
日本の賃金は低くない
これからは急速な少子化により若者の採用が厳しくなるので、どこの企業も若者の採用に必死です
テレビCMもモノを売る宣伝でなく企業を売る宣伝が増えてきています
会社の20年先、30年先の社員の世代別分布図を観るとぞっとするからです
『需要はあるのに高齢化で滅びる会社』などもこの先出てきそうです
その為に初任給40万などの会社も出始めましたので、50代の就職氷河期世代の平均給料を完全に上回ってます
20代・30代の給料は上がり続け、役職定年などで50代は下がってますが18歳~60歳の現役世代の給料は間違いなく大きく伸びてます
日本の給料が低いのは主婦のパート労働の多さと、60代70代の就業率の高さが平均給料を押し下げているからです
『60歳過ぎても多くの人が働いている惨めな国』というテーマで取材に来た英国テレビが、取材をしてみると「まだ社会の役に立ちたいから働いている」という高齢者が多く、その仕事ぶりも勤勉活丁寧だと高評価番組に変わったそうです
この使命感というか奉仕の精神は日本人独特です
圧倒的に多い高齢者の人数が平均賃金を下げているだけです
私もシニア世代に愚痴られたことがありますが「結局若者がやりたがらない仕事をさせられて、給料は以前の半分以下!もう少し感謝してほしい!」と言われ、安い労働力で地味な仕事をこなしてくれるシニア世代には助かっているのも事実です
反面、金の卵扱いの若い世代はどんどん仕事を選ぶようになっています

仕事はコツコツ積み上げるもの
先日、訪れた大学のキャリアセンターの課長の話では「今の学生はコンサルタント会社を希望したり、すぐにマネージャーになれる会社を選ぶ傾向が強くなってきている」とのこと
少し考えればわかりますが、コンサルタントは潰れかけた会社を再建したことがある役員やメガバンクの融資担当を長年続けてきた人などが、そのノウハウを生かして他社の経営陣を指導する仕事です
マネージャーも末端の仕事から経験を積んで実力が認められてなるものです
司馬遷の「史記」の中から趙括と韓信を例に出しながら知識豊富=優秀か否かを説明したことがあります
知識とは単なる道具であり、どんな名刀も腕の悪い剣士が使えば相手に勝てず、粗悪な刀でも腕のいい剣士が使えば名刀にみえます
知識が豊富な人が優秀なのではなく、知識を使いこなせる人が優秀なのです
コンサルタント会社もノウハウが蓄積されていますから、しっかりしたコンサルタント育成マニュアルがあると思いますが、それは知識を身につけただけにすぎません

意味のない仕事などない
私の最初の仕事は地下2階にある倉庫で保管期限の切れた履歴書などの書類のシュレッダーにかける仕事でした
窓もないカビ臭い地下で2週間ほど働き、それが終わると配送部でダンボールをトラックに積める仕事が続きました
『今年の新入社員』という恒例の発表では『液晶テレビ型』と言われ、高価な割には色が不鮮明で壊れやすい=初任給が高く、何を考えているかわからず、すぐ辞める恐れがあるというものでしたが、地味でキツイ仕事でもとりたて不満はないし「新卒採用の仕事なのに雑用かよ」という不服も感じませんでした
「社会とはこんなもの」は最初に学ぶべきものです
そもそもカッコイイ新入社員などいないということや、自分は何のノウハウもない未熟者という自覚なしの新入社員は恐ろしいものがあります
若者は「今は売り手市場だから自分を安く売る必要はない」ということは良く自覚していると思います
この頃は役職から降格する50代や、低賃金できつい仕事をしてる60代・70代を社内で観ても遠い先の話で何も感じません
「この仕事はステータスが高そうだ」「クリエイティブな仕事はカッコイイ」「マネジメントの仕事がいい」などは、10年後・20年後の夢として考えるのはいいですが、何のノウハウもない最初からは普通に考えて無理があります
キャリアセンターの課長の話だと「営業職に嫌悪感を抱く学生が多い!ドラマの世界のように精神的につらい世界だと思っている!」とも言ってましたが、私も営業は長かったし、営業管理職も長かったですが、物が売れなければ会社にお金が入ってきません
とある中小企業の社長が言っていましたが「営業マンを増やせば売り上げは伸びるが、事務職を増やしても売り上げは伸びない」のです
最初から「企画やりたい」「マーケティングやりたい」とクリエイティブな職種を夢見ても「自分の経験値はどうなの?」と問われます
確かに年を追うごとに新入社員の価値観は高まりますが『自分の未熟さを知る』『ノウハウの蓄積は長い年月を要する』ということを自覚しないと薄っぺらな実力しか身につきません
前回「中高年はいずれ役職降格や給料減の意識改革が必要」と述べましたが、学生も自分の未熟さを自覚するという意識改革が必要になってくると思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました