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OCVB、沖縄の2021年度目標入域数を700万人に。下地会長「Go To トラベルの見直し必要ない」

2020年11月25日 実施

一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー 会長の下地芳郎氏

 OCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)は11月25日、定例記者懇談会をオンラインミーティング形式で開催した。

 最初の発表は、2020年度目標入域数および2021年度の目標入域数について。10月に発表した年間目標入域数は370万人。今後もその目標値は変わらず、達成に向けて取り組んでいくという。個人旅行、修学旅行などの団体旅行とも回復傾向にあり、これまでに修学旅行は50校程度が訪沖している。

 海外客については、2021年3月の台湾便の再開に向け取り組んでおり、検疫強化を図りながら7000人の訪沖を目標としている。

 10月の入域数は34万1200人で、10月発表の見込み数30万9280人を上回った。11月以降の国内客の見込み数は、11月が41万8470人(前年同月比70%)、12月は45万4810人(前年同月比80%)、2021年1月は47万4229人(2018年同月比91%)、2月は48万5710人(2018年同月比91%)、3月は55万2700人(2018年同月比84%)と算出。

 2021年度の入域数については、全体の目標値が700万人で、うち国内客が670万人、海外客が30万人。国内においては、新型コロナウイルスの影響からの回復に伴う活動自粛の緩和、防疫型観光の定着、Go To トラベル事業の一定期間の継続などを期待しての数値。海外については、新型コロナの影響からの回復やワクチン開発による観光移動の緩和、検疫体制のさらなる強化などを前提に算出している。

 この数字について会長の下地芳郎氏は、「700万人という目標値は2020年度の見込み370万人に比べると大きいが、沖縄観光がもともと持っているポテンシャルを考えると決して高過ぎる目標ではない。海外についてはまだ先が見えないが、台湾再開を皮切りに官民一体となり取り組んでいきたい。台湾と沖縄は往来が盛んだったこともあり、台湾からも再開を求める声が強い。海外のほかの地域とは違ったアプローチで再開できるのではないか」と期待を語った。

 また、懇談会閉会時には「Go To トラベルについては、現状から考えて見直す必要はないというのが県の考え。しかしながら感染を抑えることが一番重要なこと。改めて、水際対策など観光業界として対応強化を図り、ようやく回復してきた流れを止めないよう観光誘致に取り組んでいく」ともコメントしている。

「憩うよ、沖縄。」プロジェクト進捗報告。修学旅行は920校が実施予定

 続いて、国内旅行需要の回復に向けた緊急誘客対策について、進捗を報告した。OCVBが展開する「憩うよ、沖縄。」プロジェクトでは6つの強化項目を掲げ、キャンペーンを行なっている。

 特に修学旅行対策、路線別・エリア別プロモーション、離島観光の推進については、航空会社との連携プロモーションの実施や、修学旅行検討中の学校やキャンセル校に対して実施促進の依頼文書の発送などを行なっているとのこと。この文書には、沖縄修学旅行防疫観光ガイドラインについての発信などに加え、新たな取り組みとして濃厚接触者(陰性)となった生徒およびその保護者などへの支援する準備を進めていることが記述されている。

 修学旅行は11月18日現在で920校の実施予定があり、その人数は17万3000人にのぼる。1校でも多くの実施を目指してオンラインでの修学旅行フェア、東京・大阪・岡山でのキャラバンの実施などを予定している。

 路線別・エリア別プロモーションとしては、沖縄県物産公社と連携して東京・銀座のわしたショップでのイベント(11月26日~12月3日)、東京メトロ銀座駅構内でのイベント(11月27日~12月3日)、有楽町の東京交通会館での「めんそーれ沖縄FOODフェア」(11月24日~12月8日)をそれぞれ実施する。

 スポーツのメディアプロモーションとしては、沖縄出身の人気バンド「HY」のメンバーがナビゲーターとなり、「スポーツアイランド沖縄」の魅力を伝える番組をBS-TBSで放送する(12月12日10時)。

「旧海軍司令部壕」「ブセナ海中公園」の50周年事業とバスツアー促進事業について

 OCVBが事業運営する「旧海軍司令部壕」「ブセナ海中公園」の50周年事業については、旧海軍司令部壕では、沖縄県民割引の実施や、資料館展示の充実、平和ガイド・講話を強化。Webサイトを刷新して、動画や4K3Dパノラマ映像の掲載などを行なっている。12月からは、壕内における空間音響ガイドシステム実証実験を開始するとのこと(2月まで実施予定)。

 一方、ブセナ海中公園では、沖縄県民割引の実施のほか、デジタルを活用した情報発信を強化。Webサイトでは「ブセナ海中公園50周年」特集として、海中展望塔の建設記録、1970年代の海中公園の8mm映像などを公開。展望塔の建設に関わった中村英雄氏のインタビューも掲載予定とのこと。

 最後に、「おきなわ彩発見バスツアー促進事業」ついて発表があった。貸し切りバス、定期観光バス、ジャンボタクシー・ジャンボハイヤーなどを活用した観光商品に対して1000~6000円の補助が受けられるもので、11月13日から事業を展開している。補助金約2億円が充てられ、2021年1月31日までのツアーが対象(予算に達するまで)。

 Go To トラベルとの併用も可能で、日帰りツアー、宿泊を伴うツアーとも対象になる。修学旅行や遠足、小旅行などで利用されることを期待しているとのこと。

 1人あたりの補助額は、ツアー料金2500~5000円で1000円、5000円~7500円で2000円、7500円~1万円で3000円、1万円~1万5000円が4000円、1万5000円以上が6000円となっている。