週明け調査。めっちゃ寝たのに午前中ずっと眠かった。
『ワールド』はジョージ・ラックスが活躍する時期に入ってきた。アシュカン・スクールのLuksだと言えばわかる人が1人くらいは増加するか?ヨーロッパでゴリゴリ絵の修業して1893年にニューヨークに戻り、1896年から『ワールド』で本格的に描き始めている。他のアーティストに比べて線が明らかに太く、ストロークの強弱がはっきりしていて、解剖学への無視が際立っている。同時期のパリの雑誌とかで見る感じだ。けっこう風刺が鋭いというか、アメリカの風刺カートゥーンは何が描き手にとって正しいのか割とわかりやすいことが多いのだが、ラックスはナンセンスに進んでいる印象がある。
で、彼は別の新聞にヘッドハントされたアウトコールトに代わって、10月から『ホーガン横丁』を引き継ぐことになる。ちなみにアウトコールトは『ワールド』からいなくなったわけではなく、普通にヘッドハントされた翌週に『ワールド』に描いていたりする。
ラックスの『ホーガン横丁』はアウトコールトに比べると劣るみたいな評価をされることも多いのだが(最近の研究ではそうでもないけど)、実際読んでみると風刺がキレッキレで、個人的にはアウトコールトより好きかもしれない。ヘッドハンティングによってイエロー・キッドが別々の2紙で同時並行連載されることになったのを受けて、アウトコールトは「お引越したぜ!」みたいなエピソードを描くのだが、ラックスはというと「俺が本物のイエロー・キッドだ!他のは全部偽物だ!」みたいな台詞を書きながら、キッドによく似た子どもを何人も増殖させていく。増殖したキッドは、双子キッドとかカエルキッド、賢すぎて脳に特許ついてますキッド、馬乗ってるキッドなど、ドラえもんズとかオリカビみたいに、キッドのヴァリアントとして別の存在感を獲得していく。対抗してアウトコールトも双子キッドを焚き火で燃やす話を描いたりするのだが、やはり過激さではラックスに分があると思う。ちなみにラックスはどえらい酒飲みで、禁酒法が撤廃された翌日に飲みすぎて朝道端で死んでいるのが発見されたそうである。
アウトコールトの『ホーガン横丁』が載っている誌面はラミネートで保護されていたり余白にブラックビアードの書き込みがされていたりするのだが、ラックスの方は一切そういうのは無い。言説ですねぇ!
昼はチポトレ。ボウルではなくブリトーにする。芝生で食べてたら東アジアっぽい顔をした中年男女が寄ってきた。宗教勧誘か、と思っていたら、やはり宗教勧誘でした〜。この世は誰に作られたと思いますか?神はいると思いますか?云々と書かれたカードを渡される。ひっくり返したら文鮮明夫妻の写真が載っていた。イエーイ!臨済宗の仏教徒ってことにして追い払おうとするが、お互い日本人であることが発覚、日本語で話し始めてしまう。ダルいな〜と思いつつも日本語がちょっと嬉しくて話してしまう。2人は日本出身らしい。なんでオハイオくんだりまで来て勧誘してるのかは聞けなかった、というか聞いたら話が広がってしまうので聞かなかった。どうせ派遣されて来たんだろう。彼らは今の日本における統一教会の状況を知っているのだろうか。
ブリトーはまだ半分以上残っていたが、いい加減ダルいので適当に切り上げて立ち去る。半端な昼食だったので微妙に空きっ腹のまま午後の調査をする。隣でスーザンたちが、切り取られたり順序バラバラになったりしている新聞ストリップの整理作業をしていた。ニモやクレイジー・キャット、ポリーなどのそれぞれ脂が乗ってる時期のエピソードが出てきたので見せてもらった。最高〜。
大学のアートセンターの売店で買ったコミックを読む。Nicole Goux & Dave Baker "Fxck Off Squad" いろんな人種のいろんなセクシュアリティの若者たちの恋愛群像劇。キャラがかわいい。画面がいちいち面白い。よかった〜と思って後書き読んだら、白人でストレートである作者たちがこうした人々を描くことの重要性は理解しているつもりだ云々という話がされていた。ホウホウ、どう理解しているんですか?……。理解しているつもりだ以上の話はなかった。蛇足とはこのことである。