
気合と根性の昭和文化
先日、入社3年目の社員に対しての研修時に産業医の先生のメンタルについての講義時「ストレスに対して強くなる必要はない」と若い社員に伝えていました
精神科医の樺沢紫苑さんも「ストレスに強くなってはいけない」とXに投稿しています
昭和生まれの私は「気合と根性が結果を変える」「ストレスへの耐久力は重要」という認知バイアスがかかっていて、容易に受け入れられません
こんなことからも「人の上に立つ立場の人や教育担当は早い若返りが必要」と言われるのかもしれません
そもそも私が平社員だった若い頃の上長達は「心が弱いからうつ病なんかになるんだ!」と真顔で語ってました
昭和入社のモーレツ世代が恐竜だとしたら、その世代に鍛えられた私の世代もモーレツ遺伝子を引き継いだ半恐竜です
「ストレスに強くなるよう心を鍛える」は最重要課題で、弱いとすぐに会社を辞めたり、目標数字を達成できないと信じ込んでいました
長きにわたり信じ込んでいたことは認知バイアスの強さから、変えるのが大変です

ストレスに強い人の末路
ただ近年の適性検査の精度の高さから「すぐに辞める人間は先のことを考える思考力が弱い」という知能や知性の問題だとわかってきています
「この会社やだな」から考えが止まる人間と、「でも・・・」と思考が継続していく人間とでは離職に対する決断が違ってきます
アメリカの幼稚園児に「一人にマシュマロ3つづつあげる」「でも今、食べずに1時間我慢出来たら5つあげる」という実験をしたところ、我慢したグループの方が社会に出てから圧倒的に大成したそうです
思考に継続力がある方が有能になるということです
ストレス耐性を鍛えればメンタルが強くなると思っている人ほど、心は折れやすくなり、心の強さは「硬さ」ではなく「しなやかさ」なのです
「ストレスに強くなる必要はない」ということは、ストレスは「耐える」ものではなく「受け流す」ものだからです
これは精神科医の樺沢紫苑さんが述べていたことですが
ストレスをボクシングのパンチに例えてみると、強いパンチが飛んできたときガードを固めて耐える人がいます
これがいわゆる「打たれ強さ」です
しかしどれだけ打たれ強い人でも、10発、20発、30発とパンチを受け続ければ、必ずダメージを受けます
そしていずれ倒れてしまいます
つまり、ストレスに強くなるという考え方は限界があります
ではどうすればいいのか? ボクシングが上手な人は、パンチを受けずにスッと避けます
どれだけ強いパンチでも、当たらなければダメージはゼロです
ストレスも同じで、真正面から「受け止める」のではなく「受け流す」ことが大切なのだと述べています

ストレスを受け流す力=レジリエンス
ストレスをスルーする力、受け流す力を心理学では「レジリエンス」と呼び、レジリエンスは心の回復力、しなやかさという意味です
バネは押されても元の形に戻り、ぐにゃっと曲がっても折れません
ストレスがかかっても元に戻れるのがレジリエンスです
精神的に強い人とは、鋼のように硬い人ではなく、バネのようにしなやかな人であり、 ストレスを減らすことが必ずしも正解ではないのです
ストレスは必ずしも悪いものではなく、適度な刺激は人を成長させます
職場でもただ仲良くしているだけの環境よりも、適度な緊張感や競争がある方が生産性が高いことがあり、ストレスを完全に排除することより「ストレスとうまく付き合う力」を持つことです
樺沢紫苑さんいわくレジリエンスをあげるのに大切なのは、睡眠 ・運動 ・朝散歩(体内時計を整える) の三つだそうです
多くの人はストレスが原因で落ち込んでいると思っていますが実際には・睡眠不足 ・運動不足 ・生活の乱れ だそうです
これによって心の余裕がなくなっているケースが非常に多く、 きちんと睡眠を取り、体を動かし、朝日を浴びるだけで驚くほど心の余裕が生まれると述べています
運動がストレスに効果的であることは科学的にも証明されていますので、 中強度以上の運動を30分行うと、コルチゾールというストレスホルモンが正常化するという研究があります
コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれ、運動して汗をかくとスッキリする経験があると思いますが、 これは気分の問題ではなく実際に脳内のストレス物質が減っているのです
人間関係で嫌なことがあったとき運動して汗を流し、 そのままぐっすり眠ると次の日には驚くほど冷静に物事を見られるようになります
ストレスに対する考え方も令和ではだいぶ違ってきたようです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました