はじめに
男性声優楽曲大賞について
2013年頃から同時多発的に始まった、男性声優が歌唱する楽曲の1年間のリリースから好きな曲を選ぶ企画に便乗しています。投票形式の元ネタとは違い完全に個人によるものです。元ネタに倣ってランキング形式をとっていますが、個人としてはあまり関係なくやっています。
過去のエントリはこちら→男性声優楽曲大賞 カテゴリーの記事一覧 - トロピカル墓場
2024年についての所感
KOTONOHOUSE、原口沙輔、山田ギャル神宮、lilbesh ramkoなど、普段自分が声優楽曲以外で聴いている音楽に近い人たちが男性声優コンテンツにも提供していた印象。『電音部』以降、みたいな流れが男性声優にも波及しているのかなーと思っています。とはいえ、自分の関心はやっぱりキャラクターソング中心だし2022年の楽曲大賞で書いた声の加工に対するものであると思いました。
インターネットの速度が速すぎるから、自分の好きという気持ちをちゃんとアーカイブしたいと思って個人ブログないし楽曲大賞をやっていましたが、最近「好きを言語化する」空気が資本に吸収されてセルアウトのツールになっている空気を感じており、嫌だ~と思っています。なので、いい曲のリリースはたくさんあったけど、自分を突き動かしてこのぐにゃぐにゃした文章を書かせる曲だけ選んで、いい曲はあなたが勝手に見つけてください、という感じになりました。
このエントリの構成
- 曲名
- フル公式動画があれば公式動画、なければiTunesの試聴リンク
- アーティスト名(CV担当声優名)
- 楽曲クレジット
- レビュー
- はじめに
- ルール
- 20位 Let’s!キラキラアドベンチャー☆
- 19位 Silhouette
- 18位 14人のオトナ
- 17位 Delight Excursion
- 16位 うそ
- 15位 EGOlution
- 14位 Beautiful Life
- 13位 ラヴラヴ☆ギャンブル
- 12位 BE WITH YOU
- 11位 incomplete
- 10位 Fadeaway
- 9位 Treasure
- 8位 Meteor-light
- 7位 騙し合いのボレロ
- 6位 BRIGHTEST AWAKING
- 5位 Brand New Dawn
- 4位 Good Good Games
- 3位 About Us
- 2位 Continued
- 1位 Blade of defiance
- おわりに
ルール
・2023年12月〜2024年11月に発表された男性声優の楽曲が対象
・1枚のアルバムから選べるのは1曲だけ
・ただし、これは!という1枚のみ2曲選んでもいい
20位 Let’s!キラキラアドベンチャー☆
歌:明星スバル(CV.柿原徹也)、葵ゆうた(CV.斉藤壮馬)、椎名ニキ(CV.山口智広)、仁兎なずな(CV.米内佑希)、天満光(CV.小林大紀)
作詞:こだまさおり、作曲・編曲:金山秀士(Dream Monster)
キャラクターらしさにグロテスクな片鱗すら垣間見える曲で、
歌い手が真剣に演じれば演じるほど、ある種のグロテスクさをまとい始めると思ってる / 超個人的男性声優楽曲大賞2017|は
これを読んだ当時はいまいちわからなかったんですけど、最後の「イエーイ!」を聴いたときに、このことだ……と思いました。
サビの歌詞が「やったー!」から始まるのがすごい。こだまさおりにできて松井洋平にできないことですよ、これが。2番に入ってテンションにもついていけるようになって、躁で頭空っぽハッピー的な曲かと思ってると、
歌で言うなら
2サビ前の
ちょい深いハナシ始めだすとこ
というメタ言及が突然始まったりしてとにかく感心する。他にない気持ちにさせてくれた曲なので選びました。
19位 Silhouette
