
ストーリー、、、安井銀行池袋支店長沖野一郎は、新任の挨拶廻りの時に料亭「比良野」の女主人前川奈美を知った。沖野は、常務取締役桑山英己とは学校の同窓で、桑山が強引に抜擢したのである。ある日、奈美が増築のため一千万円の融資を頼みに来た。沖野は彼女の店の経営状態からみてこの大口取引を承諾した。それから二人は親密の度を増していった。それから数日を経て奈美は沖野と体の関係を待った。結婚を口にする奈美に、病弱の妻をかかえる沖野の心は動いた。そんな時、桑山が池袋支店に沖野を訪ねて来た。沖野の部屋に遊びに来ていた奈美を見た桑山は翌日のゴルフに沖野と奈美を誘った。奈美に一目惚れした桑山は、追加融資を種に奈美を口説いた。そんな奈美に不安を抱いた沖野だったが奈美を信じた。東京から帰って暫くして、沖野は宇都宮支店に転勤させられた。最後の別れに逢いに行った奈美の態度はよそよそしかった。桑山と奈美は沖野を除外して特殊な関係を持ったのだ。憎悪とシットに燃える沖野は、宇都宮支店にあって仕事が手につかなかった。沖野は秘密探偵社に桑山の素行調査を依頼した。一カ月立って探偵社から伊牟田がやって来た。奈美は旧大名屋敷を買い取り六千万円はする店内の改装、それに桑山との情事の日取りまでが詳細に記されてあった。沖野はこの資料を持って上京、総会屋ボス福光喜太郎に逢った。株主総会でスキャンダルと不正貸付をバクロ、桑山を社会的に葬るためだ。だが、福光が桑山に買収されてしまった。沖野は再び上京した。伊牟田の協力を得て別の計画を建てたからだ。--渋谷の「春月」で奈美と逢っていた桑山は、盗難車のダッジとは知らず奈美と乗った。自分の60年型ダッジと同じだからだ。二人は沖野の密告によってパトカーに捕まった。だが、銀行は世間態をはばかって事件のもみけしを図った。桑山は左遷されるだろうが、沖野の思う壺にはならなかったのだ。沖野は寒流の真中に自分が入ったことを知って愕然とした。
黒い画集シリーズの「あるサラリーマンの証言」に比べると目立った評価がないように思えるが、本作こそ傑作と呼ぶに相応しい作品だ、、、公園の二人俯瞰のロングから次のカットで男と女がベッドで重なるショットへ、凄すぎる、、、一般的には(普通の監督なら)女が誘う、もしくは男が口説くようなシーンも重要と考え、互いの表情を捉えたショットで挟みがちだが、そうはしない、などなど、語りが巧い、、、平田昭彦の女たらしぶりと、女性関係に疎い主人公の対比をハッキリさせて、ある種喜劇でさえあるのも面白い、、、
妻が夫を調査する、常務が沖野を調査する、そして主人公沖野が常務を調査する、、、ところがね、最後の車の入替のトリックが幼稚なんだよね、車替えたら別の車の鍵で走るわけないからその時点で気づくよね、おかしいよね、どうした松本清張!、、、今なら飲酒運転だけでも十分アウトだが当時はそうはならないんだろうけど、兎に角もっと奇想天外なトリックで常務の足を引っ張って追い込むだけ追い込んでほしかったし、途中でヤクザを登場させたなら、ラストシーンでは草むらから鉄砲玉が現れて主人公を刺すくらいのことはしてほしかった、、、
ま、それでもストーリーなんてのは二の次で、全てのショットが素晴らしいフィルムノワールであり、ファムファタールっぽい新珠三千代がシモーヌシニョレのようでもあって、、、とにかく傑作、大傑作、、、
主人公中央

常務中央

女中央


右左、左右、右左、左右、、、








室内ではありとあらゆるアングルから狙うキャメラ、凡庸なショットが全くない














IN








OUT




この画が気持ち悪い、女を真ん中に川の字で寝る三人、、、


