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「サナエ・ショック」は起きたのか?これから起きるのか? [No.2026-022]

定年後の一市民として感じたこと

私は経済の専門家でもなければ、金融のプロでもないのですが、気になっているのは昨年10月以降ニュースで流布されていた、あの「サナエ・ショックが起きるぞ!」という言説です。

 

昨年10月に高市総理が就任し、今年1月に衆議院を解散、2月8日の投開票では自民党が圧勝という結果になりました。政治的にはむしろ安定感が増したように見えます。

 

ところが、就任直後から一部の専門家やメディアでは、日本版「トラス・ショック」が起きるのではないか、と盛んに言われていました。英国で リズ・トラス 氏が首相だったときに、減税策をきっかけに市場が大きく動揺した出来事になぞらえて、「サナエ・ショック」と呼んでいたわけです。

 

私だけでなく現実主義で見れば「本当にそんなにすぐ壊れるのか?」という目でつい見てしまうでしょう。

メディアの論調をどう読むか

Yahoo!ニュースには「世界の真ん中で咲き誇る高市外交」今やいずこ? 世界が震撼する財政悪化震源地「サナエ・ショック」<遠藤誉>という刺激的な見出しの記事が出ていました。

また、「そりゃ円も売られるわ…『円安ホクホク』よりヤバイ高市政権『積極財政最悪シナリオ』の末路」という記事もありました。

さらに、日本経済新聞 の社説「消費税減税ポピュリズムに未来は託せぬ」では、減税路線への警戒感が示されていました。

 

いずれも共通していたのは、「このままでは市場が不安定になる」という心配です。

”心配”それ自体は理解できます。リスクを考えるのは当然です。

ただ、元会社員という現実主義でないと役に立たない世界から来た者の感覚からすると、「最悪シナリオ」をそのまま現実のように語るのは違和感があります。実世界では、最悪条件はあくまで想定の一つです。実際にそこまで行くかどうかは、前提条件次第です。

 

そもそも上で最初に挙げた遠藤誉さんという方が書いた記事では「サナエ・ショックは既に起きていて、今世界は大恐慌の入口にいる」とまで言った上で、この所起きている世界の経済現象はすべて高市総理がきっかけになっているとまで述べていて、あまりにも酷いトンデモ論になってしまっています。

結局、実際にはそんなことは起きていませんし、今見ればあの時点でもデマに近いと言わざるを得ません。結局、遠藤誉さんの”予言”はハズレとなりました。

今現在、現実はどうか

では、今現在、日本経済は崩壊したでしょうか。少なくとも、英国のような金融パニックは起きていません。円相場も日々上下はしますが、「大混乱」という状況ではないと評価されています。

世界の経済もいわゆる”通常営業”の範囲と言えるでしょう。

 

そもそもトラス・ショックは、リズ・トラスさんが首相就任した17日後に「大規模減税を中心とした成長計画」が発表された直後に発生しました。政策が明らかになった直後に市場が動いた(ショックを受けた)のです。

一方、高市さんの場合は随分以前からご自分のやりたい政策は書籍という形で何冊も出版されていてその総販売数は日本の政治家の書籍としてはトップラクスで、現時点までトータルで15万部ともいわれています。
従って、その政策は少なくとも市場関係者には広く認知済みです。万が一、高市総理がこれまでまったく述べてこなかった政策を突然表明し実行に移す、というような行動に出ない限り、ショック現象は起きないわけです。

 

もちろん、日本でもこれから何が起きるかは誰にも分かりません。ただ、「就任したらすぐショックが来た」というトラス・ショックのような流れにはならなかった、というのは既に事実として結果が出ているわけです。

従って上に挙げた記事は全部ハズレとなりました。

 

選挙で与党が大きく勝ったことも、現時点では市場にとって「しばらく政策が安定して続くだろう」という材料になっているようです。政治の安定は、それだけで一つの安心材料でしょう。

実際株価も通常揺動しながら安定上昇しています。

 

経済学をちょこっとかじったおじさんから見ても

以前中小企業診断士の資格を取ろうと勉強していた話は過去の記事で書いていますが、診断士の科目の中でも大きなところに経済学と経営の知識の科目があります。

その際に経済について少しかじっただけのおじさんから見ても、トラス・ショックを高市政権に当てはめるのはトンデモ論としか思えませんでした。

 

日本は自国通貨で国債を発行しています。会社で言えば、自社で発行できる社内通貨を自社役員が買っているようなものです。もちろん無限に発行してよいわけではないでしょうが、少なくともここは英国とは条件が違います。

一方で、借金が増え続けてよいのかという不安も分かります。長期的なバランスは大切でしょう。

 

結局のところ、現実は「すぐ崩壊する」と「まったく問題ない」の間、というごく普通の状態にあると見てよいでしょう。極端な話よりも、地道な数字や政策の中身を見ることが大事なのです。

私たちにできること

定年後、時間に少し余裕ができたおかげで、SNSやGoogleのオープニングページに流れてくるニュースはじっくり読むことができます。しかし、見出しがあまりに「釣り」になっている記事が多いのには閉口します。

 

以下3つに絞りましたが、要注意事項ですね。

  • 慌てないこと
    「ショック」という言葉に反射的に不安になるのではなく、本当に何が起きているのかを確認する
  • 複数の意見を読む
    賛成も反対も両方読むことで、少しバランスが取れるように思います。
  • 選挙で意思を示す
    政治は評論するだけでなく、参加するものでもあります。今回の選挙結果も、国民の判断の一つの形でしょう。しかし投票率が60%に満たないというのは情けないですが

 

結局、一部のメディアが喧伝したような「サナエ・ショック」は起きませんでした

 

しかし将来も何らかの”ショック”が起きないとも限りません。だからこそ、過度に恐れず、しかし無関心にもならず、落ち着いて見守る姿勢が大切なのだと思います。

 

私としては派手な予言よりも、足元のデータと現実を大事にしなければと思っています。そうしていないと、自分の家族も資産も守ることができないのですから。

そんな気持ちで、これからもニュースを追っていこうと思っています。




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