歌:立科吏来(CV.小西克幸)
作詞:六ッ見純代、作曲・編曲:きなみうみ
駿河屋で90年代の乙女ゲームのキャラクターソングアルバムを買ったのかと思った。ムーディなAORサウンドをしっとり歌い上げる小西克幸さんの声……イイ!少し力をセーブして、細い感じのニュアンスの歌声が好きです。こういうレアグルーヴ的な曲の滋味、ありがたいです。この作品(『ブレイクマイケース』)はキャラクター歌唱曲もインストのゲームBGM(y0c1eさんが参加しています)も充実しているので嬉しく、期待して追っています。祠堂恭耶さん2曲目でアートコアやってくれませんか(呪い)。
18位 14人のオトナ
歌:カリスマ(CV.小野友樹、山中真尋、福原かつみ、細田健太、日向朔公、大河元気、橋詰知久)、小林私
作詞・作曲:月蝕會議・小林私、編曲:月蝕會議、Containing cover of “こいのぼり”
EVIL LINE RECORDSの10周年イベントをきっかけにした、シンガーソングライター・小林私とレーベルメイトである『カリスマ』のコラボ楽曲です。5月4日に開催されたイベントということで「こどもの日」を意識しており、『カリスマ』マナーに則り童謡のサンプリング+童心に返ったり大人の哀愁を歌ったりしているちょっとセンチメンタルな歌詞。
小林私のこんがらがった感じのナイーブさが、ハチャメチャなまま大人をやっている『カリスマ』の助走としても機能しつつ、シンガーソングライターってキャラクターソング的だよね、という(この視点は私的音楽同好会さんによるZINE『声色』Vol.01を読んで得たものでした)。
17位 Delight Excursion
歌:DRAMATIC STARS(仲村宗悟、内田雄馬、八代拓)
作詞:松井洋平、作曲:本多友紀(Arte Refact)、編曲:水野谷怜(Arte Refact)
DRAMATIC STARSの少しレトロなポップス路線の最高傑作更新!オープンカーが似合う完璧なサマーチューン!デートソングでありながらアイドル人生の未来に向けての期待や決意のメッセージも読み取れて、両立させている歌詞のバランスがすごい。「薫り」「輝く」「翼」とメンバーの名前が入っているのはもはやデフォルトかっていうくらい、松井洋平さんワークのサービス精神はすごい。2番サビ後の、フォーカスがぼけてキラキラした波を見ているみたいな、全体的にリバーブがかかったDメロから間奏に入るところ、気持ちよすぎる。
16位 うそ
歌:夢野幻太郎(CV.斉藤壮馬)
作詞:谷川俊太郎、作曲:巨勢典子、編曲:弥之助(from AFRO PARKER)・HIMURO Yoshiteru
Nujabes「reflection eternal」サンプリング元としても知られる巨勢典子のピアノの上で谷川俊太郎の詩「うそ」が朗読されるという曲。わたしは声優楽曲のうち、キャラクターソングに特に関心がありますが、全部が引用の歌詞に表されるキャラクターらしさってなんなのか?と考えるといろいろな可能性を秘めている曲だと感じます。
谷川俊太郎は国語の教科書に載るほどポピュラーだけど作品を見ると暗い、ということは特に氏が逝去した最近話題に挙げられがちでしたが、「うそ」もじめっとした質感があります。斉藤壮馬さんの力が入った語りによって、テキストで見たときの印象とは違って少しおどろおどろしいような響きをもっている。それが声優の仕事であり功罪みたいなものでもあるのだろうなと思います。ヒプマイ始動時からたびたび考えられる「キャラクター(声優)がラップする」問題に今一度立ち返らされる曲。
15位 EGOlution
作詞:Young Yazzy、作曲:羽山匠・藤本和則、編曲:羽山匠
