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ものがたりということ

近況:もうちょっとで就職できそうだった仕事の話がふりだしに戻ってしまった。

……

時間がいっぱいあるから二次創作とか一次創作とかやり放題じゃんとか思って、思ってたんだけど、全然できなくなってしまった。そりゃあ3週間くらい前は車道に飛び込むイメージを繰り返してた人間が創作活動なんてできるわけがないんだけど、愚かなことに「スランプかな」「インプットの時期なのかな」とか思って、最近図書館によく行っていた。最近はその事実(創作なんてできるわけねーだろ)にも気づき始めたので、今の状況でも読みやすそうで、「本を読めた」という達成感にも手が届きやすそうな詩集を読んでいる。

先週、最果タヒを借りようとしたら、『さっきまでは薔薇だったぼく』以外借りられていたので、『さっきまでは薔薇だったぼく』を借りてきた。最果タヒはちゃんと読んだことはなくて、ずっと昔に作品を見た時組版がかなりデザイン的で詩ってこういうこともしていいんだと思ったことだけ覚えている。

それで読み始めたら、結構しんどくなってしまった。この前に川口晴美の『やがて魔女の森になる』も読んだんだけど、それより心のやわらかな、今無防備になってしまっている、ならざるを得なくなっている場所をえぐっていく感じ。死というフレーズが直接何度も登場するからかもしれない。なので、あとがきを先に読んだ。

この時代に詩でどのようなことができると思いますか、と聞かれることがあり、(…)多分あの問いは、詩にできること、ではなく、心そのものにできることについて聞いていたのではと今は思う。

生み出す結果が間違いであることはあっても、心の素朴すぎる脆さが、人間にとって不要だとは思えず、それがなくては美しい景色を前にして、説明もできないまま泣いてしまったり、愛してもらえなくてもその人を愛したり、できないと思う。

私は心を持つから、心があるというそのことで傷つけられることも、傷つけることも、争いに巻き込まれることもあるけれど、私は、心を持つから、人に心があることを、きれいだと思います。

最果タヒ「あとがき」『さっきまでは薔薇だったぼく』p.92-93、2022年、小学館

中略していますが、読んで、刀剣乱舞のことを思い出しました。刀剣乱舞の諸メディアミックスでは、「物が語る故、物語」というフレーズが登場します。

舞台『刀剣乱舞 虚伝 燃ゆる本能寺』で、山姥切国広が三日月宗近になぜ刀剣男士に心があるのか問うシーンがあって……今DMMTVで刀ステシリーズを月替わりで月額配信しているのですけど、5月のラインナップに「悲伝」があって見返したこともあり、「悲伝」で三日月宗近が刀解(原作ゲームの刀剣男士の状態から材料に戻す機能)される前に「虚伝」を回想しながら山姥切国広と手合わせをするシーンを思い出しました。

「悲伝」は繰り返し同じ内容を上演する舞台のシステムをループになぞらえ、千秋楽のみ一部の演出が変わる=ループから脱するという、脚本・演出家ファンからしてもやってんなあ!って感じの舞台です。本丸が襲撃されるという激ピンチの時の劇半がカノンだったりするのとかもやってんなあポイント。末満さんエヴァ好きか?って感じなのですが、殺伐シーンで「今日の日はさようなら」が流れるのは大槻ケンヂの小説『ステーシーズ』の方が先で、末満さんは『ステーシーズ』の舞台化をやっているのですよね(そういえば末満さんのヤプログ!のログは、インターネットのどこかに残っていたりしないのでしょうか……)。

「虚伝」では物である自分たちが心を持つことに振り回されるさまを嘆き、自己愛とコンプレックスに苦しみながら成長する山姥切は、「悲伝」でもやっぱり心に振り回されて、心に非(あらず)と書いて悲しいというのは皮肉だと、そう結ばれます。それが美しいと感じてしまうのは、やっぱりわたしたちにも心があるからなのでしょう。

美しい景色を前にして、説明もできないまま泣いてしまったり

わたしは舞台のことを思い出してしまいました。舞台とは人間の生を目の当たりにすることだと思っているのに、同時に景色だとも思っているのは不思議です。

あと、Lily Furyのアルバム『Hinemosphere』のことも思い出した。景色というのは、見るものだけではなく心に描くものでもあるのは不思議だけど、それは当たり前のことでもあるのかな、と思います。よく見えるということはそれ自体特権的であると、「SS名刺メーカー」(テキストを画像化できるWebツール)で背景つきのものはよく見えないからALTテキストで読んでいると言っていた同人作家さんのツイートをタイムラインで見て、どきっとするような気持ちになったことをいつも覚えている。




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