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2025年、映画館で観た旧作映画を振り返る

とりあえず上半期……と思ったけど、数が多くて全部は無理っぽいねこれ。諦めるね。ということで、印象的だったやつの感想をいくつか。相変わらず、にわか映画ファンには旧作レコメンド助かる~~という気持ちで観に行っております。

『バッドランズ』天国の日々独立した記事で感想を書いたよ!偉い!

では行きます、順番とかめちゃくちゃです!

『菊豆』『紅夢』

2024年の年末から続いていたチャン・イーモウ監督初期作特集で観ました!(『紅いコーリャン』の簡単な感想はこちら

いやコン・リーそろそろ幸せになってくれないか、てずっと思いながら観てた、美貌がやつれて壮絶な雰囲気になっていくのが辛いよう…。実際にかなり過酷な撮影環境だったらしく、ほんと20世紀の映画製作そういうとこやぞ、マジで。

で、どちらの作品も、それぞれ山間の大きな染織工房と清朝時代の豪邸という特徴的な構造の建物を俯瞰して撮って、まるで豪華なフレームみたいにして、その中から出られない人々のどうしようもないメロドラマがフレームの内側で繰り広げられて全員不幸になる、みたいな話だったので、観てるのも大変だったね…。染織された大きな布の揺らぐ重なりや、浮かぶように並ぶ紅いランタンが夢のように美しく、しかしそれらに彩られる人間たちのなんと愚かで醜いことよ、ていうね。

製作には日中香台の有名フィルムメーカーが名を連ね、そういう意味では東アジア映画界の夢みたいな作品たちでもある。そして監督はこれらの初期作によって海外で高く評価され、一方で本国では上映禁止という扱いを受けながら、それでも母国で映画を撮り続けることを選んだという事実に、ちょっと自分には想像もつかないほどの覚悟と凄みを感じたのでした。

カップルズ』

エドワード・ヤンだよ!!

4人の少年ギャングを主軸にした群像劇なんですが、何がすごいって、10人くらい出てくる登場人物の錯綜した動きの中で、誰が何を知っていて/知らなくて、だからこういう決断をして、誰と誰がすれ違って、ていうのが、観客に過不足なく情報が提示されて、彼らの行動やその帰結がちゃんと理解できるようになってることなんですよ。その整合性を取るための説明台詞みたいなのは一切無しで。すごくない!?語りの順番も上手くて、そういういわゆる神の視点なのに、それぞれの登場人物がびっくりしているときは大体観客も一緒にびっくりする羽目になり、物語のサスペンスにもなっている(ヤクザ二人の動きだけはコメディ寄りなのでちょっと別っぽいけど)。

でもどういう技術によってこの語りを実現しているのか全く分かんない。たぶん映像作品を作ったことある人とかのほうが、もっと技術的なすごさが理解できるんだと思う。

あと上の話とはまるで関係ない煩悩まみれの感想なんですけど、クズのタラシを演じたチャン・チェン張震)が最高だったわね…それはズルいだろ!!(何もずるくない)

少年たちがまだ知りもしない愛を失い空虚な社会に絶望し、不合理な世界で予定調和のロマンスや成功には手が届かない。それぞれに傷ついたり傷付けられたりして苦いまま終わるかと思われたラスト、たった一つのささやかで美しい出会いに救われるね…。

せっかくなので(?)香港映画の話も少し…。

男たちの挽歌』『レイジング・ファイア』『ドラゴン×マッハ!』『導火線 FLASH POINT』

これら再見なんですけど、せっかく香港映画が盛り上がってリバイバル上映してくれているので観に行きました(観た順)。

香港映画の香港マフィア、あんまり刺青を入れてるイメージ無かったんですけど、『男たちの挽歌』の最初のショットで背中一面にがっつり入ってましたね、という視点を得た、そういやそうだった。あと潜入捜査もの、みんな好きだね…と思いました。

なんかこう、変わってゆく香港を繋ぎとめようとする(あるいは残そうとする)切迫感が観ててちょっと辛いんだよな…部外者の身勝手な感想ですが。返還前の作品でさえ、「終わりがある」という事実からは逃れられないわけで。観れば観るほど、自分がどういう気持ちで観てるんか分からんくなるみたいなところがある。個々の作品の良し悪しとは別の部分でね。なんで『導火線 FLASH POINT』は返還前の設定にしたのかなあ、とかさ。

『ベテラン』

こちらは韓国のポリスアクション(?)映画だよ!今年、9年ぶりの続編が公開されるタイミングでリバイバル上映されたのを観に行きました。2015年かあ…映画とか全く観てなかった時期だね(そうかい)。

久しぶりに自由闊達なキャラクターを演じるファン・ジョンミンが観れて嬉しかったんですけど(過去作だけど)、なんかカメラワークとか音楽の使い方が『密輸1970』っぽいな~こういう作風の先駆けだったのかな~とか思いながら観てたら、監督が同じだったわね!!!いや申し訳ない(誰に謝っているのか)。改めて、『密輸1970』はこの作風とモチーフがばっちり嚙み合ってたのが良かったのね、と思いました。

閑話休題。本作が製作されたのは、韓国で大富豪の御曹司たちの乱暴狼藉が社会的に話題になっていた時期だそうで、言われてみれば、飛行機引き返し事件とか、あったねえ!ていう。で、こういう庶民たちの鬱屈を晴らすようなアウトロー的ヒーローの描写が、映画的にかなり上手いことやっているとはいえ今観るとちょっと危ういかも…??ってなってからのあの続編!!なんていうか、企画の練度が高い…っ!!