浮遊感のあるサウンドの中のオートチューン最高!ありえないくらいボーカルにエフェクトかけられているので嬉しい……というだけで選曲したわけではなく。もちろん声への加工の関心もあります。 音楽の中ではキャラクターの命そのものとイコールである声が加工されて生の質感を失うことで捨象されるものはなんなのか・そこに残った表現ってなんなのかと考えるとかなりわくわくします。が、この曲で北村諒さんの声優演技の一段階進んだものを感じたのが大きいです。北村諒さんは他コンテンツでも声優として出演していますが、本業としては舞台メインの方だという認識でいます(最近の活動を『劇推し』とかしか把握できてないのでめちゃくちゃ声優の人になってたらすみません……)。だからといって声だけの演技が見劣りするとかはないのですが、この曲のバースでイツキの演技にアップデートされた感を感じ、感動しました。キャラクターソングってテクニックがかなり必要だと思うし、グループで歌っているとその粒度も合わせる必要が出てきたりするので……そういう意味で声優出身ではない方が2/3ながらまったく違和感のないとても完成度の高い曲だと思います(天月さんはもともとキャラソン歌唱がうまいと思ってるので特にノーコメントです)。場外乱闘的なレビューでスマソ……。
14位 Beautiful Life
歌:北門倫毘沙(CV.小野大輔)、金城剛士(CV.豊永利行)
作詞:Toru Ishikawa、作曲:Toru Ishikawa・SLAY、編曲:SLAY
この曲が入っていたアルバムは本当に全曲よくて!最後までどの曲が一番好きか悩んでいたんですけど、「Beautiful Life」のセンシュアルな緊張感が1曲中ずっと保たれるのは他のコンテンツの楽曲含め唯一無二だと思ったので選びました。踊りたい気だるさが本当にセクシー。金城剛士さんを演じているときの豊永利行さんの歌声ってケレン味強めなんですけど、その癖が出つつも楽曲全体のすりガラスみたいなトーンのニュアンスが損なわれていないのが絶妙。
13位 ラヴラヴ☆ギャンブル
歌:柿原徹也
作詞:Mio Aoyama(Blue Bird's Nest)、作曲・編曲:宮崎誠
入野自由さんはKiramuneの秀才ですが、柿原徹也さんはKiramuneの天才だと思っています。「SUGOI MUSIC」の話しないんかい、って感じですが、きっと誰かがしてくれることでしょう……。
今年キンドラの舞台挨拶で柿原徹也さんを見て、やっぱり天才だと思いました。彼のアーティスト活動は様子のおかしさを楽曲に昇華するのが本当にうまいと思います。とびきりポジティヴで聴いてて笑っちゃうくらいなんですよね。柿原徹也はRh-のAB型ですよということをずっと歌ってる「レッスン AtoB」は来年10年前の曲になりますが、ずっと変わらないテンションとクオリティの楽曲を発表しつづけている……。柿原徹也さんという現象みたいな曲の象徴として新たなアンセムになると思ったのがこの曲でした。
Uh やるせない 申し訳ない
我が家は代々
ヤバイくらい賭け事ヨワイ
でも引くに引けない
こういう歌詞を歌うのが本当にうまい。
12位 BE WITH YOU
歌:IDOLiSH7(CV.小野賢章、増田俊樹、白井悠介、代永翼、KENN、阿部敦、江口拓也)
作詞・作曲:Matt Cab・yukinonape・BBY NABE、編曲:Matt Cab
こ……これは……Snail's House「Hot Milk」と一緒に聴きたいタイプのキュートでlo-fiな冬の歌だー!と大興奮しました。この冬の歌だー!を感じさせるニュアンスが絶妙で、シャンシャン……みたいなクリスマスって感じの音は使われていないのに雪やロマンチックな寒さやホリデー感を感じさせるのがすごい。
甘い歌ばかり流れてる
僕のイヤホンどうかしてる
かわいすぎて一瞬で心をつかまれる歌詞。
11位 incomplete
歌:古川慎
作詞:中村彼方、作曲・編曲:Kyota.
