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今年の3冊

 毎年の恒例ものですので、今年も、読んだ本の中からあくまで主観的にベストと思えるものを取り上げたいと思います。今年は、厳選の上、つぎの3冊を選びました。


(1) 竹森俊平「資本主義は嫌いですか それでもマネーは世界を動かす」

(2) ポール・クルーグマン「経済政策を売り歩く人々 エコノミストのセンスとナンセンス」

(3) P・ドーリンジャー、M・ピオレ「内部労働市場マンパワー分析」

 私見では、リーマン・ショック以後の世界経済、および日本経済をうらなう上で、岩田規久男編著による昭和恐慌研究に加え、竹森による上記の本、およびクルーグマンの諸説は、欠かせないものだと考えています。そして、これらで不足するミッシング・ピースがあるとすれば、アカロフ、シラーの「アニマル・スピリット」と、ほかに、アジア経済、なかんずく中国経済、および世界の貿易との関係についての議論ではないかと考えます。そこには、通貨に関する話も、当然含まれてきます。このミッシング・ピースが埋まらない限り、これまでの理解を一歩前進させることすら難しいように思われます。

 これら3冊のほかに注目すべきものとしては、猪木武徳、中村隆英、小島亮、B・フェイガンといった名前が思い浮かぶのですが、自分なりにそれらを位置づけることができていないせいもあって、あえて選択しませんでした。また、社会学のジャンルに属する本も、ブログで明示的に取り上げたものを含めて何冊か読んでいますが、富永健一についての言及がほとんどみられない、ということに違和感があり、それをまだ解消できずにおります。いまは、ジグムント・バウマン「幸福論」を読んだりしているのですが、この人の「リキッド・モダニティ」という概念を、デフレに陥って以降の日本経済・日本社会の文脈で論じるという現在の受容のされ方にもかなりの違和感を持ちます。このあたりの話については、これから、自分なりに考えていきたいと思います。




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