大晦日だよ!!みんな今年も無事に生き延びたかナ!?きな臭い出来事ばかりの昨今だけど、また来年も外国の映画をたくさん観れるといいね!!
ということで、2025年のベスト10プラス10です!今年の新作映画、144本を劇場で観たらしいですが、それでも邦画はほとんど観てないし、他の人のベストを眺めてたら、観てないな~っていうのもたくさんある。映画ってたくさんあるんだね…(?)
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個別の感想があるやつはリンク張っておきます。上半期まとめとそれ以降ちょっと頑張ったおかげでまあまあ出揃っていて助かりますね。ありがとう、自分。
上半期ベストと見比べると、順位の変動が興味深いですね。面倒なので分析はしませんが……では行きますよ!
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特別枠!
★ 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来
観た順ベスト10!
★ ディックス!! ザ・ミュージカル
★ Brother ブラザー 富都(プドゥ)のふたり
★ セプテンバー5
★ ブルータリスト
★ ドマーニ! 愛のことづて
★ サブスタンス
★ シンシン SING SING
★ 罪人たち
★ KNEECAP/ニーキャップ
★ ブラックドッグ
観た順次点!
★ 対外秘
★ トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦
★ 終わりの鳥
★ 愛はステロイド
★ ファンファーレ!ふたつの音
★ さよならはスローボールで
★ あの時、愛を伝えられなかった僕の、3つの"もしも"の世界。
★ WEAPONS/ウェポンズ
★ ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行
★ 満江紅/マンジャンホン
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『KNEECAP/ニーキャップ』
アイルランド語話者によるラップグループの本人出演による伝記映画!痛みも怒りも喜びも生活も歴史も全部ことばでできている!徹底的に反体制で反権威、逼塞した不条理な日常を過激に笑い飛ばすスタイルは確かに魅力的で、言語と音楽の可能性ってすごい!
映画の中で、国語教師のメンバーがアイルランド語で音楽をやることについて語るときに「ドードー鳥を解き放つ」て言ってたのにすごい感動したんだよね。言葉は檻に入れて保護してるだけじゃ存在しているとは言えなくて、それを使って人間が思考し、記録し、コミュニケーションを取ることで「言語」足り得るっていう話で、少数言語や方言をめぐる政治的緊張はもちろん日本にもあって、それを思い出したりしたのでした。
全体的にはポジティブでガッツがあって、めちゃくちゃ元気のでる映画だよ!
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『ブラックドッグ』
2008年、五輪開催に湧く北京から遠く離れゴビ砂漠に隣接する村に、一人の男が帰郷する。我が物顔に徘徊する野犬の群れ、よそよそしい村人…閉塞し、寂れて果てた荒れ地にしがみつき滅びゆく日々をやり過ごすだけの日々、からのあまりにも美しい忘れ難いラスト!今ここに閉じ込められた人々の鈍麻が男を深く傷付けその絶望を深めるが、偶然のように行き合った黒犬との絆に救われ再び歩き出す。
広がる砂漠の圧倒的な景色、荒廃するままに点在するビル、ほぼ実写と思しき動物たちの野生、来て去ってゆく”外の”人々、地面を暖め得ぬか弱い陽光。生々しい現実と様々なレベルのメタファーが、透徹した視点で絵巻物のように映し出され、夢のようなクライマックスの風景に収斂する。 ちょっとマジックリアリズムの雰囲気もあり、これは映画でこそ語られるべき物語なのだと、宣言しているようでもあった。
オープニングの野犬の群れとか、他の動物たちの場面とか、砂漠の吹雪とか事故とか、マジでどうやって撮ったん…??みたいな場面が冒頭からずっと続くのですが、パンフレットの監督や主演のインタビューでは頑張って撮った、みたいなことしか言ってなくてビビる。ベテラン監督の腕力を感じるね…。いつも、観たことの無いものを観たい、と思って映画を観ているので、その期待に圧倒的なリソースで応えてくれてありがとう、の気持ちです。ていうかお金と時間の使い方が贅沢なんだよ、培ってきたキャリアをこんな渋くて大胆で批評精神と開放感に満ちた映画を撮るのに惜しみなく使ってくれて大感謝だよ、クワン・フー監督とエディ・ポン…。
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『WEAPONS/ウェポンズ』
静かな住宅街で発生した児童の集団失踪事件に潜む邪悪な意思!田舎町の閉塞感を思う存分味わえる静かで息の詰まるような前半からのラストの爆発力よ!視点人物が固定されて少しずつ事件の全体像が見えてくる丁寧な構成と、パズルのピースが出そろった後の怒涛の展開とラストのカタルシスがすごい。