古川慎さんはやっぱり生楽器を前面に押し出した曲よりやや電子音まじりの曲がとてつもなく似合うと思うんですよねー!というわけで「Forsaken kiss」系統のこの曲がよかった。サビ終わりとか、毒っぽいくらいくどめの歌い方だけど、バックで鳴ってるブラスとの張り合い(?)を感じるというか、もはや楽器みたいな豊かさのある声。中村彼方さんが男性声優アーティストに提供、というのも新鮮でした。
10位 Fadeaway
作詞:SIMON、作曲・編曲:LOWEND ORDER
これ本当は発表(アニメ放送日)は11月なんですけど……リリースは12月で……ルール違反な気がするけど……リリース日はフルの発表日ということでなんとかなりませんか……。ルールはハックしていこう。
イントロのただ切り貼りされて無感動・無機質に繰り返されるだけの声がめちゃくちゃ好きです。全体的に諦念を感じて、自嘲や後悔のニュアンスがありつつも置きに行くようなボーカルなので、悲痛な叫びっぽくも聴こえる「Oh」のメロが胸に痛い。吐息多めな感じのラップを普段からする2人で、わたしは特に寺島惇太さんのダウナーな感じの演技にあまりハマったことないんですけど、この曲はすごく好きだと思いました。
青白く広がる青空の下Chillin'
「青く」じゃなくて「青白く」なのが病んだ雰囲気と合ってて好きです。
9位 Treasure
歌:土岐隼一
作詞・作曲・編曲:小松一也
土岐隼一さんといえば、個人アーティスト活動ではシティポップっぽい曲を展開しているイメージでしたが、Jersey Clubっぽいネタやフューチャーな感じのサウンドとも合うんだ……!という衝撃。オケヒが連発するのにダサさは不思議と感じない。日本語訛りの英語詞が、なめらかに通るボーカルの中で少し引っかかりを残しているのが好きです。このアルバムでは「Re: Feel」もすごくよかったけど、新たな一面を感じたこちらを選曲。
8位 Meteor-light
歌:Twi◾️◾️light(CV.林勇、鈴木崚汰、土岐隼一)
作詞:白神真志朗・岡村大輔、作曲:岡村大輔・白神真志朗・堀江晶太、編曲:白神真志朗・岡村大輔
土岐隼一さんの声ってロイヤルすぎてそういう曲じゃないとやや違和感があるときがあるのですが(それも「妙」だと思ってますが!)、この曲はロイヤルじゃないのに馴染んでいてすごいと思ったのがファーストインプレッションでした。左右にリバースエフェクトの音が細切れに鳴ったり、ディストーションがかけられたギターがバリバリしたり、滅びゆく地球を舞台としたこの作品の、終末系っぽさがサウンド面でも強調されています。Aメロ・Bメロ・サビなどに該当する箇所はありつつ構成は変則的になっていて、展開や轟音に圧倒されていると唐突に終わるので、背中を追いかけたくなるような気持ちになって何度も聴きたくなる。
7位 騙し合いのボレロ
歌:ルチアーノ[摂津万里(CV.沢城千春)]、ランスキー[兵頭十座(CV.武内駿輔)]
作詞・作曲:沖井礼二(TWEEDEES)、編曲:沖井礼二(TWEEDEES)・渡邊シン
『A3!』に沖井礼二さん(Cymbalsなど)が楽曲提供するとわかってからずっとわくわくしつつも、今までの提供曲にじつはピンときていなかったところがあるのですが(これはたぶん沖井さんの軽やかな女性ボーカルワークが好きだから)、「騙し合いのボレロ」でやっと成就したような気持ちに。沢城千春さんのもったりした歌声をこれ以上ないくらい上手に使っていて、ゴージャスかつ重すぎないサウンド。あとやっぱり歌詞が洒脱でいいな……と思います。
6位 BRIGHTEST AWAKING
作詞・マイクスギヤマ、作曲・編曲:中土智博
