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分科会がワクチン・検査パッケージ提言、旅行や大規模イベントの制限緩和へ

2021年9月3日 発表

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は9月3日、ワクチン接種が進むことで旅行や大規模イベントなどへの行動制限が段階的に緩和できるとする提言を発表した。

 提言では、ワクチンの効果にも限界があるとしながらも、先が見えないことによる不安や不満が高まっており、感染対策への協力が得られにくくなってきており、合理的かつ効果的で納得感のある感染対策が求められているとした上で、マスクの着用などの基本的な感染対策に加え、検査と組み合わせた「ワクチン・検査パッケージ」を活用することで、これまでのような厳しい行動制限の緩和が可能になるとしている。

 具体的には、県境を越える出張や旅行、全国から人が集まるような大規模イベント、冠婚葬祭や宴会、医療機関や高齢者施設、障害者施設での面会などにおいては「ワクチン・検査パッケージ」が活用可能だとしている。大規模商業施設やカラオケ、飲食店などについては、適用すべきか否かを検討すべき、修学旅行や入学試験、選挙・投票、小中学校の対面授業などについては、基本的な感染防止策を講じることとして適用すべきではない、とされている。

 ただし、医療の逼迫が低減され、緊急事態宣言が解除された後においても、具体的な扱いについては感染状況などを踏まえて段階的に進めていく必要があるとしている。

 また、「ワクチンパスポート」については、国内でこの言葉を用いると、保持しない人が社会活動に参加できないことを想起させ、社会の分断につながる懸念があるため、国内向けではこの言葉を使用すべきではないとしている。