
「日本は少子化と貧困で終わります。それからの目標は生存です」
昔々、ある監督と編集を終え遅い夕食で食堂に入ると、目の前のお喋りな監督の言葉と、隣の客たちの会話と、テレビから流れてくる巨人阪神戦の実況の声が重なり耳に飛び込みクラクラして倒れ掛かったことがある、、、本編冒頭、主人公が喫茶店に入る、いきなり主人公とは関係ない席の下世話な会話が観客の耳に飛び込んでくる、主人公と向き合う友人の言葉と同時にそちらの会話に主人公は耳を傾けている、、、友人は高校時代の友達が死んだと報告しているのに主人公はさほど興味を示さない、他のこと、何もかもにあまり興味がない人なんだろうと薄々思わせ物語は始まってゆく、それにしてもこの冒頭のシーン、監督の力量を感じる、、、
しかしそう感心したものの、、、同棲している彼氏とも二股の彼ともそこそこ好きだけで心底愛しているかと問われると即答できないのではないかという女だ、70年代藤田敏八の映画のような、<もう頬杖は付かない>のような<なんとなくクリスタル>のような、時代が遡れば<蛇とピアス>のような、空虚で未来が見えない女性たちの、そんなその手の映画だと思えて、いい加減『つまんねえな』と感じ出した頃に絶妙なタイミングで転調する、、、主人公のイカレ女ぶりが、度を超えてるぞと思えるころ、インサイドヘッドになったり、プロレス中継風になったり、アバンギャルドチックになったり、最高級の言葉でたとえれば<こわれゆく女>日本版なのだ、、、なるほどね、同棲相手の接し方も、事情がわかってソフトになる、喧嘩もどことなく滑稽に見えてくる、女の周りには優しい男ばかりなのだ(作中、男たちはやたらと「ごめんなさい」を口にする)、、、なのに壊れている女、、、
河合優実、、、今年大ブレーク、おそらく賞レースの筆頭にくるだろう、、、たぶんストーリー重視に人は<あんのこと>を推すと思うが、映画の出来で言えば<ナミビアの砂漠>がこの女優の今のところにベストアクトに思ふ、、、
「脱毛でしたら、エステではなく医療脱毛の方がよろしいですよ、どっちにしろ生えてきちゃうけど」、、、クビ、、、W
4点 花束、鼻血、鼻ピアス、タトゥー、ハンバーグ、「ごめんなさい」、「もう無理」