ベースやビートのリズムパートが複雑で、声ネタとか入りつつもずっとエキゾチックなムードが漂っている。Bメロ、でっかいドラムと細かいハイハットがぐっと増えたところでボーカルも低音なラップに入り、「止めどなく予感が あふれ出すよ」でまさにあふれ出すように伸びやかに、ファルセットが多用されるサビに繋がる……という一連の流れがとてもテクニカル!なだれ込むように高速の音が増えたり止まってみたり、バックトラックの緩急がすさまじくとにかく気持ちいい。
5位 Brand New Dawn
歌:R1ze(CV.小笠原仁、小林千晃、中島ヨシキ、深町寿成、水中雅章)
作詞・作曲・編曲:佐伯youthK
自分はキャラクターソングにおける声の加工に関心があることを書いてきたんですけど、その感覚が一般的じゃないと最近気づきました。声に対する一般的な感覚って「いい声なんだからオートチューン使わない方がいいですよ たじはる推しです!」(田島ハルコ「女子美の狂犬卍」)なんだろうな……と思うし、「Brand New Dawn」でこの話題を出したのはこの曲が『18TRIP』の楽曲だからで、『18TRIP』には原口沙輔が提供しているキャラクターソングがあり、それが原口沙輔の普段のワークに期待していた感じとは違ってボーカルがめちゃくちゃ素っぽいミックスだったことがちょっと残念だったから、自分の声の加工に対する感覚って逸脱しているんだろうなーと思いました。
やっと「Brand New Dawn」の話になります。いろいろ書いてきたとはいえ、なんでもかんでもボーカルを加工してほしいとかではなくて曲の雰囲気に合わせてやってほしいのはもちろんで、この曲は無害な感じのファンクなので素っぽいミックスがちょうどよく耳に心地いいです。女性コーラスが入ってるのがちょっと「PLASTIC POKER」っぽい。歌詞の押韻が気持ちよく、声優歌唱だから・自然なトーンのボーカルだからこそ耳に届くニュアンスがある。歌詞が洗練されていていい意味でキャラクターソングっぽくないのですが、ラップ部分にキャラクターの名前が入ってる遊び心もすばらしいです。
夜が長いほど 溢れそうな涙が
輝いて朝になる
ごめんねの夜が いま
ありがとうの朝になる
サビ前のそれぞれのここの歌詞が、ちょっとした心細さやネガティヴ寄りの事象をなかったことにしないで描写していて、嬉しくなります。
4位 Good Good Games
歌:和泉一織(CV.増田俊樹)、和泉三月(CV.代永翼)、十龍之介(CV.佐藤拓也)、狗丸トウマ(CV.木村昴)
作詞:FUNK UCHINO、作曲:TAKAROT・FUNK UCHINO、編曲:TAKAROT
とびきり陽気なファンク!サビに入るときの多幸感すごい。Hi!Superb「Happy Life Spectacle」以来の多幸感。無骨さ強めな木村昴さん・ザいい声な佐藤拓也さんという低音2人とややナイーブさを感じる高音2人という個性の強さが耳にほんの少し異質さを残しますが、ハッピーな雰囲気とボーカルを違和感なく調和させているバックトラックのバランス感覚が好きです。サビ前にTrapっぽいリズムが入って1回潜ってから魔法がかけられるみたいに開放されたり、ラストは止めが入って焦らされるのもたまらない。
3位 About Us
歌:XlamV(CV.土田玲央、河西健吾、小林千晃、浅沼晋太郎、古川慎、村瀬歩、畠中祐)
作詞:Shogo、作曲:Shogo・加藤祐平、編曲:加藤祐平
1番と2番でメロディーががらっと変わってるのにシンプルな感じがするのと語りっぽいラップパートもあるのに声優歌唱にあまりくどさを感じないのが不思議でめちゃくちゃ聴いてしまう……。MVがファインダー越しのキャラクターの画なんですが、バックトラック全体のくぐもったような響きとイメージが重なる。2番サビ前の嘆息っぽい「Ah」や村瀬歩さんパートのハミングのような「Uh Uh」、古川慎さんのちょっとスクラッチっぽく刻まれた声とか、歌声未満のような表現が散りばめられていて、シンプルな中で拡張された声が聴けてとても好きです。
2位 Continued