一応R18なので人体破損描写はあるんですけど、ちゃんと予告(?)してから来るし量も少ないので、サービスで付いてたデザートが本気の味わい、みたいな位置づけだった。それよりもなんか隠喩っぽいイメージを散りばめたダウナーな雰囲気で、人間の愚かさとか浅慮が招く取り返しのつかなさをいちいち嫌な感じで描写するのがマジで上手い。あとアルコールと薬物依存は良くないね。うん。そしてラストを見届けたときの後味は唯一無二のオリジナリティがある。 これアメリカのこういう町のこともっと知ってたら、着眼ポイントがたくさんあるんだろうね。あと見失ったけど監督インタビューで、アルコール依存症患者が家庭にいるときの子供の無力感の話をしていて、なるほど~と思ったのでここにメモです。
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『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』
謎のカーナビに導かれ、過去への旅に出る二人の到着地点は…?少し不思議で優しく切ない大人のファンタジー・ロマンス!辛気臭い顔をしたコリン・ファレルがノリの良い(胡散臭いの一歩手前)レンタカー屋とカーナビにのせられて(文字通り)、戸惑いながら旅に出て、新しい人生に踏み出す…と思いきや、いい年の大人なのでそう簡単には行かないのであった。そりゃそうだね。
自分の枠を決めて波風の無い人生を送ろうとしている大人たちに、胸の奥底に抱えたままの傷をそっと抱きしめながら、壮大で大胆な旅に出ようと誘ってくれる変なカーナビが最高だった(変なカーナビだけど)。 そう、カーナビだから、運転するのは自分なんだよね。アクセルも、ハンドルも、自分で操作しなければどこへも行けない。カーナビの言う通りにぼんやり運転してたらとんでもないところへ連れて行かれた、みたいな映画でこんな泣かされるとは思わんかったよ。そして主役二人のケミストリーが尊い。ポップミュージックを中心にした劇伴もすごく良くて、久石譲のちょっと甘めのピアノもぴったりよ。
なんというか、予告とかポスタービジュアルの印象よりはずっと内省的で、コゴナダ監督らしい落ち着いた色彩と端正な画面構成が美しく、しかしハッとするような鮮烈な飛躍があり、控えめなユーモアが優しく、旅の景色は懐かしさと新鮮さがあり、本当にとっても良かったです。
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『満江紅/マンジャンホン』
やはり中華エンタメ、史劇に一日の長がある!!
時は12世紀、南宋と金の和平交渉直前、金の使者が殺された!…から始まる骨太の歴史サスペンス&陰謀劇!犯人探しに駆り出された若き武将と下っ端の甥、様々な策謀が入り乱れる中、二人はこの場を収めることができるのか!?チャン・イーモウ監督らしい洗練された撮影、犯人探しミステリーとしてのサスペンスフルな展開、重厚かつメッセージ性の高い歴史劇、達者な俳優陣による演技合戦まで全部入りで面白かった!主役コンビのキャラ設定、甥のほうが年上で部下でうだつは上がらないが妙に口が立つオジサン、叔父が立身出世を目指す真面目で有能で上役の覚えもめでたい若者、ていう組み合わせなの、中華エンタメの良いところ!って感じでいいよね!
歴史を動かすのが手紙や詩の「言葉」だという確信を登場人物全員が共有してるのが、まさに中華文明の核心そのもので、それをダイナミックな映像で表現するクライマックスには痺れるね。岳飛秦檜もの、というのは史劇の伝統的な題材だそうで、「満江紅」も本来は一般名詞なのが特定の詩を指すようになったらしいですが(「勧進帳」みたいな?)、私は色々知識が足りてないけど、それでもシチュエーションさえ理解すれば3時間の長尺もずっと面白く観れてすごい。音楽の使い方も工夫があって、見どころの多い映画でしたよ!
俳優もみんな良かったが、主役の青年『少年の君』の易烊千璽か…!いやご活躍で…(すでに錚々たる出演歴、大物監督たちに引っ張りだこだね)。
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はい!今年もそろそろ終わりだよ!
来年もみんながいい映画をたくさん観れますように!
では!!!
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追記! 2026/1/3
なんか有名どころ…っていうかみんな(みんな?)が一票を入れてそうな映画をベストに選んでない理由について、自分用にメモしておこうと思い立ちました!したがって、こっから先は映画の悪口になりますので気をつけてね!!あとオチについての話をしているのでネタバレあるよ!
『ワン・バトル・アフター・アナザー』→これさあ、色々と今現在のアメリカに対して辛辣でしかも映画的にも工夫が合って年ベスに入るのは理解できるんだけど、あの”白人男性クラブ”がまるで無傷なのがどうしても腑に落ちないのであんまり好きじゃない…色香に惑った愚かな老人をガス室で始末するのが批評的でしょ?みたいなこと言われてもな。老人が腹に爆弾でも仕込んでて焼却炉で爆発してビルが倒壊する、くらいあっても良かったんじゃないの。そしたらもっと笑えたと思うね。
『教皇選挙』→実在する人間の属性をミステリーの道具にしてるだけじゃんか、って腹を立てているので、なんでクィア映画として評価されてるんか良く分からん。孤島マーダーミステリーとしては良くできてると思いますが。だって(今のカトリックの教義ではそうなるとはいえ)結局「男だから」認めますよ、って言ってるじゃんか。あと、性別の話だけじゃなくて出身地や経歴の話も、小道具としてしか使ってないから、東アジア系の枢機卿なんか背景にしかいなかったじゃん(一瞬だけ、”アジア”でまとまる方向もあるのかな?って期待しちゃったから展開に失望したのもある)。
って感じですね!偏屈な映画ファンでごめんね!!!
では!