は。

1Fがすべて吹き抜けで開放空間である。

たしかにもっとも集客力のあるグランドレベルに商業施設を置かず、道路とつながったピロティにしています。なんと2Fも何もありません。

座れるところがたくさんある。

これもそのとおり。東京の多くの場所(公園もビルも)では、「カネを払っていない奴を座らせたら負け」「屋根は論外。カネを払わない奴は濡れていろ」という思想で街がデザインされています。そんな中にあって、屋根も椅子もあるのがソニーパーク。

とにかく階段と吹き抜けが地上4F地下3F(屋上を5Fと表記)のビルのほとんどを占めています。

各階にはさまざまな形での座る場所もあり、メインの階段のほかにも小さな裏階段があったりします。もちろんエレベーターもあります。

 



しかしあたりまえですが、これは純粋階段ではありません。銀座の真ん中に純粋階段を新築したのだったらすごいことですが。

では、ソニーパークとは何をするところなのか。

訪問した2025.5.1はSONY Park 2025展が開催中でした。6組のアーティストのコンセプトによる空間展示が各フロア(B2、3F、4F)で展開されています。事前予約制で定員満了(現在も)なので、入ることはできませんでしたが、無料ですべて見られる。7月からはスヌーピー展がはじまり、これは一般1300円というふつうの展覧会のようです。

 

商業施設と呼んでいいのかわかりませんが、かろうじてB1に物販があります。

公園にも美術館にもありがちなカフェすらありません。来園者は手に手にカップやらフードやらを持っている、ということもありません(持ち込みは可)。今HPを見たらB3にカジュアルダイニング1/2が入っていますが、B2が地下鉄連絡口なので、その下と上階ががつながっている感じは薄いです。宮下パークと逆ですね。

 

地下鉄からのアクセスです。

かつてのソニービルの痕跡が保存されています。

つまり、この建物自体がSONYのメモリアルパークであり、SONYという会社そのもののイメージ広告のようなものなのでしょう。

銀座には銀座プレイスにショールームとギャラリーがあります。商品が飾ってあったり、デモをしているのはそちら。

 

銀座の高さ制限は56m(1998年までは31m!!)ですが、周囲(エルメス)と比べても4F建ては圧倒的に小さいですね。

しかし、これはやはり「公園」ではありません。こうしたものを呼ぶ名称はちゃんとあります。それは「公開空地」。ビル内外のアトリウムや庭、歩道などを「公開」することですが、たいていはそうすることで「高さ制限」「容積率」のボーナスを得るために作られます。「座らせたら負け」「雨を避けさせたら負け」の思想で、なるべく公開されないように作られたものも多いです。

そうした公開空地に比べれば、ソニーパークは太っ腹で、ビルそのものが公開空地化しているという稀有な例です。しかもボーナス使用を拒否するどころか(銀座ではボーナスでも高さ規制は曲げられない)56mよりはるかに低いし、容積もスカスカな「損するビル」を建てている。

自ら損を取るのは立派でおしゃれなことです。

それでも、これは「公園」ではない。

 

 

これを「公園」と呼ぶと、次はこれを「森」と呼ぶことになります。

大手町駅に直結の大手町タワー通称OOTEMORI(東京建物)の「大手町の森」です。広さ3600㎡、タカ、ハヤプサ、メジロなど(ほんと?!)さまざまな生態系が確認されているという、「都心の森」だそうです。

小池都知事も「まさに森ができた」と絶賛していました。

OOTEMORIとは| OOTEMORI オーテモリ | 「大手町」駅直結/商業施設

 

しかし、実際の印象はビルの周囲に張り付いた「ひょろっとした細っこい木(小池都知事の樹木伐採を批判する人たちがよく使う言い方)」があるだけで、大手町のオフィスワーカーたちが「森に来た!!」と考えているようには見えません。これを「森だ!!」と感じる人がいるようなら、都会の感性はかなりヤバいところまで鈍化しています。

 

とはいえ、ソニーパークの向かいにある数寄屋橋公園も、まるで「ビルの前庭」の公開空地のような空間になっています。

公園が公開空地化し、公開空地が「まるで公園」と呼ばれる東京は、なんだか「都市化」への過剰適応の戯画のようになっています。

 

 




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