歌:四十物十四(CV.榊原優希)
作詞・作曲・編曲:lilbesh ramko
ごめんくださーい!!!めちゃくちゃlilbesh ramkoさんのこと好きで……『徘徊collection』がリリースされたとき、ヒプマイに提供してくれないかなーとオタクの夢物語として言っていたんですけど、まさか実現すると思わず嬉しすぎて……(しかも波羅夷空却さんに提供してくれないかなー(葉山翔太さんの声を割ってほしいので)と言ってたのでナゴヤで嬉しい……っていう)。
初めて聴いたときは、これまで散々述べてきたように普段のラムコさんのワークと比べてボーカルの加工についてそっそっかー(泣)となった部分はあったのですが(音割れ 本来は良くない)、それはそれでラムコさんと二人三脚している感じもあって好きです(自分の好きな人にだけ都合のいいことを言うオタク?)。音のパツパツした感じはけっこう健在で、おおっとなりました。
絡まってます 頭の中
から蹴っ飛ばした
ここのひとつながりの文章っていう感じより、内側にあるものがひとつずつこぼれるような言葉運びが好きです。
クソみたいな日常にfuck
明日から頑張ろっか
(泣)
1位 Blade of defiance
歌:ISADORA(CV.田丸篤志、葉山翔太、ランズベリー・アーサー)
作詞:真崎エリカ、作曲・編曲:fu_mou
今年の自分にとっての音楽全般が無敵なものじゃなくなっている感覚があり、ずっと今年はなにもやらないしやれないのだろう……と思っていたんですが、やるぞ!という気持ちになったのはこの曲にショックを受けたからでした。
最終的に全体はNJSなんだけど冒頭6秒からありえない音がするしTrapなパートもドロップもあるし、なんでまとまってるのかわからないけどとにかくかっこいい。ハードな感じとNJSのちょっとモタついて揺らぐ感じのバランスが、大人と子どもの間にいる3人の危うさっぽくて……。ランズベリー・アーサーさんの歌唱が全体的にシリアスでクソかっこいい。ボーカルの派手じゃないけどこまごまと散りばめられた加工も緊張感がある。
喰らいすぎていてなにも言えないのがここまでやってきたことを無に帰す感じがしますが、こんなふうにわたしをメチャクチャにしてくれる音楽が大好きだし、だから音楽が大好きだし……みたいな……。
どれだけ拙くてダサくてもいいから「Blade of defiance」の話をしたかった。
概論じゃ括れない
up downだらけの日常は
(woah)
Eat shit
Hey ナメんじゃねえぞ
やってくしかないだろ!!!!!
おわりに
「マジカルラブ」の話は誰かがするだろ……みたいな感じでやりはじめたんですが、書いていたらなんだかんだ楽しめたところもありました。冒頭に書いてた好きの言語化とかの話になるけど、わたしにとって年ベスを決めるのって苦しいしインターネットになんでもかんでも書きたくないときもあって、だから今年の世の中の音楽垢(?)の動向にけっこうおお……(引)となるものもありました。
あと、今年は「男性」声優とする必要について考えていたんですけど(これは紅白歌合戦みたいな話です、いい音楽の話をするときにかかわっている人の性別の話をする?という疑問)、男性オタクによる女性パフォーマーの語りが主流になっている中で男性声優の話をしたい、というこの企画の初期衝動(だと、なぜ男性声優楽曲なのか - 自由研究を読んでそう解釈していますがあくまでわたしの場合です)に立ち返ったり。(女性の)自分語りがいまだ軽んじられる風潮のあるインターネットで生存戦略したい……というかむしろ「女オタク」の語りって爛熟している感じもあるのですが、とにかくそういう時代の中で自分はここにいるという話をしたかったような。
べたべたといろいろ書いてしまいましたが、この企画がおもしろいと思ってくださったら、ぜひあなたの男性声優楽曲大賞をやったりやらなかったりしてみてください!