ということで、ぜひ2作続けて観ることをお勧めします。

籠の中の乙女

ヨルゴス・ランティモス、さてはずっと同じことやってんな!?と思った初期作。いや知らんけど…(本当に知らない)。若い女性に踊らせる破調のダンス、世界と隔絶した場所で育つ魂は世界に何をもたらすのか、無垢なる魂は福音か破滅のラッパか、愛と支配と暴力とつまらない性愛に満ちた世界など滅ぼしてしまえ、みたいな…。人間の内なる自然の暴力性、とかそういう話なのかなあ。映画館で身動きできずに観る映画としてはなかなかキツイ部類の映画でしたね!

あと、『哀れなるものたち』の原作との差分について腑に落ちるところがあったので(上で書いたようなモチーフを増幅して他を捨象してるよね)、興味深くはあった。が、好きかと言われると、いや別に…だって怖いんだもん。

『ミステリアス・スキン』

グレッグ・アラキ監督の個人的な経験と、時代的な背景やモチーフと、俳優たちの刹那的なきらめきが、奇跡みたいな邂逅を遂げて出来上がった痛切な癒しのプロセスについての映画でした。痛々しいんだけど目が離せなくて、ラストシーンのあまりの美しさ、切なさ、切実さ、儚さが忘れ難い。

しかし後から知ってびっっっくりしたのは、主演の一人を演じた少年が『ブルータリスト』(感想はこちら)を撮ったブラディ・コーベット監督だったことですね!有名な話???作風から思うに、俳優をやってた頃から、自分がやりたいことをずっと考えてたんだろうな、という感じがしますね。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

今のところ今年唯一のドキュメンタリーがこれ!音楽史に疎すぎて、キューバ音楽がなんで世界的な知名度を獲得したのかとか考えたことも無かったんですが、本作によって問答無用で叩き込まれました!アルバムのメイキング、というにはふわっとしているけど、メインの奏者たちの来歴やキャラクターを掘り下げたり、レコーディングの様子やライブツアーの映像があって、アルバムの制作者たちがキューバの音楽家たちにどういう魅力を感じて、何を世界に届けたかったのか、が分かるようになっている。

音楽については自分は何も分からんのですが、特にピアニストのルーベンが、子供たちに囲まれてダンスの練習曲を弾いたりしてるシーンの多幸感とかちょっとたまらないものがあった。バンドメンバーの多くは、国家の経済状況が悪化してから10年以上も楽器に触れることなく暮らしていて、苦難の時代を経ての華々しい世界デビューなんだけど、みんなで演奏する場面の瑞々しい喜びと祝福がきらきらと輝くさまは、本当に言葉にし得ぬ美しさがあった。

あとみんなめちゃくちゃ葉巻を吸ってた。なんかキューバといえば葉巻、みたいな(前世紀の)イメージあったけど、あれは本当だったんだ…、みたいな感慨もあった。

パリ、テキサス

あのー、ヴィム・ヴェンダースってめちゃくちゃいっぱい映画を撮ってるんだね!?(いまさら)今年エンカウントしたヴェンダース、今のところ3本、のうちの2本目です。

お話は、クズ男(いやクズだろ、どう考えても)が自分のクズさに向き合えるようになるまで、周囲の人々を傷付けてしまうっていうどうしようもない話で辛かったんですけど、扉や窓枠、鏡、マジックミラーを駆使した自在なフレーム使いとロードムービーの抜け感の対比が印象的で、スクリーンショット(?)がいろんな所で引用・参照されるの分かるなあ、って感じでした。「映画の中のアメリカ」そのもの、っていうか、この映画がそれを定義したんだろうか?と思わせるような、どこにも無いのに旅の目的地になり得る場所、あのマジックミラーの部屋でさえそう思わせる何かがある、なんだか夢みたいな映画でしたね。

でもさあ、あのラストにはぜんぜん納得いってない、育ての親より生みの親、みたいに見えちゃうじゃんあんなの。みんな(みんな?)そういうのが好きなの…???

『ハメット』

ヴィム・ヴェンダース3本目!ヴィム・ヴェンダースが探偵サスペンスを!?と思ったらやっぱり喧嘩してるんじゃん…コッポラと…。本編の前にメイキングドキュメンタリーがあって、ヴィム・ヴェンダースが、「もうヤダ…」みたいになってコッポラが超不機嫌(この時期のコッポラ、仏頂面ばかりのイメージがあるが)、ていうのを観れて面白かったです。

で肝心の『ハメット』なんですけど、先にメイキングを観てしまったからだと思いますが、なんかスタイルに混乱があり、撮影の意図とストーリーが意図せずバラバラになってしまっている…??という印象でしたね!すごいかっこいいショットとか凝ったセットとか見どころなのに、その良さが作品の質に貢献していなというか。興行的にも微妙だったそうで、でしょうね!!っていうね。…話はなんか暗いしさ…コッポラが編集したからか『カンバセーション…盗聴…』に味わいが似ている気がする。

はい!!終わりが見えないからとりあえずここまで!!

続きはまたいつか!!!!

みなさまにも映画との良い出会いがありますように!




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